腐っても悪魔
ここは悪魔が住まう誠心世界
アスラがいる世界とはまた少し違った世界
その悪魔は退屈していた。
何百年も生き続ける悪魔の中にも階級はあり
悪魔の中にも色々な種類が存在するわけですが
私は名も無い悪魔。
ただ魔界はいつだって殺伐としている
私も身の程知らずの下級共に喧嘩を吹っかけられ
その度消しているわけですが。
いかんせんこの世界は退屈だ。
眠る必要も無く、特にしたい事も無い。
私より下級でこそ、下級の中では強いと噂の悪魔たちは
異世界に呼ばれて消えて行く
残るのは下の下、退屈で仕方が無い
呼び出された悪魔たちは意気揚々と召喚主を殺して来ると言い張り
戻ってくる事は無かった。
異世界とやらがどんな世界か気になる
他の悪魔も同じくしている
弱すぎても中級に殺されゲートを奪われ
私も奪おうとしたがなぜかゲートが崩れるのだ
私は強すぎるせいか召喚できるような者が現れないのか
退屈で仕方が無いのだ・・・
魔界の下級ではなく強者と呼べる者を殺したい。
異世界にはいろんな種族の生き物が居ると聞く。
少し前ならば私を呼び出すような身の程知らずがいれば
召喚と同時に殺そうと思うが今は違う。
もしも私を異世界に呼んでくれるのであれば
この退屈が終わりを告げるのであれば
弱い人間だろうがしばらくは生かしてさしあげようと。
そして時が来た。
退屈ないつもと変わらぬ日
魔界上空に大きな魔法陣が現れる
膨大な魔力だ、
こんな魔力の魔法陣を見たのは何年前だったか
以前私と同じ階級の悪魔が2体、大きな魔法陣が現れた時我先にと
消えて行ったのを覚えている。
このチャンスを逃してはならない。
何体もの悪魔たちが空をみあげ即座に上空へ動き出す
入ろうと向かう下級共を消し炭にし私は向かう
望みが一つかなう
どうか異世界では刺激ある新しい悪魔としての生活を夢見て。
魔法陣の真下は解体された悪魔の残骸が散らばり、積まれていた
一体の名も無い悪魔は巨大な魔法陣に消えて行った。
「初めまして、私をお呼びくださりまずお礼を、ありがとうございます。
名も無い悪魔でございますがお見知り置きくださ・・・い」
目の前には一人の少年が立っていた
美しい顔立ちに
膨大な魔力を感じる。
どうやら・・・とんでもない御方に私は呼び出されてしまったのでは?
魔将が誕生した。
魔王城があるのは異世界の魔族領土。
魔将がすまうのは魔界。