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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
南北東で戦だそうです。
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決戦 オンナオトコ

ヴィンス様との話し合いの後、『セイと言えば少し考える力が残念だけど、美貌だけなら文句なしのイケメンだからきっと今頃は傾国の美女になってるに違いない!』とソウジ君が力説するのでセイさんの部屋によることにしたのです


「ほらセイ〜、オネエちゃんが来たわよ〜ここ開けて出てきなさい?」


図体の良いケイトが率先して扉を叩く。丸太とは言わずとも私の太ももぐらいの太さの腕がドンドン扉を叩く。


「ほらほら、早く出てこないと扉破っちゃうわよ〜」


「ケイト、それはホントに冗談じゃ済まないので…」


「んもう、ただの冒険者ジョークよ。ほら〜早く出てきなさい?オネエちゃんが街一番の豪腕で扉開けちゃうわよー」


「オネエさん…(クスッ。ほら、セイー早くでこーい女体化は皆一緒だから恥ずかしくないぞー」


ソウジ君は無理してミーナな声で言う。


『みっミーナ!?ダメ、ダメだ!こんなとこ見せられない…絶対幻滅する!今日の所は帰ってくれ』


扉の向こうから動揺する美女っぽい声がする。


「くれ?今、お姉ちゃんに向かって『くれ』って言ったの?」


ケイトがドアノブをガッチリ握る。

握力150kgだと言われても驚かない光景、あまりの重圧にドアノブは手の形に凹んだ。


「『ください』でしょ!」


ドアが引っ張られて、向こうから押していた金髪の美女が転がり出てきた。


「なぁっ!?」


「普通に開いたわ」


「セイ、お前外開きのドアを押して押さえてたのか?」


「外開き??なんだそれ?」


どうも知らなかったらしい


「ドアが部屋から見て外側に開くのが外開きで内側に開くのが内開きだ。ってアレ?なんでお前の部屋は外開き?この国は部屋の中で靴脱がないから基本内開きだろ」


「コレは僕の引きこもり対策とかってラルフ達が付けたんだよ。それよりソウジ、お前、お前だけズルいぞ!」


「まあ、ズルっちゃズルだけど…俺はいつも意味もなく性転換させられてるんだから、こう言う時ぐらいいいだろ?」


「まあ、そうだけど…もしかしたらミーナと一緒とかできたかもって」


「百合展開アリかナシか…俺的に百合展開は透明感が良いのであって、快感はそこまで…」


「ソウジ君はわからないかもしれませんが、女の子同士はすっごく心が満たされるので気持ちいいんですよ?」


脳内会議では夢唯が熱弁している


『百合では、通常の男女間の事情では男性が先に果ててしまうことが多いですが、百合の場合は一緒に高めあっていける、そして男性と違って明確なフィニッシュがないからお互い切りよく気持ちよく終われるのです。そして』


「『なにより百合ってとっても良いものですよ』」


「フウカさん、よくわかんないですよ。そもそも俺らが女体化しても百合じゃなくて単なるホモですよ?」


『確かに…嫌でもそれはそれでありかも?TS男子の百合プレイ!』


『メイ、やめとけよ。そう言うのは18歳以上じゃないとダメだよ、アタシたちまだ17だしさ』


「そうですか、せっかくセイさんも可愛くなってるのでどうかと思ったんですけど。あ、セイさんの方がケイトより大きいですね」


「フウカ、どこ見てるのよ」 


「不思議ですね。ケイトは髪が黒いのにヴィンス様もセイさんも金髪。ケイトはおっぱいがないのに、ヴィンス様とセイさんは巨乳。女性体での不足する形質は母方の遺伝子がアクティブになると思ったんですけど、ここまでケイトとセイさんの形質が異なるってことはそう簡単な話じゃないんでしょうね」


「お母様も黒髪よ?」


「なんででしょうね。あー、先天的な部分とか隔世遺伝とか色々ありますし、普通ですか。さてと、セイさんの様子も見ましたし程々に戻りますよ?決戦前なので」


「決戦前?」


「はい、今回の性転換の元凶、怪人オンナオトコとの決戦ですよ。あ、この機にセイさんもソウジ君と魔法少女してみるのはどうですか?今回限りの性転換だとしたら貴重な経験ですよ?」


