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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
南北東で戦だそうです。
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五周年記念閑話

作者:「はい、あっという間に五周年ですね。作者は彼女捕まえて二周年もあって大変です。はい、もちろん自慢です。リア充アピールですよ?やらないと拗ねちゃうかもだし……」


レン:「いや、最近は疎遠だけど僕だって奥さん居るからね?言っとくけど!僕だって!奥さん居るんだよ!!」


ジン:「ここは後書きの延長だから好きに喋るが、奥方は最近、本編で遊びすぎな気がするぞ」


作者:「いいんだよー、アレで世界観をコマコマ触れてくれてこっちは大助かりだから」


レン:「と言うことで今年もハッピーメリークリスマスだよ!」

どうも、私と書いてフウカです。

今回は少し未来の話です。って言ってもそんなに未来じゃなくて、怪人オンナオトコ事件から四日後ぐらい。


私は昨日までの三日間で粗方の海浜領での相転移門の設置を終了した。


で、一旦休日を挟んだ時の話。

私は一人だけ談話室で考え事しているソウジ君に目を向ける。

ちなみに、今日の献立も丸ごとソウジ君任せだ。


『さてと、今日のデザートはシュトーレンだな。シュトーレン、作ったことないんだけどさ』


考えが纏まったようで、立ち上がったソウジ君はスマホでシュトーレンを調べるみたいだ。


私は、ふと気になったことを聞いてみることにする。


「ソウジ君、ソウジ君」


「あ、はい。なんですか?」


窓から顔を出したソウジ君はいつも通りだ。


「ソウジ君は家に来てから、なりゆきで料理係になってるけど、嫌になりませんか?」


ソウジ君が家に来てからと言うもの、家の料理の8割はソウジ君が作っている。もはやキッチンはソウジ君の私物と化しており、私達と言うかラルフさん達が整備した頃の趣は限りなくなくなっている。


「たまには自分で作ったもの以外の料理を食べたいとは思いますが、そこまでのこだわりもないですね。あ、食料の買い出しお願いしますね」


と言われて私は、買い出しに出掛ける事になりました。


△▼△▼△▼


「うん、見てたから知ってるよ。僕はこれでも神様だよ?」


私は一人になると(一人じゃなくても)湧いてくる神を引き連れて、朱雀通りをウロウロしていた。

なんだかんだで四か月以上この世界に住んでるから、もう慣れたもの。


「知ってます。今日は何しに来たんですか」


「何も何も、珍しく一人でお出掛けしてるフウカ君が寂しいんじゃないかと思って、話し相手になってあげようかな?ってね」


「結構です」


「まあ、そう言わずにさ?」


「それで、何を話しに来たんですか?」


「何か~それは難しい質問だ。話し相手になってあげようとは思ったけど、話題は提供してもらおうと思ってたからね~」


レンは頭を掻いて、照れる。


「あ、そうそう。最近疑問だったんだよね、フウカ君さ?普通、異世界来たら旅するよね?完全に最初の街で根を下ろしちゃってるけどさ、色んな所旅してみたいとか思わないの?」


