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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
南北東で戦だそうです。
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性変のアリシア

作者:「大変、ご無沙汰しております。作者です…」

レン:「久々だね、こうやって世の作者たちは失

踪するんだよね」

作者:「まあ、色々ありまして。就活とか卒業制作とか試験勉強とか色々あるんですよ。で、この前大学で出した作品がボロクソに叩かれて以来スランプと言うかそんな感じになってしまい…長らくお休みしておりました」 

レン:「うん、その間Twitterでゲーム関連のツイートは休まずしてたもんね。それで?結局復帰できそうなの?」

作者:「書けるときに書いてくスタンスでは居るけど、やっぱり忙しいから暫くは難しいかな。だから一話分書けたら更新するよ。卒業制作が辛すぎて当分書く気にならないかもしれないけど、お待ちいただけると嬉しいです」

なんにしても一日は待たないと何もできないので、情報収集を兼ねて私達は街へ出た。

私達のパーティーハウス(屋敷)は貴族街の外縁にあって、中産市民の多い区画とも近い。

つまり言えることは市民側と貴族側の温度差がよく分かる。


「貴族の皆さんワタワタしてますね」


貴族側は大騒ぎだった。日本で言うところの男尊女卑がまかり通る事もあってか、貴族の皆さんはそこの変化で大混乱に陥っていた。

当主と夫人の交代だったり、入れ替わったことで力関係が逆転してうんぬん……生活に困ってないだけあって、馬鹿騒ぎをする余裕があるらしい。


一方で中産市民の方はと言うと、全く動じて居なかった。こちらは日々の生活が掛かっていることもあって怪人が出ようと、性別が変わろうと、物を作る、物を運ぶ、物を売る。

ただ、言えるのは全体的に女性比率が高くなって、花街みたいな感じになっていた。


「まあ、そもそもが外で働くのは男性が主で女性は、家で家事って考え方が主流ですし。当然こうなりますよね」


私は何事もなかったように動く街についてのコメントを終えて、ソウジ君を見る。


「それで、これからどうするんですか?せっかくだから街を見たいって言ったのはソウジ君ですよ?」


「まあ、せっかく決まったことを態々皆の前でひっくり返すなんてしませんよ。ただ、できれば今の内に索敵とかしておきたいですよね。それとついでに、可愛そうなカルム君を助けに行こうじゃないですか」


ケイトはスンスンと匂いを嗅ぎ、なんでもない顔をする。


「うん、昼間なのに精液の匂いがいつもより濃いわね」


「日本人の感覚だといつも精液の匂いがするって言うのもどうかと思いますけどね」


私は実際日本人と言えるか怪しいけれど、知識はあるし心は日本人のつもりだ。


「フウカさん、そのぐらい日本でもよくあることですよ。公衆トイレとか、ラブホテルとか、人気のないとことか、車の中とか昼間からそう言う行為をする人は珍しくないですし、暴漢も強姦も日本にもちゃんといましたよ」 


「いや、こんな繁華街でそんな事する人は居なかったですよ。少なくとも私の知識はそれを否定してます」


「こっちの世界でも繁華街で一発やった後の匂いつけてる人なんて珍しいですよ、それだけ今が異常なんですよ。きっと店の裏で性転換した女性陣が性欲を爆発させてるんですよ、哀れな犠牲者が何人出てるか知らないですけどね?」