「ん?僕は魔法使えませんよ?」


「え?」


「魔力も体力もからっきしですし…そもそも得意な属性がないんですよ」


え?じゃあなに、セイさんは頭もいまいちなのに脳筋という訳でもなく魔法も使えない、顔と血筋に極振りってことか。


「姉さんとか騎士の家庭教師の先生に剣術を教えてもらったり、魔法の練習もしてたんですけど、適正がないみたいで」


「そうよ、だからセイはアリシア家の残念賞って呼ばれるのよ」


ケイトが辛辣なコメントを付けた。

コレは流石に酷いと思った。


「いや、セイさんは顔が良いですから」


「お気遣い結構です、慣れてるので。実際、僕は勉強も魔法も剣術も得意ではないので」


セイさんは金髪美少女ルックで悲しそうな顔をした。うん、確かにAPP極振りなだけあって女の私も見惚れるくらいの可愛さだ。


「そうですよ、フウカさん。セイはあくまでも嫡男の貴族なんですから。下手に危ないことはさせられませんよ」


「私も元貴族よ?」


「ケイトさんは家出ですし、今はもうベテランでしょう?それにケイトさんが候補から外れたから、セイは今唯一のアリシア家の跡継ぎなんですよ」


「ぐうの音もでないわ」


「軽はずみな行動は危険ですね。やめときましょう。」


「大丈夫、セイの分まで俺が戦うから」


「ソウジ?おいお前、僕を除け者にするつもりだな?」


「大丈夫だって、今回はフウカさんが戦場に出るんだから、負ける要素がない。あ、じゃあ一個頼まれてくれるか?」


「俺にできることか?」


「セイの彼女達、たちに情報を流して避難を促してくれないか?明日の朝、町中で戦闘になるから、巻き込まれたらただじゃ済まないからさ」


「具体的にどの辺の地域とかわかるか?」


「流石にそこまでは…あー、俺としたことが盲点だった。ゴチャゴチャ考えてないで答えを見ればいいんだ。涼、ホワイトボード!」


「ん?妾は今オメカシに忙しいんだが?」


出てきた涼は9つの頭にリボンをつけようとヒレで器用にリボンを掴んでいた。


「あー、そうか~。じゃあ自分で出すよ」


ソウジ君はトランクから時々出てくるホワイトボードを引っ張り出した。


「じゃあ時間チートを駆使して、街を救いますか!」


ソウジ君はホワイトボードに戦況報告と書き込むのだった。


◇◆◇◆◇◆


翌朝、確かに性転換薬の効果は切れて性別は戻っていた。


ソウジ君がもたらした情報に従い、朱雀門近辺の脇道を空間魔法で封鎖して、警備兵やセイさんの彼女さん達?の皆さんの協力で該当区画の避難誘導をして、街にはソウジ君が時間停止保護を掛けた。


指定ポイントにジンとレンを配置し、先頭にミーナとノアさん、逃走阻止の援護に私とユリさんとカルム君、開放した城門の護衛にケイトとアリアさんとツバキさんとカルミちゃんと警備兵の皆さん。

ソフィアさんは早番だそうで、不参加です。


『さっさと走れ!このバグ野郎!』


ジンの怒号と一緒に2ブロック先で黒い突風なのか斬撃なのかが路地で炸裂したみたいで屋根の上にまで黒い魔力が溢れていた。


『ホラホラ走らないと丸焼きにしちゃうよ?子豚ちゃん♪』


ジンの使った突風とは比較にならない爆炎が立ち昇った。

どうやら当たらなかったようで、連続して4回立て続けに路地が爆発する。ソウジ君の保護がなければアレだけで街の1/8は溶解しただろう熱量だ。


そしておまけとばかりに黒い斬撃がレンの爆炎を煽って、纏って路地を一直線に走り抜ける。


んで、その路地と朱雀通りの交差点が私達の目前に有り、三頭身の怪物が煤けながら一着で走り抜けてきた。


そして二着はと言うと黒い爆炎の斬撃がもはや殆ど衝撃波みたいになって路地から飛び出して、バックドラフトを起こした。


「うわー、フウカちゃんより化け物じゃん……世も末だね〜」


「まあ、ちょっと派手ですけど目標は達せられました。ミーナ!、ノアさん!やっちゃって下さい!」


「じゃあノアさん、行きますよ」


「僕はエネシスのギルドマスターなんだけどな…」


二人は私が用意した変身アイテム。実際はハリボテに装着時のエフェクトと、ノアさんのは装着魔法を、ソウジ君のは追加パーツを作る魔法を籠めてた水晶球が埋め込まれているだけだ。


