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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
南北東で戦だそうです。
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連絡来ました

作者:「お久しぶりです。最近、毎回前書きでお久しぶりですって行ってますが今日も言いました」

レン:「うん、Twitterでなんか宣ってたね」

作者:「これからなんだかんだ勉強とか忙しくなって全然書けなくなるので改めて二週に一回更新を目安に頑張ろうと思ってます。今後もマイペースにウインド書いてきまーす」


で、今日は新年三日目です。

私はエネシスに呼び出されていた。もちろん相転移門の設置予定地が決まったからだ。


「つなぐ街の相関図と各々の町の設置予定地の図面は各地の領主から続々と集められています。先ずはエネシス近辺の物は出来上がっているからそこから始めてちょうだい」


ミゼリアさんは、この時代ではそこそこ機密の筈の地図とかなりの数の図面を私に差し出した。


「なかなか骨が折れそうな仕事ですね」


私はパラパラっと内容を確認する。

パット見ただけでも、30枚近く設置しなきゃいけない。

エネシス近辺の町村だけで30枚、国全体だとさぞ大変そうだ。


「さてとお仕事も一区切り着いたし…説明してもらいましょうか」


ドアが開くとノアさんが入ってくる。


「フウカちゃん、君はまた面倒な事に首を突っ込んだみたいだね」


「なんの事でショー」


「惚けたって無駄だよ?怪人を作ったのはフウカちゃんでしょ?前に魔物を作る魔法の開発してたのを僕は知っている。そして未知の魔物を生み出す魔法は禁術ですら存在しない。つまり、新たに魔法を作った人間が居る、新しい魔法をポンポン作るのはフウカちゃんぐらいだからね」


「まあ、そうなんですけどね。あれはちゃんと安全装置の付いた魔物なので他の人に危害は加えません。人質の人も実は私が仕込んだ芸人さんで演技して貰っただけですし、怪我もさせてませんよ?」


「フウカちゃん、それを大真面目に調査しなきゃいけないギルド職員の事も考えてほしいね」


「考えてますよ?ギルドが調査してその結果が原因不明となる。そして原因不明のままに街中に発生し続ける怪人を魔法少女がバッタバッタと薙ぎ倒せば、蒼龍少女ミーナは有名になります。グッズが売れると思います」


「フウカちゃん、お金稼ぎするの?」


「もちろんですよ。いくら一財産あるとは言え無限ではないので。それにギルドの方にはアリアさん経由で情報を流しますよ。ちゃんと怪人退治の依頼はギルド経由でソウジ君に回しますからね。手数料が入りますよ」


「フウカちゃん、君のしてることは悪質な詐欺商法だよ!?」


「はい、私の故郷ではこう言うのをマッチポンプとか自作自演とかって言うんですよ」


私はニコニコ笑う。こう言うときは笑うのが一番だと記憶にある、そして言うのだ。


「でも、だからどうだって言うんですか?」


「え…」


ノアさんの顔が固まる


「だって私が作れたってことは壁の中に魔物が発生するための条件は揃ってるって事ですよ?私が手を下さずともいずれは生まれていただろう魔物です。この機にセーフティーの付いた魔物を使って市街地での魔物発生の対策を練るのも一興でしょう」


「え、待ってフウカちゃん。もしかして魔物の発生条件を特定したの?」


「まあ、そうなりますね。隠すことでもないのでぶっちゃけますが、魔物の発生理由は人間の恐怖や思い込みです。それらが私達の魄を経由して別次元のマトリクスレイヤーに伝わって、魔力を通して実現する結果です。つまり、人の想像力と魔力の二つがあればこの世界のどこであっても魔物は発生します」


「でも人間の密集してる地域や家屋内での発生の事例は殆どないんだよ?」


「発生しないと人間が思ってるからに他なりませんね。私達のイメージ、想像が魔物を形作ってます。それは出現位置にも影響を及ぼし、自然と生活環境では発生しないようになってたんですね。でもその常識は先刻私が壊しましたので…」


