緊急依頼、大乱戦
午前8:00
『お前ら!今日は昼まで移動してその場で待ち伏せ奴らをぶっ潰す!気張っていこうぜ!』
ゼルが演説している
そして私達とオーガ達はお互い互いに向かって進みだすのだった。
「ねぇケイトさん」
「ユリどうかした?」
「フウカさんどこ行ったか知りませんか?」
「フウカは、あっち」
ケイトは人差し指を上に向ける
「いや、フウカさんは鳥じゃないですよ」
「あっ、ユリは知らなかったね、フウカは普通の人よりかなり保有してる魔力が多くて魔法の操作に長けてるから、長時間飛行できるのよ。」
「飛行って…」
「それに、フウカは旅人だからね。アリシアに来たときの方法を聞いたことがあるけど、なんでも魔法で飛んできたって言ってたわよ」
「へぇ~でも、それって凄い賭けですよね。すべて魔法と自然現象に任せて旅するなんて」
「まぁ、本人はそれも楽しんでるんじゃない?」
「何で、あの歳で旅人なんかしてるんだろう?冒険者をやった方が効率がいいのに」
「さあねぇ、本人には鬼人の森の上空より前の記憶がないらしいから、今となっては誰もわからないんじゃないかな」
「フウカさんは、ここで冒険者を続けるでしょうか?」
「本人は三ヶ月後に旅立つつもりだそうだよ」
「ケイトさん、止めましょう。やっぱりあの年で旅人なんてことしてちゃダメですよ。それに本人に記憶が無いならなおのこと止めないと」
「大丈夫よ」
「何が大丈夫何ですか」
「行かせる気なんて毛頭無いから」
「ですよね・・・」
「さすがは、姫様」
「もう姫じゃないし、前も姫じゃなかった」
「いや、私達アリシアの住民からしたら姫様ですよ」
「それ、フウカに言わないでね」
「了解です。姫」
「姫じゃないし」
その頃フウカは
「うーん、あれかな?」
討伐隊から10km程離れた場所の上空で魔物の群を見ていた。
「わぁー、凄い数」
「あれは・・・なんか見覚えがあるような・・・無いか」
私は討伐隊に戻るのだった
▲▽▲▽▲▽▲▽
そして昼食後
「ここから走って10分程の場所に群を確認した」
「わかった、お前も準備に入れ『お前ら!群が来たようだ!準備には入れ』
私達は隠れられる所に隠れる
遠くの方に黒い点が見える
ゴブリン達が地下づて来た
『突撃ーー!!』
ゼルが叫ぶと同時に左右の林から大量の冒険者が飛び出してきた
私達も走り出す
私は呪文詠唱を開始する。
『風よ汝は、弓となりてかぜの矢を射よ 疾風の弓』
私の手に弓が現れる
弓を引き射つ
矢は、ゴブリンに突き刺さると同時にゴブリンを浸食、風化させ始めてゴブリンは塵に帰った
私は槍を構えて飛び立つ、すれ違い様にゴブリンをオークを切り捨てる
私は魔物を大量に切り捨てたケイトも倒しまくっている。
一方でサクラとアヤメとランは囲まれていた
「くっ、どうしましょう」
前衛を担当しているランが呟く
「私が大きいのを撃ち込んで目眩ましをしますのでお二人でその隙をついて突破口を作ってください」
後衛を担当しているサクラが指示を出す。
「了解です」
中衛を担当しているアヤメが返す
『焔よ汝、我に仇なす全てを焼け バーニング』
周囲のゴブリンとオークが急に燃え上がった
「今です」
ランが前方のゴブリンを切り殺す、その後ろのオークをアヤメが切り殺す、その後ろのゴブリンをランが切り殺す、サクラは二人の後ろを進む
アヤメがオーガに斬りかかる
アヤメのショートソードがオーガの首を飛ばさんと迫るがオーガの棍棒がショートソードより速く動き
ガンッ
ショートソードは棍棒に防がれて棍棒を深々と斬りつけた。
「ぬっ抜けない!」
オーガがにやりと笑う
オーガの拳がアヤメの腹部を殴る
「きゃっ、がっは!!」
アヤメはショートソードから手を離しその場に倒れた
「アヤメっ!このオーガが!」
ランの大剣がオーガの頭を潰さんと迫るがオーガは避ける。
大剣は地面に深々と突き刺さり、とてもラン一人では抜けなかった。
そこにオーガが棍棒を降り下ろす。
「いゃぁ!!」
バキッ!ビシャチャッ!