レンは雑誌と双眼鏡を創って見せる。

旅行を表現したいんだろう。


「別に、旅行に来た訳じゃないですよ。レンからすれば旅行でも私達はここで生活しなきゃいけないんですよ」


「いやさ、フウカ君達の元居た世界、ジアースでも週末に旅行に出掛けたりはしたでしょ?しないのかな~って」


レンはそう言って、地面の石を蹴飛ばした。


「って言っても、割りと旅行はしてますよ?エネシス行ったり、王都行ったり」


「いや、知らない土地に行ったりしないのかな?って」


「知らない土地って言っても、ここも十分不思議の尽きない街ですけどね」


私はふと振り返りながら交差点に出る。

どうしてレンに対してこんなサービスしようと思ったのかやってみてから考えてもわからない。


しかし、レンの少し驚く顔を見るのは嫌いじゃなかった。


『特製失神ポーション!』


「邪魔だ、退け!」


二つの叫びが私に向かって飛んできて、まずはすごい速度で走る男が私を押し退ける。


次にポーションの瓶が眼前に迫っていた。


「わっ!」


詠唱どころか障壁を作るのも間に合わず、私は瓶を額で砕いた。中の液体とガラス片が顔にかかって、私は意識を失いました。


▼△▼△▼△


で、そのあと家にレンが訪れる。


「ケイトちゃん、ケイトちゃん、ちょっと作業の手を止めてくれるかな?」


「なに?見ての通り今は忙しいのよ」


「えっとさー、怒らないで聞いて欲しいんだけどね?フウカ君がねぇ、失神ポーション被って拐われちゃった」


「え……?」


「だからね?拐われちゃったよ。今回は僕がなんか仕組んだとかじゃなくて、普通にそこら辺のチンピラに持ってかれちゃった」


ケイトはあまりの衝撃にティーカップを取り落とした。


「探しに行かなきゃ!」


「お母さん、意識が戻らないみたいです。念話も反応ないです」


リンちゃんが念話を試みたらしい。


「リン、場所探せる?」


「杖を通って再召喚でいけます、オジサン!出番ですよ~」


リンは家の中をパタパタ走っていって、寝こけたエルを掴んで戻ってくる。


「んあ?」


「いますぐ、杖の所に飛んでください」


「なんで我が?」


「良いから行ってください」


エルは渋々転移していった。


「場所わかりました。こっちです」


ケイトはリンちゃんに連れられて出ていった。


残されたレンは、キッチンに顔を出す。


「ソウジ君、フウカ君が拐われちゃったよ?助けにいかなくていいの?」


台所で鳥と香草と野菜を油で煮ていた。


「拐われたって、よく拐えたなって感じだけど?」


「助けにいかないの?」


「逆に助けに行く必要があるのかな?フウカさんなら、目覚め次第、相手を殺して帰って来ると思うんだけど」


ソウジは火を止めると椅子に腰掛けた。完全に腰を据えて待つ構えだった。


△▼△▼△▼


「ん……ん?ここは?」


目が覚めるとそこは、紛れもなく廃墟だった。


私はボロボロで埃っぽいベッドに転がされている。

そしてなんと、手枷が嵌められていた。


「ほんとに不思議の尽きない街ですね…ふむ、この手枷、魔力操作を阻害しますね」


私は足の指先で魔力の操作を試みる。なんなく魔法は発動し、足元に空間魔法の魔法陣を描いた。


「抜け出すのは簡単そうですね。ただ、そうなればこの状況を楽しまないのは損ですね。刺客、刺激的な所に連れてきてくれたんですしね。ヤバくなったら」


『殺せば良いんじゃない?』


『まあ、常識的に考えて、反撃は正当防衛ですね』


『燃やすのが良いんじゃない?犯人も証拠もなくなるし一石二鳥』


脳内会議も結論が出た、満場一致でヤバくなったら迷わず殺そう。

ただ、どうやって殺すかで脳内会議が揉め始めた。


『燃やしたら、色んな所に暴れたことがバレるでしょ!刻むのが一番でしょ!』


『私は殺せればなんでも良いとは思ってるけど、もう少し趣向を凝らしてもバチは当たらないでしょ?足の先から骨を風化させて殺すのはどう?』


『それ前にやったし』


揉めていた。


部屋の外から、ゲッソリと痩せた男が下品な笑みを浮かべて入ってきた。

その体は骨張っていて、汚ならしい布切れを巻いていた。


「いやぁ、僕は幸運だったよ。逃げる途中で君みたいな子を楽に捕まえられた。今度は何をしようかな……もう、出し入れにも飽きてきたし、別の趣向に走ってみたい」


「へー、何してくれるんですか?」


「ふっ、何を隠そう巷で囁かれる連続婦女強姦殺人吸血犯、それは僕さ」


連続・婦女、強姦、殺人、吸血犯?殺人と吸血は逆のがいいと思うな。二文字熟語が並ぶだけでこんなに聞き取りにくいのか~


「いや、初耳ですね」


「ならば、懇切丁寧に僕の罪状を教えてやろう。今までに犯して殺して啜った婦女の人数は6人、邪魔立てした男を殺したのは4回!覗きと漁りは数知れず、通報され過ぎて警備兵とは顔見知りだ!」