「フウカちゃん、それって僕ら巻き込まれ損なんじゃない?人間の想像力が根源になってるなら人間を殲滅しない限り魔物が居なくならないし。なんの解決にもならないよね」


「ええ、そりゃ作ってるんですからね。でも逆に言えば無害にすることも管理下に置く事も消滅させる事も民草次第って事ですよ」


「思想統制をしろと?」


「別にこれを使ってああしろこうしろと私が言うつもりはありません。ただ、可能だと断言するだけですよ。では、私は相転移門の設置に行くのでこれで失礼します」


私はミゼリアさんの執務室の扉を押し退ける。


「フウカちゃん、君はこれからどうするのかな?その力、一個人が持つには大きすぎる。ギルドもたぶんもう黙っていない、南ゼレゼス王室も君を取り込もうと動くでしょう、君はこれからその力でどうするのかな?」


「出方次第です。協力的である限りは見会った恩恵を、邪魔立てするなら潰すだけです」


私は一礼してから執務室の扉を閉めるのだった。


「はぁ、もしかしたらギルドとも戦争することになるかもしれませんね」


私は受け取った図面を見る。とりあえず、エネシスの門予定地を見学して、それから周辺都市や村落を回る。行く先々で相転移門を設置して潜って次の都市へと向かう。考えるだけでも大変そうだ。

楽してこなせない物かと思う。


『でも楽してって言うけど結局はフウカが視覚情報を得ないと転移もできないのよ?』


『もしくは魔力のアンカーを撃ち込んでそれを目印に飛ぶかのどちらかですね』


『ねぇねぇ、そのアンカーってのさ?郵送したら?』


『ルミ、異世界に郵便局もゆうパックも黒猫の宅急便もないのよ?』


『いや、使者って居たじゃん?あの人たちにアンカーと言うか魔法と言うかを運んでもらえば良いじゃん。水晶球で持ち運べるんだし』


『アイさん、これ行けそうですか?』


『まあ、フウカならできるんじゃない?』


『でも、使者を使うのって大丈夫なんですかね』


『あ、手紙鳥って魔法あるよ?知ってる人の所に飛んでく魔法で、仕組みはその人をイメージを魄経由でマトリクスレイヤーに送って対象を特定して後は魔力の力で鳥がその人の所に届いてイメージが実現されるって仕組みだよ。この魔法の不思議な点は相手が死者でも飛んでくところだよね。どうやって識別してるのかは私でもわかんない』