ソウジ君は16歳とは思えないぐらいに言ってることとリアクションがこなれていた。いや、内心はきっと動揺していると思うけど、平静を装っているんだと思う。


「ソウジ君は冷静なのね」


「ケイトさんに襲われてそういう事は少し慣れましたよ。所詮、膜なんてそんなもんですよ……」


ソウジ君は吐き捨てた。

どうもケイトの毒牙に掛かって不幸せになった被害者が出ていたようだ。


「いや、ホントにもうどうでもいいと言うか、イチイチ気にするような事でもないですしね」


ソウジ君はどうやらすれてしまったらしい。

可哀想にと思う、ただケイトが未だに私以外に手を出しているのは少し……違う気がする。


「ただ流石に無理矢理は可哀想なので、ついでに助けに行きますよ」


と言うことでいつもより若干乱れた街中を移動する。


『お兄さん達、一本どう?お安くしとくよ?』


串焼き屋が焼き立ての串を手に声を掛けてくる。


『そこのお兄さん達、一発どう?負けとくよ?』


まんまと女にされた人が胸を抱えて寄ってくる。


「男性も女性のそういうとこって興味あるんですか?ソウジ君」


「ありますよ。その為にゲームで女性キャラをしてる節がって、なんてこと言わせるんですか!そう言うフウカさんは興味ないんですか?」


「私ですか?まあ、なくはないですけど……そういう事はケイトとしたいので」


「一途ですね〜。でも意外と興味と言うか利害の一致が現状を助長してるのかもしれませんね」


ソウジ君は小さく溜息をつく。


「つまりカルム君も案外楽しんでるかもって事ね!」


「ケイトさん、その見た目でいつもどおり喋られるとやっぱりオネェさん感ヤバいですよ」


「私はお姉さんのつもりよ?少なくともソウジ君よりは年上よ」


「そう言う意味じゃないんですけどね…」


そんなこんなで、あっという間に戦場の華の屋敷に着いた。


「ごめんくださーい、取り込み中ですかー?」


フウカさんが扉を叩く。


「カルム君…ちゃん?無事ー?オネェさん達が助けに来たわよ」


ケイトが2階の窓に向かって声を掛ける。


「いや、お姉さんは一人もいませんよー」


ソウジ君はいったい誰にその訂正をしてるんだろうか…


「わ、わ、わ、わ、わわっ、ひあぁ〜〜〜!」


見上げた2階の窓から黄色い悲鳴と言うより、真面目な悲鳴を発しながら布の塊が飛び出してきた。


ソウジ君はぼーと見ており、私も驚きで反応が遅れてしまって、振り向く事しかできなかった。


そんな中でケイトだけが僅かに飛び出していた。男性化しても衰えない反射神経と男性化して強化された筋力で普段より高く速く昇る。


そして空中でソレを受け止めて着地した。


「危なかったわね。2階程度でも頭から落ちれば相応の怪我をするから、落ちるにしても体制を整えて受け身を取れるように落ちなさい。後衛でもそれぐらいの身のこなしは必要よ、カルムちゃん」


布の塊から顔を出したのは水色の肩まである髪が特徴的なカルミそっくりの少女だった。


しかし彼女の表情は一瞬の安堵の直後、恐怖に固まった。


「ひっ…」


今のケイトの顔は歴戦の勇士並に強面のオッサンだった。


「怖がっちゃって…カワイイ」


「ケイトさん、今の格好で行ったら助けてるっていうよりも拐ってるように見えますよ」


「何よ、カワイイ物はカワイイんだから良いでしょ」


「はいはい、じゃあ目標も保護したので…面倒なことになる前に逃げますよー。後のことはユリさんにお任せですよ」


ソウジ君はカーテンに包まったままのカルムをケイトに任せたまま、我先にと屋敷の庭先から飛び出していった。


▲▽▲▽▲▽


私達はカルムをユリに預けて、代わりにノアさんを連れて領主の館に転移した。


「まあ、必要だからヴィンス様に報告して協力を仰ぐのは僕もわかるけど、ホントに協力してくれるの?」


「まあまあ、向こうにとっても悪い話ではないですからね。そもそもの原因は私の実験であっても、今後の怪人発生は私の実験とは無関係に起こるのでソレを解決できると言う話は向こうにとっても美味しいはずですよ」