二人が同時に、それぞれの変身ワードを言いながら表面に触れれば、勝手に魔力を吸って起動する手筈だ。


「蒼龍の加護よ」

「海風の加護よ」


魔力を吸った水晶球に記録されたエフェクトが発動して、ソウジ君の周りを雪と氷が渦巻いて冷気が溢れ出し、ノアさんの周りを水と温風が渦巻いて暖気を漂わせる。

それぞれ冬と夏の対になるコンセプトにしたんです。

そしてノアさんの方は衣装とカットラスが順に創造され、ソウジ君の方は装着の術で作られた衣装に氷のパーツが防具として配置されて宙に浮く。


「お前みたいな半端野郎は鉄をも凌ぐ拳で砕く。秩序の魔法少女ミーナ」


「迷惑旋盤の悪の手先は丸ごと魚の餌にしてあげる 道理の魔法少女ノア」


「うん、二人共ノリノリだね。僕はビデオを撮るよ。ジン君はもしものために待機ねー」

ジンは鎌を地面に下ろし、レンはビデオカメラを構える。


私達後方支援は怪人が飛んで逃げたときに撃ち落とす準備をしている。


『ねぇ、フウカー代わってよ。あたしも魔法少女したい、メイに漫画借りたらやりたくなっちゃったー。ね?街に被害は出ないんだし、良いじゃん』


ルミの声がした。正確には心の声だけど。


「(いや、私にはvillainの役割がありますし)」


『えー、でもどうせさ?親玉には怪人を使うでしょ?魔王みたいな強そうなやつ。だったら別に良いよね?あたしが出ればあんなズングリムックリ、極太ビームで一発だよ?焼き尽くせるよ?』


「(いや、ソウジ君を目立たせないとだから…いや、今はオンナオトコを殺すのが第一かな?)」


『でしょ!じゃあ代わるね〜』


「えっちょっと!?」


瞬きの後私は白い地平の上に立っている。

精神世界だ、まんまとしてやられた。

一応私の体にだから、拒否することはできるんだけれど、ふと自分がそれもありかと思って同意を示すとこうして入れ替わってしまうことがある。内心で同意することがきっかけだろうと思う、そしてこうして入れ替わってしまうと当分戻れないのだ。


「あ、フウカちゃんもっと確りしないとダメだよ。あんなんじゃ乗っ取って下さいって言ってるような物だよ?」


「ルミさん良い人だからついですよ」


「フウカちゃん、もっとしっかりしてくれないと困るよ?この体、他のゴーストとかに乗っ取られたら大変だからね?」


「はい」


「まあまあ、アイさんも今は戦闘を見守りましょう」


空には体の視界が投影されている。

私達はそれで、ルミとソウジ君とノアさんの戦闘を観戦する事にした。


▲▽▲▽▲▽


一方で現実では体を得たルミが、杖を石畳に突き刺して肩をグルグル回す。


「よーし、あたしもやるぞー!」


「フウカさん?どうしたんですか?」


「フウカならおねんねだよ。久々の手加減なしの戦闘だ。そう、この緊張感だよね!」


ケイトが音を置き去りにして動いて、フウカもといルミの喉元に短剣を当てる。


「フウカの体だから手加減はするけど、痛い思いしたくないなら今すぐ引っ込みなさい、ルミ」


「ケイトちゃん、別に乗っ取ろうって訳じゃないんだ。それにこれについてはフウカの同意も得てる。そうカリカリなさんなよ」


「貴女は信用できないわね。模擬戦で手加減をできないような常識のない人間には当然の対応でしょ?」


「アレでも手加減したんだけどなー。アレはソウジが弱すぎただけ。ふふふふ、今回は手加減なんてしないよ、必要ないんでしょ?」


▽▲▽▲▽▲


その一方でミーナとノアはオンナオトコ相手に鎬を削っていた。


オンナオトコが消えると同時に15m以上離れて居ても瞬時にカットラスとオンナオトコの持つ刀が打ち合い、鈍重な金属音を響かせる。音速を大幅に超えた移動に衝撃波が通りを襲い窓がガタガタと震える。