『詳しいですね』


『だって作ったもん』


『フウカの魔法作りの趣味はアイさん譲りですか』


「手紙鳥ですか。郵便社とか探してみますか…」


で、私はエネシスで郵便社を探すことにした。


△▼△▼△▼


一方で、アリシアでは…


「出たな、怪人ダマレカス!」


それは大きな手と大きな耳と大きな口を持った、目もなく鼻もなく髪もない、人のようでそうでない大男だった。


「シャラーープ!ダァマーレーー!!」


「そうやって」「ダマレーー!」


「すぐ人の話を遮」「シャんラップ!」


「って、そんな迷惑は」「ビィークワイェット!!」


「歩く鎧(銀治郎)と!」「シーー!!」


「雪だるま(重雪)と!」「オ・ダ・マ・リいぃ!」


(ジン)が許しても!」「クソガァァーー!」


◇◆◇◆◇◆


ジン:「いや、許してないぞ」


レン:「今日は僕入ってない~」


◆◇◆◇◆◇


「この秩序の魔法少女ミーナが許さない!」


ミーナは変身の決めポーズをバッチリ決めた。そして、スッと無表情になりダマレカスに対して掌を向ける。


「ダマレッテ」「蒼龍・咆哮砲ォー!」


掌から放たれた濃縮された魔力と冷気で形作られた極太ビームは青白く光り、若干竜みたいな形をして


『人の話は黙って最後まで聞け!』


と謎な雄叫びのような轟音を響かせて、ダマレカスに直撃し爆発。ダマレカスはバラバラに飛び散って光となって消えた。


「つい、カッとなってしまいました」


ミーナは群衆に笑顔を振り撒きまくるが、群衆からは微妙な空気が漂っている。

なぜなら中身が男だと既に割れているからだ。


「ミーナ、こっちこっち早く次行くわよー」


ケイトが遠くから手招きして、ミーナは普段着に変身してそっちに走る。


今日もアリシアは平和だ。


▼△▼△▼△


例の一件でボロボロになったエネシスだが復興工事は一段落している。


街路はまだボロボロで此処彼処で工事中だが、家屋は殆ど修繕が終わっていて街並みとしては普通だ。


フウカはそんなエネシスの、特にボロボロになった港側の、一軒の建物に来ていた。


「案内もあって普通に来ましたが、普通の郵便局ですね」


中は普通に窓口があってその手前ではレターセットとかを販売していて、混雑時の待機用のソファが設置されている。


「はい、郵便局ですよ。本日はどう言ったご用件でしょうか?」


窓口の人は淡々と話す。接客とか忖度とは無縁の顔つきで淡々と。


「この辺の町村の全てに手紙と小包みを出したいんです」


「はい、畏まりました」


それにしても無愛想な店員だと思う。

ニコリともしない。


「具体的にはこのリストと地図にある所なんですけど行けますか?」


「はい、大丈夫です。しかしこれだけの数ですと距離もありますし相当な料金がかかりますが宜しいですか?」


気遣いの言葉までマニュアルチックだ。


「あ、実際どれぐらいかかりますか?30万枚超えるようならちょっと考えたいんですけど…」


「だいたい、1千枚程度は見ていただいた方がよろしいかと」


「あ、前金1千枚ですか。はい、えっと、今払えば良いですか?」


「いや、今出されても困ります。まずは、送り先と配達物の内容を詳しく聞いて、契約書を完成させないとなので」


冗談のつもりで言ったのに淡々と対応されて、私は少ししゅんとした。


△▼△▼△▼


一方でアリシアでは


「出たな!怪人トオサンゾ!」


その人とは思えない見た目の煉瓦の壁のような怪人は道にドッカリと佇み、交通を妨げていた。


「ココヲ、トオリタケレバ、ツウコウリョウ、アリガネゼンブ、オイテイケ」


「この、アリガチなチンピラ冒険者みたいなこと言って!公共の道路で迷惑でしょ!」


「ミーナ、また?早く済ませてよ」


「ケイトさん、盛り下がること言わないで下さいよ…お前みたいな邪魔な壁は、秩序の魔法少女が正義の魔法で粉微塵にしてやる!」


「トオサン、トオサン、カネヲダサナキャトオサンゾー!」


壁は壁らしく揺るぎなく聳え立っている。

それに対してミーナは鱗をガンドレッドのようにした拳を硬く握り腰だめに構える。


「蒼鱗拳!蒼鱗拳!蒼鱗拳!蒼龍・硬鱗撃!」


殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る


正義の魔法どこ行ったって勢いで壁を真っ直ぐに殴りまくる。

ひたすら殴り付けて、砕いた煉瓦を更に殴って粉砕、塵の中に一片の欠片もなくなるまで殴った。


「お前みたいなチンピラはこの秩序の魔法少女が跡形も残さず消し飛ばしてくれるわぁーー!」


そして最後には立ち込める砂埃だけが残った。