「へー、そうなんですか。存外少ないんですね。あ、私は規格外なのかな?」


今までに何回か事情から人を殺している私は特に驚かない。


「さて、説明が終わったところでどうやって殺してやろうか……生きたまま腸を引きずり出して、吹き出した血を啜ろうか」


ガリガリ男は一度部屋から出ていくのだった。


▼△▼△▼△


一方で、ケイトとリンは走って移動していた。


何せフウカの監禁場所はなんとびっくりアリシアの北の端っこだった。

朱雀通りの北の方で拐ったとしても、街の半径分だけフウカを担いで逃げたと言う事になる、恐ろしい体力だ。


「ほんと、私のフウカを持ってくなんていい度胸だわ────ぶち殺してやる」


ケイトはいつになく殺気を纏っていた。


「ぶち殺してやるって……ケイトさんがぶち殺す前にフウカさんが既にぶち殺しちゃってるかもしれませんよ?」


ユリも一緒になって走っていた。ついでに言えばカルミとカルムもつられて走っていた。


「なんでユリは一緒に走ってるの?」


「時間もありますし、ケイトさんをお見かけしたので!それにもしもフウカさんが最近噂になってる連続婦女強姦吸血殺人犯?殺人吸血犯?に拐われてたら危険かも知れませんし」


「なにそれ?」


「私が説明しますよ」


ついでにアリアも走っていた。

理由は非番だから。


「元は最近流行りのタブロイド紙の連載小説です、作者はギルド職員で間違いなく虚構です。次々と婦女を襲い、一夜の夢を見せた後にその女から体液を残らず吸い付くして去る美麗吸血鬼の話です。ですがそれを真似て実行に移した人が居るらしく巷で噂になってます」