オンナオトコは執拗にノアを狙う。瞬間移動、斬撃。ノアは勘で剣を合わせて防ぎ、止まったところを一秒を拡張したミーナが接触して、蒼鱗拳がオンナオトコの頭部を捉えて炸裂する。その打撃音はダァァン!っと無数に重なって拳打の合唱のように重厚に響く。


オンナオトコはグルグル回って飛んでいき、時間停止された建物の壁に激突するも、全く堪えている様子はない。


「コレは効いてないですね」


「海風砲塔設置、目標、眼前の変態!撃ち方ヨーイ、一斉射!」


建物上に設置された大砲から放たれる魔力の砲弾も、着弾目前で切られて消滅する。


そして、轟音と衝撃波が土埃を舞い上げる。


ギィィン!


ノアさんのカットラスとオンナオトコの刀が打ち合う。

ノアさんが刀を打ち払い、体勢を崩したオンナオトコに袈裟斬りに振り下ろす。しかし、その白いコートにぶつかりガイィィン!と金属音を響かせる。


ノアさんが止まった瞬間に、オンナオトコは距離を取った。そこにミーナが追撃する。


「冷縛・乱れ吼え!」


龍を形造る冷気が何発も放たれて、剣に切られて冷気に還り、辺りを白く染め上げる。ミーナは止まらない撃ちまくる。


「アレは厄介だね。部分的に破壊不能にしてるみたいだね」


「なら継ぎ目が分かれば、切れるな」


「でもどうやって見分けるのさ。前にソウジ君が時間を止めた紙に水を掛けると、染み込むって話してたよ」


レンとジンはペラペラ喋っていた。カメラは回っている。


『そんなことは、燃やしてみればわかること!プロミネンスゥジャベリン!!』


叫びと一緒に解き放たれた紅炎を束ねて纏った槍が直線の道を、真っ直ぐ飛んで行き、なんと冷気に隠れたオンナオトコの胴を見事に捉えて朱雀門の向こうまで真っ直ぐに突き抜けた。


「ふっふっふ、見たかコレが私の真の力だ!胸は薄いが、ハートの熱さで負けるつもりはない!」


『(薄くなーい!コレでも普通サイズです!)』


冷気を熱波で押しのけて、赤いフラメンコ衣装を意識したと思われる、マキシ丈のフリルが多くよく広がるワンピースを着て、右手に槍、左手にスタッフを持ち、髪に燃えるような赤の羽飾りを着けたフウカ、いやルミが参戦してきた。


「お前みたいな不燃ゴミは私が無理矢理燃してやる!情熱の魔法少女ルミ!(後ろで爆炎:派手に)」


ドーン!


「ちょっとルミちゃん!名乗りを上げるのは良いけどカメラ見てくれないと困るよ!爆炎で見えないでしょ?」


「じゃあもう一回!あ、今の所はカットで」


「はいはい、じゃあアクション!」


「お前みたいな不燃ゴミは私が無理矢理燃してやる!情熱の魔法少女ルミ!(後ろで爆炎:超派手に)」


「はい、オッケー!続けていいよ」


レンのオッケーが出たところで、ボロボロに焦げて戻ってきたオンナオトコとミーナとノアとルミが対峙する。


「えーっと……ルミちゃん?」


「おう!どうした?チミッ子!」


「チミッ……コレは後でにしようか。ルミちゃんはフウカちゃんで合ってる?」


「体はな?心は別人格だ。あ、分離したとかじゃなくて、始めっから別人が入ってるからフウカと混同しないように!それとこう見えてあたしは、ソウジより強い!」


「ええ、散々な目に遭いましたとも。肋骨は折れるし内臓は破裂するし、それはもう悲惨な目にね!」


「まあまあ、今はアイツをぶっ飛ばそう。個人戦をするならその後っしょ」


ルミの握る槍に炎が宿り、ミーナの軟肌を蒼い鱗が覆い、ノアの周りに大砲が現れる。


「とりあえず弾幕張るよ、しばらく抑えるから大きいの打ち込む準備して!」


ノアの大砲が建物の上と路の脇とに設置が完了して狙いが定められる。 


「全砲門を開け、波状攻撃で円環状に順次掃射開始!」


そしてタイミングをズラして砲撃が開始される。一発一発が当たれば怪人程度ミンチにできる威力がある必殺の連射。

そんな攻撃も拡張された一秒を生きるソウジ君なら無意味だが、オンナオトコはイメージした行動を経過をすっ飛ばして実現しているだけだから次々撃ち込まれる砲弾を次第に処理しきれなくなっていく。


