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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
南北東で戦だそうです。
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元旦二周目

作者:「オビ=ワン・ケノービです」

レン:「あれ?君ってオビ=ワン・ケノービだったっけ?」

作者:「誤変換、お久しぶりです」

ジン:「どうなったら予測変換でオビ=ワン・ケノービが出るんだよ…」

作者:「更新不安定になることが増えると思いますが、お許しください」

家に帰ると不思議な顔のソフィアさんが出迎えてくれた。


「あれ、皆さんさっき出てったばっかりなのに早いですね…なにか忘れ物ですか?」


「へ?私達、昼前に出てから戻ってませんよ?」


「え?一緒にお昼食べましたよ?ソウジ君のご飯、おぞーに??美味しかったです」


「ソウジくーん、二周目のお昼はお雑煮で決まりましたよ」


「二周目?なんの事ですか?」


「まあまあ、その事は後で説明しますから…あ、ソフィアさん。ニューイヤーフェス行ってきましたよ?」


「フウカ、違う違う"イヤァァッ!"よ?」


「ケイトさん、"むみゃぁぉぅ"ですよ」


「ソウジ君、それもっと違いますから…」


ソフィアさんの方に向き直るとソフィアさんが目を開いたままブルブル震えている。


「そうでした…完全に忘れてた…大変、もしかして私クビになっちゃうかな…?」(チラ


ソフィアさんがじっと私の方を見てくる


「クビになっちゃうかも…」(チラ


なぜ、私を見るんですか


「クビになったら、今の部屋から追い出されちゃう…」(チラっ


私は少しため息をついてソウジ君に目配せする


「仕方ないですねー、俺が何とかしましょう!今からソフィアさんも連れて朝に戻ればなんの問題もないですよ!」


「なので多少遅刻しても大丈夫ですよ、ソフィアさん」


「そうですね…ありがとうございます」


ソフィアさんは若干、元気がなくなってしまった。何がまずかったのだろうか…職も家も失わずに済むのだから良いと思うんですが…


「じゃあ、さっそく朝まで飛びましょうか」


「リンちゃん達はどうするの?」


「我が説明しよう」


涼さんがうねうねしながら言う。


「まず我らの契約は時間的、座標的に互いを識別同定し、時空に捕らわれることはない。だから例えば未来からソウジが二三人やって来ても現代の我の契約者は現代のソウジになって、未来のソウジや過去のソウジと繋がる事はない。そして、ソウジが単独で過去または未来に行ったとしても我とソウジの間の繋がりは切れることはなく。テレパシーもできるし、時空を超えて召喚に応じることもできる。恐らくだが世界線を超えたとしても契約は繋がるはずだ」