「へぇ、じゃあ吸血鬼なの?」


「犯人は美麗とは言えず、吸血こそしているものの見た目は人間だと調査報告が上がってきてましたよ」


「なんにせよ急ぐべきね」


ケイトとユリとカルミとカルムとアリアは全速力で北を目指していた。


△▼△▼△▼


一方で……


「さあ、恐怖しろ。お前を辱しめて、嬲って、殺してやる」


ガリガリ男は私から衣類を剥ぎ取ろうと思ったらしくコートのボタンを切り落とそうとナイフを走らせた。


「無駄ですよ、これは防刃コートなので」


あくまでも強引に剥ぎ取る事に拘るらしくコートの両端を持って力一杯引っ張るが、裂ける様子もボタンが外れる様子もなかった。


「だんだん飽きてきましたよ?他にはないんですか?」


ガリガリ男は一個一個コートのボタンを外す事にしたらしい。

コートの前が開くや否や、ガリガリ男の骨ばった手が股ぐらに触れる。


「……うん、ケイトに比べたらただ触ってるだけだし、少しも気持ちよくないですね」


と言うかなによりキモい。

うん、これ以上は正直我慢できないかなって感じだ。


「連続強姦魔なら少しは期待しても良いかと思ったのですが期待外れですね」


私は膝を股ぐらをまさぐるガリガリ男の脇腹に押し込み、練っていた魔法を解放した。

僅かな暴風が解き放たれて、ガリガリ男は簡単に壁まで飛んでく。


「もう良いです、ケイトのための私に勝手に触れた事神すら悶絶する痛みでもって後悔させてあげましょうね」


なんなく起き上がった私は、踵で空間を切断して、手枷を切り放す。


「さてと、まあ精々後悔してもらいましょうか」


壁際で起き上がる男を上昇気流で捕らえて、空間の境い目で拘束する。


「さてと何から始めましょうか……まあ、腸を引きずり出したらなんなく死んじゃいそうですし……そうですね、ちょうどいいので実験台になってもらいましょうか」


ガリガリ男は突然の事に理解が追い付いていないのかオドオドと自分の手足と足下を眺めるばかりだ。


「先ずは所有権の確立です。良いですかよく聞きなさいなんちゃって霊長類。あなたは今から私の人形です。私が泣けと言えば泣き、死ねと言えば死に、絶頂しろと言えばその瞬間汚ない汁を垂らして精根尽きるまでぶちまける下僕です。わかりましたか?」


ガリガリ男は俯いたまま返事をしない。


「聞こえませんね」


私の手がピストルを作って、萌葱色の弾丸を男の右膝蓋骨に撃ち込む。

一瞬で膝蓋骨を貫通して、膝関節を破壊した。膝からは僅かな鮮血が飛び、ガリガリ男の口からは悲鳴が飛び出た。


「ぎあぁぁーっ、膝がぁ!!」


「わかりましたか?」


再度の質問、私はガリガリ男の右足の甲に狙いを定めた。


「あがぁぁーっ、痛い、殺される」


「バン!」


ブシュッ!

っと肉がつぶれて血が滴る音がする。


「わかったかと聞いているんですよ」


「あぁぁあぁーあぁあぁ、足がぁー!!痛い、痛いぃぃー」


「五月蝿いですね、少し黙りなさい」


私はガリガリ男の声帯を殴った。


「カヒュッ!ゲホッゲホッ!」


「はぁ、人間を使うのも楽ではないですね」


私は咳き込む男をそのままに少し待つ。

少し待ってから咳き込むの男の太股に指先を押し当てた。


これは契約、交渉だ。

概念優先度の優劣は転生者である私は限りなく神に近いレベルにある。しかし、それだけで対象への魔法の効果を左右するわけではない。


魔法効果の効率は相手との上下関係が大きく関わる。その上下関係に類する物の一つが所有権だ。

所有権を示す方法は、意思のない存在についてはある程度わかっている。

所有されていない物については手に取れば良し、手に取らずとも抵抗はない。

所有されている物については所有者からなんらかの更新にて所有権を贈与されるまたは奪い取ることで所有権を得られる。


しかし意思のある物についてはそうもいかない。殺して奪い取る事は不可能、意思を残したまま所有権を得るには、なんらかの交渉によって対象に支配下に置かれる事を自認させる必要がある。

その為の交渉だ。


「良いですか?私が必要とする限り、あなたは死ぬことを許されない。あなたが死ぬときは私があなたを必要としなくなったときです。逆に言えば私が必要とする限りはあなたの存在は私が保障しましょう」


私は手を差し伸べる。


「はい、下僕になります。だからどうかこれ以上……撃たないで……」


「ふむ、良いでしょう。では交渉成立、契約書を残しましょう」


契約書はなんでもいい。

見たときに契約内容と対象と条件を思い出せればそれでいい。関係を拘束する為の物だ、それができれば私にとってはそれ以上の価値はない。


『我ら、ここに今契りを結ぶ。フウカ・アリシア(以後:甲と呼称)は契約書を身に宿す契約者(以後:乙と呼称)に対して生命の危険について対処および保障する。その条件として、乙は現在から命つきる最後の一瞬まで甲の支配下に置かれ生殺与奪の権利を甲によって管理される。また、この契約は乙が甲に対して自らの有用性を証明し続けることで成り立ち、甲が乙に対して有用性を見いだせなくなった時点で破棄される。契約内容を確認の上、その証を乙の身体に刻む。なお、この証は契約の破棄が確認された時点で消滅する物とする。 コントラクト』