オーガは、アヤメの頭を叩き潰した。
「アヤメさん!ランさん、起きてください!『焔よ汝、彼の者を焼け バーニング』
オーガを焔が焼いた
サクラはオーガが怯んでいる隙にランを連れ出した
「ランさん、しっかりしてください!ランさん!」
「んっん」
「どうにか逃げないと」
サクラはランを担いで走り出し、そして転けた
「あっ、きゃあっ!」
オーガが棍棒を振り下ろす
ガンッ!ブシッ!
オーガの棍棒がサクラを潰した
そしてオーガは、棍棒からショートソードを引き抜きランの左胸に突き刺しニタリと笑い、次の獲物を探すべく歩き出す。
「アヤメっランっサクラ無事か?」
ツバキとユリが走ってきた。
「間に合わなかったか…このオーガが!」
ツバキがロングソードでオーガを袈裟斬りにする。
そのまま周りのゴブリンとオークを片付ける
「ユリっ三人の装備を回収して」
「はい…」
ユリは三人の装備を回収する
「それから遺体を炎で焼いて」
「はい…」
『炎よ汝の聖なる力を持って彼の死者達に哀悼の意を捧げその魂を清め天に還したまえ 哀悼の聖火』
ユリが杖を掲げる
青い炎が三人へと飛び三人の遺体を燃やしつくした。
「あまり自分を責めるな、冒険者であるならしょうがない事だ。それにこれはリーダーである私の責任だ」
「わかりました…」
▲▽▲▽▲▽▲▽
一方、ユリアとマリアとキャスリンは
「まさか、ここまで多いとは、これは厳しいかしら」
マリアが呟く
「まぁやるしかないでしょ」
ユリアが返す
「そうよ、まぁ失敗しても死ぬだけだけど」
キャスリンが呟く
「死んじゃダメでしょ」
ユリアが返す
キャスリンが短剣をで周りの魔物を順番に片付ける。
マリアが槍でその後ろの魔物を片付ける
ユリアは、マリアとキャスリンが残した魔物を弓で仕留める
あらかた周りの魔物が片付いた頃
「真打ち登場って訳ね」
オーガが出てきた
キャスリンがオーガの腕を斬りつける
キャスリンの短剣はオーガの太い筋肉を斬りつけた。
オーガがニタリと笑う
「おっといい忘れましたね。私の短剣は、特別製なんですよ」
キャスリンがそう言うとオーガの腕から水が滴り始めた。
キャスリンの短剣を水が覆いオーガの腕を切り捨てた。
露になった短剣は水で覆われており刃に水で作られた三角形の刃が並んでいる。
キャスリンがオーガのもう一方の腕に降り下ろすとチェーンソーのように刃が動き始めオーガの腕を意とも簡単に切り落とした。
自分の腕が簡単に切り落とされたことにオーガは驚いている。
そしてキャスリンはオーガの首を斬り飛ばした。
「さすがはキャスリン」
と言うユリアの後ろには袈裟斬りにされたオーガが倒れている。
「二人とも凄いよ」
そう言ったマリアの後ろには血の海が広がっており所々に肉片や骨片の島が浮かんでいる
「あんたが一番エグいよ」
「そうかな~」
「死体を見れば一目瞭然でしょ」
彼女達は戦場の華と合流すべく歩き出した。
▲▽▲▽▲▽▲▽
戦闘が始まって数分
「少し、減ったかな?」
そう呟きつつ私フウカはゴブリン達を切り刻みオークを切り裂きオーガを切り捨てた。
白かったコートは既に赤黒くなってしまっている。
周りの魔物が全て血の海に沈んだ頃
さらに先に一際大きく傷だらけのオーガがいた。
そのオーガには威厳があり、群のリーダーだということを伝えていた。
だがそれ以上に気になることがあった。
昼前に偵察した時にも感じたがこのオーガは、始めて見たような気がしない。
だが私がこっちの世界に来てからまだ約一週間しかたっていないなかでオーガと出会ったのは最初だけだ、だからこのオーガと会ってはいないはず…いやあり得る。
