61/260
黒い影
私の前には黒い影がいる。
背丈は私と同じぐらい。
なにかを言っているがよく聞こえない。
『・・・わ・しは・ア・・シャよ』
あなたは・・・誰?
『・・・わ・しは・ア・・シャよ』
影が伸びて私に覆い被さってくる。
重い、ただの影の筈なのにまるで意識のない人間のようだ。
『私は、ア・・シャよ、貴方は・・・誰?』
私は・・・誰・・・だろう・・・
「はっ、ハァハァ。重いと思った・・・」
私の胴体の上にケイトが載っかっている。
あれ?ケイトの部屋は別であった筈なのに・・・
まあ、いいか・・・
まだ日が昇り始めたばかりだ。
私は再び眠ろうと目を閉じるが眠ることは出来なかった。
「私って誰なんだろうな・・・」
私はそっとケイトを退けてベッドから下りる。
寝汗のせいで寝間着が肌に貼り付いて気持ち悪い
とりあえず汗を流すために浴室に…いやその前に
「ケイト、朝ですよ」
「・・・あと一時間だけ・・・」
「ダメです、一時間寝たあとまたあと一時間って言うに決まってます」
そして日が昇り午前6時私はケイトを起こすのだった。