「前の時の事も踏まえてフウカちゃんはアレだよね、自分で相手の前に餌を撒いて、自分で回収するよね」


「別に、そんなこと考えてるわけじゃなくて、場面場面でがんばったら結果的にそうなったってだけですよ〜」


私達は殆ど直接館の玄関に転移していた。


「そう言えばセイも今は女子になってるわけか。あの残念さも女子になれば気にならなくなるかな?」


「ソウジ君、女子だって学はあったほうがいいのよ?」


「いや、単にちょっとドジな女の子で済まされるのかな〜って」


「無理ね、セイは男性とか女性に関係なく微妙よ」


「弟に対して酷評ですね」


「だって、馬鹿なんだもん」


そうこうしていると執事服の男性が玄関から出てくる。


「ようこそいらっしゃいました。お嬢様、フウカ様、ソウジ様、領主様がお待ちです」


(元女性と思われる)男性は、限りなく現在のソフィアさんに近い顔立ちで、180cmぐらい髪は薄い茶髪。体格は見た目に反してガッシリしてるようだ。


「もしかして、私が誰かわからない感じですか?」


「えー、っと。そうです、すみません」


「謝る事はありません、私もソウジ様を見るまではフウカ様かどうかを判断しかねて居りましたので」


「ですよね〜…」


私も、今は男性化していて長身挑発の線の細い美青年だ。服も変身の魔法の応用で魔力から作った擬似的な物だから判断材料は殆どないから当然だ。


「まあ、でもいつもそんな真っ白なコートを着てる人はソウジ様かフウカ様のどちらかしかいらっしゃらないので、そこを基準にすればわかりますけどね?」


「エイミ、フウカとソウジ君のコートが特別製なのは皆知ってるから、早く案内して頂戴」


「かしこまりました」


ケイトは目の前に居る男性がエイミさんだとどうやって見抜いたのだろうか……


「ケイトさんどうやって見分けたんですか?」


ソウジ君も見分けられなかったようだ。


「エイミのこと?そりゃ、わかるわよ。顔が似てるからね」


「そう言えば、お嬢様は今もソフィーとお付き合いされてるんですか?」


「いや、確かに数回夜過ごしてるけどそんな付き合ってるとかじゃないわよ。友達よ?友達。まあ、私のお嫁さんになってくれるなら喜んで娶るけど」


「お嬢様は今も盛んでいらっしゃるのですね」


「今もって言うけどまだ20前半よ?まだまだコレからでしょ。でもソフィーの方は最近はフウカの方にご執心みたいだからちょっと寂しいかも」


「そうでしたか。ではフウカ様、愚妹ではありますが今後とも仲良くしてあげて下さい」


「妹さん…ソフィーさん?……!?あ、ソフィアさんのお姉さん!」


言われてみれば髪の色と顔立ちが似ている。性転換時は足りない要素が転換後の性別の親の要素で埋められるからそれもあるだろうけど、そっくりだった。


「ソフィーは私の事は教えてなかったのですね」


「大方、私が話したと思ってるんじゃないかしら?私も、他人の家族の事をペラペラ喋ったりしないから、フウカに教える機会が、なくなった訳だけどね」


「なるほど、そういう事でしたか……いつも妹さんにはお世話になっております」


「そんなかしこまらなくても、ソフィーとの交際に口出ししたりはしませんよ。いつも通りに領主の館のメイド長、今は執事長ですが、エイミとしてお付き合い下さい」


ちょうど応接室についたようだ。


「今日は、応接室なんですね」


「諸事情ありまして…」


エイミがノックをして扉を開く。

そこには金髪、碧眼、ダイナマイトボディのナイスマダムが座していた。

そしてナイスマダムな状態で腕を組むヴィンスさんはいつになく冷えた雰囲気を漂わせていた。


「フウカ君、説明してくれるかな?君が作った魔物、"怪人"について」


これがヴィンス様の領主としての顔ですか、凄い威圧感です。しかし、アイーシャさんに比べればまだまだ。


「そうですね、どこから話しましょうね…やっぱり始まりから話すべきですね…あれは二周目の元旦の朝のことでした、私達は路地裏で因縁の相手“袖無変態男”と遭遇したんです」


私は事の顛末を順を追って述べた。


「そんな具合でV作戦、ひいては戦争の駒のために造られたのが怪人であり魔物を作り出す魔法です」


「いや、わからん。なぜそこへ飛んだ、街の巡回警備でも良かったと思うんだが」


「目立つ正義の味方には目立つ悪役が必要なのです。それに私が作った怪人は第三者に危害を加えられないように存在を組み立ててあるので、一般人を脅かすことはあっても直接攻撃して怪我をさせることはありません。万一暴走したとしても私の言葉で魔力を離散、崩壊させる仕掛けがあるので安全を保証できます」


「私が問題にしているのは自然発生した怪人だ。アレはなんだ?魔物にしても随分と強い。冒険者ギルドの魔物の危険度分類の所のランクC以上、物によってはB以上に強い」


ヴィンスは何枚かの紙をテーブルに広げる。

見ればそれぞれが怪人についての戦闘報告らしく、その殆どは私達が知らないソレだった。


「警備兵が対応した怪人についての報告だ。今朝現れた神速の怪人は警備兵では手も足も出なかったらしい。魔物だとしても余りに強すぎる」


「そうですね、アレは魔物が人の住む地域に突然湧き出たりしないと言う常識が覆った結果、湧いて出た魔物です。強さの理由は恐らく、魔物の元となる人のイメージとの距離ですね。今までの魔物は人里から離れた場所に湧いて、繁殖して、人を襲っていました。湧く時点で人のイメージが魔力に乗って人里離れた地域まで飛ぶと言う過程に置いて思念が劣化する事で想像より弱い魔物になっていたんだと私は考察しています」


「つまるところフウカ君の作る魔物で言うところの集めた思念が薄まる前に発露、魔物と言う形になることで集まった思念に等しい魔物になると?」


「そういう事です。ただ、怪人が今後現れないようにする手段はあります。怪人がもう現れないと自然発生したものではなく、何者かが人為的に生み出した魔物だとすれば、その何者かを倒すことで人々に怪人が生まれることはないと印象付けられます」


「なるほどな…常識の再構築か。して、件の怪人オンナオトコの討伐の為に市内での戦闘行為の許しを得に来たんだろ?」


「さすがヴィンス様、耳が早いですね」


「ワシの街だからな。良いぞ、怪人討伐については既にギルドに依頼を出している。怪人討伐の際に関しては街中での破壊魔法の使用も許可しているし公共物の物損については不問とすることにした。私物に関してはコッチでは手が出ないから、上手く交渉して欲しいものだが」


「じゃあ、遠慮なくぶっ飛ばしますね」


「ちょっと待て!フウカ君が遠慮なくぶっ飛ばすと間違いなく大惨事になる。屋敷の一個二個なら目もつぶるが、一区画だったり街の四分の一だったりしたら流石に処罰を考えざるを得ないぞ?」


「じゃあ…外だったらどうですか?鬼人の森周辺とか」


「だめに決まってる。だからあくまでも大量破壊魔法や広範囲殲滅魔法の使用は禁ずる」


「はい…」


そんな具合に準備は整ったのだった。

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