25.終焉
一年とちょっと、時間が経過しています。
唐突な展開で、ついていけない方いたらすみませんm(__)m
あれから。
皆を下の名前で呼ぶ様になってからは、俺に対する積極性が上がって行った。
それでも俺は、誰も選べずにいて。
表面上は、皆仲良くしてくれていたのだが、やはり不健全な関係は長くは続かないみたいだ。
どこかで、決定的な悪手でもあったのだろうか。
それまでお互いの意志を尊重しあっていた(と俺には見えていた)、音葉と絵梨菜が我慢できなくなったらしく、よく口論する様になって。
玲奈は静かに見守っていたが、千佳は我慢できずに距離を置く様になって。
みゆきはこんな状況でも無遠慮に俺に迫り、遠巻きに見ていた遊佐さんによく注意されていた。
俺は自分を慕っている女性たちが酷い状態にあるにも関わらず、何も出来ずにいて。そのせいで、俺たちの関係は崩壊してしまった。
絵梨菜が口論中、音葉を突き飛ばして。打ち所が悪かったのだろう、倒れた拍子に頭を打った音葉は、そのまま意識が戻らなくなってしまった。
そのことにショックを受けた絵梨菜は思い詰めてしまい、自殺未遂をしてしまった。
絵梨菜の自殺未遂を知って。俺は、何も手につかなくなった。繰り返して来た過去が、やはりトラウマになっていたらしい。
みゆきは俺を慰めようとしてきたが、遊佐さんがみゆきを詰り、俺を守ろうとしているのかみゆきを近づけなかった。
俺はその状況に嫌気がさして、誰とも会わなくなった。
一人、夜の街をあてどなく歩く。
俺は、どうすればよかったのか。
俺は、これからどうすればいいのか。
それすら判らず、呆然と歩き続けて。
そして。
信号を無視して突っ込んで来たトラックに撥ねられそうになって。
誰かに突き飛ばされた。
「えっ……?」
俺を突き飛ばした人物は、千佳だった。俺のことを心配して、後をつけて来たのか。
突き飛ばされた俺は、転んだだけで無事だったのだが。
千佳は、トラックに接触してしまって。数メートル撥ねられて、ガードレールにぶつかって止まった。
「うそだろ……千佳!!」
慌てて千佳に駆け寄る。
「神林さん!?」
千佳と同様に俺の後をつけていたのか、みゆきと遊佐さんも駆け寄って来た。
千佳は、頭から血が流れていて。内臓にもダメージを受けているのか、口からも血が溢れていた。
慌てて千佳を抱き起そうとして。動かさない方がいいかと思い直して、直前で止めた。
「とも……や……」
「千佳、喋ったらだめだ。今は無理を──」
千佳が俺の顔に手を伸ばして。愛おしそうに頬を撫でられ、言葉が止まる。
「聞いて、智哉……苦しめて……ごめんね。でも……私に、任せて……私が……なんとか、してみせ……る、から……」
千佳がそう言うと。
視界がぼやけて。
彼女の姿が霞んで見えて。
そして。
俺は気を失った。
以降、場面ごとのストックがあったりなかったりで、更新ペースや文章量がまばらになるかと思います。