私の中からゴッソリ魔力が抜ける。

魔力の光がガリガリ男を淡く照して、傷を修復していく。

そして体表に契約内容が黒く記された。


「さあ、あなたは私の物になりました。ここからが本当の実験です、あなたはきっと後悔に苛まれる事でしょう」


私は実験を開始する。

怪人の様に力を持つ従僕を大量に生産し、戦争における戦力とする為の魔法を生み出す為の実験だ。

今回の実験の主旨は、怪人化の魔法を応用した従僕の作成。現時点である意味では成功している、今度は彼をどこまで戦力にできるかを試す。


「先ずは今後の耐久力向上と言うことで治癒能力を強化してみようか」


『我、汝に人を超えた力を授けんとする。汝の肉体は絶対には非ず、しかし同時に汝の命は不変である。汝の命尽きるまで汝の肉体は形を失わず、絶えず自らを癒し続ける 常時治癒』


魔力の淡い光がガリガリ男に染み込んでいく。

現時点では特に異常はない。


「なんだっけ、さっき噂の主だって言ってましたよね」


「えぇ、はい。連続婦女強姦殺人吸血犯です」


「ふむ、婦女を強姦したり吸血することで力を奪って強くなる魔物、インキュバスヴァンパイアとかにしようかな」


「僕は魔物になるんですか?」


「魔物と怪人の狭間にある人間、魔人かな?」


「ま、魔人ですか」


「あ、名前も新しく付けましょう。あなたの名前は…」


実験台=モルモット……モモット?


「モモットにしましょう。他に質問はありますかモモット」


「僕は人間じゃなくなるんですか?」


「そうなりますね。ただあなたは自分から連続婦女強姦殺人吸血犯である事を望んだのでしょう?」


「ん、まぁそうですけど……」


「どのみち人智を超えた怪物になる運命なので諦めてください」


私は作業を進めていく。

このあと怪人化の魔法をリメイクした、肉体改造の魔法を掛ける。死なないように部位をしていてして少しずつ変質させていく精神を磨り減らす緻密な作業だ。

そうでなくても調べたいこと、やりたいことが多すぎる。

どれだけ耐えられるかわからないけど、モモットにはなるべく耐えてほしい物です。


で、10分後にはと言うと…


モモットは全身を蝕んで徐々に同化していく魔法の疑似生物によって悶絶していた。

言うなればデモニックオーガを作った時の椅子の方がモモットだ。


ドロリと足らされたゲル状のそれは、細い血管のような管をモモットの全身に這わせて、徐々に皮膚を破って肉を掻き分けて体の内側へと潜り込んでいた。


「があぁぁっ、死ぬぅ、痛い、いたい、イダあぁぁあ!」


ゲル状のそれが肉体を裂いて沈み込むが、モモットの肉体はそれを内包して、傷を修復していく。

魔力の拍動がにつれてモモットの体は変質していた。ただの痩せっぽちだったモモットも徐々に肉が付き、骨が変形し、翼のようなものを生やしつつあった。


「ふむ、相当な苦痛が伴うみたいですね」


私は観察を続けた。

私が意図的にゆっくりと変身するように魔法を組み立てたため、ゲル状のそれがモモットと同化するのには長い時間がかかった。さらに10分後には痛みに耐えられなくなってきたのか、神経系を侵されて恐怖に駆られたのか泣きながら懇願するようになった。