「ふぅ…」


「ほら、ミーナ!さっさと行くよ?」


「あ、はい」


アリシアは平和だった。


▼△▼△▼△


「出たな怪人フエイセイ!」


「クセェーナァー」


それはヘドロの塊のような怪人だった。


「あ、ちょっと待って」


「マツ?ワカタ。」


フエイセイは動きをピタッと止める。


「ケイトさん、なんか冒険者が原因になってそうな怪人多くないですか?さっきのトオサンゾとかオレンモンダーとか見たことありますよ?」


「まあ、冒険者なんて一歩間違えればチンピラだしね。そう言うこともあるでしょ」


「フエイセイなんて、完全に外で仕事して帰ってきた貧乏冒険者ですよ?」


「あそこまで泥々ではないわよ?体ぐらい拭くし」


「そう言う問題ですか?」


「ほらミーナ、怪人待たせてるからさ」


「あ、はい。あ、続きやろうか」


「ア、ハイ。クセェーナァァー!」


ヘドロの塊は全身から悪臭を振り撒いた。


「蒼龍魔法の脇道を披露するときが来たようですね。蒼の行き着く果てを見よ、蒼龍・冷縛息」


ミーナが擦り合わせた掌から冷気が溢れだし、瞬く間に近くの空気中の塵を水分で封じ込めて凍らせて、煌めかせる。


「冷縛トグロ巻き!」


そして、冷気で形作った竜の首がフエイセイに巻き付いて、凍らせる。


「冷縛・蒼鱗拳」


そのあとはダイアモンドダストがキラキラする寒い街角で、ミーナが更に白い冷気を纏った拳で凍りついたフエイセイを砕いて芯まで凍らせて、塵になるまで殴った。


「ふぅ~じゃあ次いきましょうか」


「そうね」


「グヘヘヘ」


「え、誰?」


そこにいたのは如何にもバカっぽくて嫌らしい笑みを浮かべるノースリーブの変態が居た。


「昨日のゴロツキ!」


「ウヘヘヘ」


「ねぇ、昨日のゴロツキにしては知能が低すぎると思うわよ?」


「ヒヒヒヒ」


「だって会話が成立しないもの、コレ怪人じゃない?」


「え、じゃあ袖無し変態男の噂がさっそく怪人になったって言うんですか?」


「ウッ、ウッ、ウッホホホホーイ」


「だってこんなに変な人普通居る?」


「居ないですね。やい、怪人袖無し変態男!」


「ウッ?」


「一つ、人の袖を勝手に千切り。(※変態袖無し男ご本人はそんなことしてません。)二つ、不埒な変態行為。(※これはしてたかも)三つ、怪人袖無し変態男め!この秩序の魔法少女ミーナがケツアゴ深めにぶん殴ってやる!」


ミーナの姿が変化して全身に鱗を装飾した装甲込みの魔法少女服になる。


「蒼龍冷縛・龍突撃!」


魔力で形作られた龍の幻に冷気が伴って変態男に衝突し、視界が真っ白になるぐらいの冷気を噴き上げる。

白く煌めく冷気が流れると変態男が氷で手足を絡め取られて張り付けになっていた。


「ウッ、ホォォオオオー!」


咆哮と共に変態男の筋肉が膨れ上がって氷諸共にノースリーブがビリビリに破れる。

そして、膨れ上がった全身の筋肉で飛び上がったそれは、ミーナの頭上に落下しつつ拳を叩きつけた。


ミーナは咄嗟にかわして、元いた場所には土煙が立ち込める。


「ゴリラかよ!」


土煙のなかからかなりの風圧を伴って拳打が飛び出してきて、確りとミーナの鳩尾にめり込んだ。


「ウゴッ…」


ミーナはソウジだったら体重が程ほどあるからここまで軽々と吹っ飛ばされる事も無かったんだろうが、今はミーナの姿なので装甲込みでも体重は50kgない。何メートルか転がって膝を着いた。


「ウゥ…苦し、おえぇっ…オイ!お前のせいでせっかく食べた雑煮が出ちゃったじゃないか!」


「ウゥーホォッ!」


変態男は次々とボディーブローを撃ち込む。


しかし今度は鈍い音が響くだけだった。

なぜかと言えば、魔法少女服が破れてその下に覗く煌めく鱗が答えになるだろう。


ミーナは完全に生々しい鱗に覆われた拳を固く握る。


「蒼龍冷縛・逆上咆哮撃ぃ!」


完全な全部盛りだ。

冷気を纏い、魔力で形作った竜の形の極太ビームを拳に溜めて、変態の肉を穿つと同時に発射。さながら零距離連射ビームとなった拳は、下腹部から左右腎臓、肝臓、胃、心臓、肺、首そして最後に顎から上の順に殴り、極低温レーザーによって殴った箇所から肉を氷に変えて砕いていった。


「ふぅ…こんなに早く究極必殺技を出すはめになるとは、未熟でした」


ミーナは普段着に変身するのだった。


「やっぱり平和ね~」


「そうですか?一日に三回も戦うとは思ってませんでしたし、一日に三体も怪人が出る町は平和とは言えない気がしますよ?」


今日もアリシアは平和?だった。

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