私は一番最初に出会ったオーガを私は魔法で遠くへ飛ばした。
もしかすると…
オーガはオーガでフウカに対して同じようなことを考えていた。
あの日、急に現れ自分を訳のわからん突風でどことも知らない、遠くまで飛ばした少女に似ているような気がするような…
私は雑念を払いオーガに斬りかかる
それに合わせるようにオーガも棍棒を振る。
オーガの棍棒と私の槍が打ち合う
私は距離をとり水晶球を使って弓を出現させオーガの周りを円を描くように回りながら風の矢を射る
オーガは的確に棍棒の位置を変えて矢を防ぐ
このときオーガはこの女があの女だと確信し、その考えをかなぐり捨てた。
今はそんなことを考えていては殺されてしまうと思ってあらゆる雑念を捨て去った。
そしてただ故郷への思いと道中集まった仲間への責任感を胸に抱いて棍棒を振るう。
あたかもそれが群れのリーダーの責務であり、鬼人の森のオーガの誇りであり、故郷への誠意であると言うように。
矢が爆発して棍棒は木端微塵に砕け散る。
更に矢がオーガを襲う
風の矢はオーガの肉をを切り裂き、厚く硬い筋肉の鎧を突き刺し、鋭利な風の爆発により皮を吹き飛ばし、肉を切り刻み、骨を砕く
オーガの腕は二の腕から先は爆発で吹き飛んでなくなってしまった。
脇腹も大きく抉り取られて血が止めどなく溢れだし、抉れた傷口から肋骨が露出し内蔵がはみ出している。
そこらじゅうの傷から血が流れてオーガを赤黒く染めて地に滴り赤い水溜まりを作っている。
オーガは自分の敗北を確信して、防ぐのを止めて私の方を見て仁王立ちになる。
その目を見て私も決断してさらに距離をとる。
「敗けを認めた?」
「グゥゥ……」
オーガは辛そうに低く唸るだけ
「そう言うことですか、生きている内に倒れては仲間に面目が立たないと」
「グルゥ…」
オーガは私の目を見る。
その目はあたかも『早く殺せ』と言っているような気がした。
「なるべく楽に逝けるようにしてあげますよ。それがせめてもの私の罪滅ぼしだから『風よ汝のその刃の如き鋭き風の力を我に貸し与えたまえ 風刃の一撃』
私は魔力を槍に集める
槍の穂先が緑に輝く風に覆われて光る。
「さようなら私の初陣。さようなら誇りだかき鬼人の王よ」
私は風より速い一撃でオーガの首を斬り飛ばした。
そしてオーガは最後に故郷を思い描いてその命の灯火を消すのだった。
オーガの目から生気が失われる
首は地面に転がり赤い水溜まりを広げた。
頭を失った体は頭を失ってもなお立ち続けている。
戦場に一時の沈黙が訪れる
遠くで歓声とゼルの雄叫びが聞こえる
戦闘が終わりを告げた。
私はオーガの首をトランクにしまう。
そして自分の討った魔物の死体を回収すべく平原の空を飛ぶ
ケイトは自分の倒した魔物の死体を回収しおえてゼルのもとへ向かう
ユリとツバキは死体を回収しおえてアヤメとランとサクラの遺体を埋める為の穴を掘っていた。
ユリアとマリアとキャスリンはツバキ達を探していた
▲▽▲▽▲▽▲▽
そして各々やることが済んだ頃
『お前ら!帰るぞ!』
ゼルの叫び声が聞こえる
私は呪文を唱える
『風よ汝、この場の怨念をその力で天に還し、そのそよ風のような優しさでこの場で尽きた命を、魂を弔いたまえ 弔いの風』
私の杖から黄緑色の風が発生しその風は戦場だった平原全てを駆け抜け天に昇っていった。
「あっフウカそんなところで何やってるの?帰るわよ」
ケイトが呼んでいる
「はい、ケイトさん」
私はケイトのもとへ走るのだった。