「あぁあーーがあぁっ!どうか僕を殺してください、どうか、どうがあぁぁっだぁぁっ……どうか殺してぇぇー!イヤだ、イヤだ、イヤだ、いあぁぁ!!」


また鮮血が飛んだ。

そして立て続けに血を吐いた。

実際、開始20秒足らずで吐瀉していて、吐けるものなんて血ぐらいしかないだろうし。

しかし、立て続けに何度か吐いて最後には大量の歯を吐き出した。


「へぇ、吸血鬼だからかな?歯が生え変わったんだ……って事は次は性器かな?」


長かった観察もこのあと、呆気ない巻く引きを見せる。完全に神経まで魔法に侵されたモモットは遂に脳みそを侵されているらしい。

さっきから右目が右側、左目が左側を見ており、口は開きっぱなしで、あらゆる体液が吹き出ていた。


そして遂に魔法の侵食が完了する。

モモットの肉体は完全なる連続婦女強姦殺人吸血犯になっている。

しかし、モモットの瞳は左右逆の外側を向いたまま戻らない。


「あー、やっぱり脳まで侵されたら流石に死にますか、死因はなんでしょうか……単純に脳が破壊されたから?でも脳も再生し続けてるはず…肉体の損傷の修復だけでは不充分だった?脳に記録されていた情報が破損したとか?種族とかが切り替わったから魄の記憶にアクセスできなくなった?考えても答えはでませんね。モモット、まだ生きていますか?」


返事はない、完全に廃人と化して居た。

拘束を解いたが、モモットは床に転がっている。


「立ちなさい、モモット」


返事はないし、モモットも動かない。


「これは限界って事ですね……はい、では実験はここまでですね。協力感謝します、モモット」


私はモモットの頭を撫でる


「さよならモモット」


手の平の魔法を発動させた。

頭は真空の引力で簡単に潰れた。

契約を失ったモモットの体が急速に崩壊していく、怪人化の魔法も対象を失って崩壊を開始した。


私はぐずぐずに崩れていく死体をそのままに廃墟を出た。


程なくケイト達が助けに来た。

私は既にモモット……誘拐犯である連続婦女強姦殺人吸血犯は死んだことを伝えた。


ユリさんは「ほらやっぱり~」と呆れ、後で肩で息していたカルミとカルムは安堵と落胆の籠った不思議な顔をしていた。

アリアさんは胸を撫で下ろし、私はケイトの腕の中に居る。


「なんかご心配おかけしました。ケイトも捕まっちゃってごめんなさい」


「捕まった事なんて咎めてないわよ。心配で助けに来たんだから」


「ありがとう」


私は感謝を込めてケイトの首に手を回す


「でもフウカ、これからは一人で出掛けるの禁止にするわ。必ず誰かと一緒に行くこと!神はカウントに入れないからね」


「えー、本気ですか?」


「えぇ、本気よ?フウカ一人だといつ変な虫が付くかわかんないんだからね」


こんな感じで私が誘拐された一日は終わります。晩御飯はソウジ君が作る肉と根菜のアヒージョです。

作者:「ハピメリクリマスだよ!」


ジン:「アケオメコトヨロみたいに言うな」


レン:「五周年記念感なかったね~」


作者:「五周年で何書くか思い付かなかったんだよね。せめてあんまりない事しようと思ってフウカ君を誘拐することにしたの」


ジン:「結局最後はいつも通り魔法チートで殺して乙だったけどな」


レン:「まあ、らしいと言えばらしいよね~」


作者:「でもビックリだよね四周年記念閑話のあと30話しか経ってないのに五周年なんだよ?いやー、最近時間が速すぎて困る」


レン:「それ、テレビでみたよ?トキメかなくなってるからなんだってね。もっとトキメキなよ、リア充」


作者:「ときめいて居られる時間が欲しいです」


ジン:「これはやることに追われているな」


レン:「はぁ、僕みたいに気楽にやればいいのにね」


作者:「やれたら良かったよ!!誰だよ大学生は時間あるとかほざいたやつ!と言うことで、まだまだ進みが遅いと思います、怪人編はその内終わるので、いよいよ戦争かな?」


レン:「僕に聞かないでよ」


作者:「はぁ、焦臭い部分の始まりです」


ジン:「派生する日常ファンタジーじゃなかったのか?」


作者:「日常の尊さを知るための波乱万丈な部分もあるよ」

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