「君の弱点は毎回魔法でイメージしないといけないことだ。状況を複雑にして、把握する時間を与えずに攻め立てればいずれ落ちる!」


だんだんと刀で切り落とすことが減り、避けがちになり、最後には時間を止めて守りに徹した。


そうなるとノアさんは掃射をやめる。

砲弾の嵐がとまるや否やでオンナオトコはノアさんに斬り掛かるが、弾かれて、刀を打ち上げられる。

そこに、溜め技を溜めたミーナが接敵して、振りかぶり……

「蒼龍冷縛・逆上咆哮撃!!」龍型の極低温レーザーで重点的に打ち抜く。最後にアッパーカットで頭を氷結させて吹っ飛ばす。

宙に舞ったオンナオトコに狙いを付けて、ルミが溜めていた必殺技を撃ち放つ。

『爆炎よ汝は炎熱の集合体。汝の熱量は我が力により決まり、汝の志すは太陽の表面に眩く輝く白き爆炎。その志を叶えんと我が力を尽くさん。その志、究極の熱意を持ってこの世に存在を現し、我が眼前の不燃ゴミに太陽の素晴らしさ、彼の太陽神のご意向を知らしめよ フレアブラストぉ!!』


『大丈夫、なぜならきみは太陽だから!』


そんな轟音を発して飛び出した白い光線は極限まで圧縮された人筋の光となって、オンナオトコを穿つ。

それは見事にオンナオトコの胸を貫き、僅かに掠めた朱雀門の石壁の上部を溶かして、空へと消えていった。


超高温で焼き貫かれたオンナオトコは胴が完全に炭とかして、見事に真っ二つになっている。体も全身燃え上がり服も全焼、皮膚も全て燃え尽きて、今は肉が焦げつつある。


「太陽神の御言葉は彼の心に届いたようですね」


「ただのビームだし完全に貫通してるじゃないですか」


「それは太陽の偉大さが彼の器に収まりきらなかったにすぎない」


ソウジはなんとも微妙な顔をした。

そんな中、まだ燃え続けているオンナオトコが両手を掲げた。既に魔力は十分に集まっていた。


「コイツ、またあの能力を使うつもりだよ!」


ノアさんが言ったときにはすでに遅く、溜まった魔力は霧雨のようになって飛び散り、周囲に居た全員に降り注ぎ、瞬時に性転換させた。


「なるほどなー対象を絞れば即効性の性転換も可能なんだー。でも残念ながら俺には効かないんだな〜」


瞬間的に男に戻ったソウジ君は、便に入った液体を一気飲みする。いつも使ってる女体化解除薬だ、しかし今は性転換の二重がけのせいで女体化薬になっている。


ソウジ君は見る見るミーナに戻り、魔女っ娘ステッキにいつもの女体化薬を掛けることで刀に戻す。


「コレでこの騒動も終わりにしてあげる!蒼龍令縛・勝鬨斬り!」


冷気を纏った刀身が、オンナオトコを額から凍らせつつ断ち割り、地面を割ったところで冷気の龍が立ち昇りその腹にオンナオトコの残骸を孕んで凍りついた。


「ふぅ…勝ったぞー!!」


ソウジ君は氷柱から刀を引き抜いて掲げた。


▲▽▲▽▲▽


んで、勝利の余韻に酔いしれるだけ酔いしれたルミさんは飽きたとばかりに私に体を返した。

最初から多少の損傷は不問にしてもらえる手筈だったから、門の上部がちょっと溶けた件に関してはお咎めなしになった。

ソウジ君は女体化薬を含んで元に戻り他の面々は……


「ねぇ、コレって倒したら戻るんじゃないの?」


「ポーションの効果なんで期限切れまで続くので、明日には戻るんじゃないですか?」


「えー……それって要は私達は無駄に性転換させられたってことですか?」


後ろで控えてた後方支援担当の皆さんから不満ぶーぶーだった。

そして外で、護衛にあたってた皆さんは変化なく。神二柱はバッチリ女体化していた。

そんなこんなで性転換は二日目に突入するのだった。

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