「つまり私達はソウジ君の魔力を浪費しなくてもお母さん達の場所に瞬時に移動できるって事です」


リンが上手く纏めてくれた。


「へ、へー…」


「どこのエネルギーを利用しているかと言われれば、神具の契約に含まれるエネルギーなので…マトリクスレイヤー辺りから流用されているんじゃないかと」


「へ、へぇ?」


リンの説明に概念優先度の低い面々はポカーンとしている。

私とソウジ君は前世の知識と概念優先度の高さもあって案外すんなり理解できる。


「ま、何はともあれさっそく行きますよ『我、時を繰る者、我が意思の下、日の出の時へと繋ぐ穴を開け ボアホール』


「ボア?猪ってこと?」


「違いますよ。ボアには突き通すって意味があるんです。場所はどの辺にしましょうね…」


ソウジ君は銀色の光を灯した刀を抜く


「その辺で良いですよ?」


「じゃあ、さっそく時間の壁を切り開きますよ~」


ソウジ君は抜いた刀を金剛に構える。


「今さら思うけど時間を超えるために時間その物を剣で斬るって凄い大それたことよね」


「まあ、散々停めたり超えたりしてるんでいまさらですけど、ね!」


ソウジ君は、ね!って空間を切り裂いてパックリと銀色の裂け目を開いて見せた。


「ささ、行きますよー」


私は足早に裂け目を踏み越えた。


▽▲▽▲▽▲


「で、戻ってきた訳です。一周目の私たちは今頃着付け中でしょう。一周目のソフィアさんは二階でぐっすりです」


戻ってきた私たちは午前六時少し手前の一階談話室に居た。


「さ、ソフィアさん、今度は私が開きますから今のうちに自分の月光の竹林亭に」


私は念じて一時的に空間を繋げる。


「フウカさん、俺たちもそろそろ移動した方がいいですよ」


ケイトに続いてソウジ君が裂け目を抜けてきて、裂け目が閉じる。


「もうそんな時間ですか、じゃあ月光の竹林亭まで行きましょうか」


歪んで開いた穴にケイトとソフィアさんを押し込む。


「え、ちょっと、押さないでも行くから」


「わっとと、危ないですよー」


「ソウジ君も早く」


「じゃあ、行きますねー」


ソウジ君も軽やかに歪みを飛び越えていった。


「それじゃあ、私も…」


つと、私の肩に手が触れる


「ちょっと待って貰えますか?」


「ソウジ君?先に行ったんじゃ…」


ふと見れば歪みの向こうでソウジ君が微動だにせず固まっていた。


「ソウジ君の仕業ですか…」


「他に誰が時間を止められるって言うんですか?」


そこに佇むソウジ君は少し神妙な顔をしており、手には銀色のエストックを持っていた。


「で、何か用ですか?」


「俺からすれば随分久しぶりにこうして会えるんです。少しは余韻に浸る余裕を下さい…」


「私からすればこうして会うと言うのも当たり前の日常なんですが」


私はソウジ君の顔を覗くと、僅かに目元が潤んでいた。

未来に何があったのだろうか…近い将来に何かあるのだろうか


「ソウジ、これ以上は止めていても時間がない。巻き込みたくないなら、急げ」


滲むようにジンが現れた。


「ジン、あなたもですか」


「あぁ、俺はこの時代の俺じゃない。ソウジと協力して来るべき未来を守るために行動している」


「フウカさん、これから先の数か月は熾烈を極めます。その先の事、俺たちのしていることや戦局の展開、レンの事情…全てはこの手帳に、そしてアイーシャさんの記憶に記されています」


ソウジ君はハッキリと私を見据えると剣を抜く。


「フウカさん、この日常は俺が守ります。フウカさん、安心して深く深淵を覗いて下さい」


ソウジ君が言い終えると、まるで白昼夢でも見ていたかのようにソウジ君もジンも消えていた。


「フウカさん、何してるんですか?行きますよー」


振り返ればソウジ君達が歪みの向こうで待っている。

私は歪みを踏み越えた。


▲▽▲▽▲▽


そのあとソフィアさんは足早に帰っていき、残された私たちは特にすることもなく夜明け前の極寒の路地裏を歩いている。


「幸い私たちの装備は耐寒性能は高いので我慢できない寒さではないですけど、どうしますか?店も開いてませんし…やることもないですよ?」


私はポケットでケイトの手を握る。


「ゴロツキを狩ろうにも、こんだけ寒いと人なんか居ないし…」


「フウカさん、そう言う事言うと…」


──2分後──


「フウカさんが縁起でもないこと言うから不幸な人が量産されてるじゃないですか!」


私達の視界の恥でボロボロの毛布に包まった子供が壁際に追いやられており、この寒いのになぜかノースリーブの男性が顔を真っ赤にして千鳥足で歩み寄っている。


「アレはなんですかね…」


「孤児とゴロツキでしょ?この辺じゃ珍しくもない組み合わせよ」


「大方、子供に酔っ払いどもから金品を盗らせてきて、その何割かを取り上げる。そう言う事を生業にしてる類いでしょうね」


「フウカさん…ちょっと懲らしめて来て良いですか?」


「ダメですよ。生かしておく価値はありませんし、顔を覚えて因縁とか付けられたら厄介です」


「いや、フウカ…さすがに町のなかだし殺しはマズイわよ…」


「何度も殺ってるんですけどね…」


「じゃあ俺が行ってきます。幸い俺には変身薬と創着の術があるので顔を覚えられる事もないので」


そう言うとソウジ君はレン印の魔法薬を一気に飲み干して変身する。

ついでに服も作り替える。

女性体でも使える普段着に作り替えていた。


「この術使えるようになってからずっとやってみたかったんですよね~」


何をしたかったのかはわからないけど、私達は少し離れた所からソウジ君を見守る事にした。

まずもってソウジ君が負ける可能性はないから気楽に見る。


ソウジ君は態々羽を使って、建物の上に上がってからゴロツキを挟んで反対側に着地する。


「あいや、待たれぇい!!」


え、時代劇?


「新年始めから子供に暴力なんて、(レン)領主(ヴィンス)とフウカさんが許してもこの私が許しません!」


許してないんですけど…


「なんだよ、てめぇ。適当抜かしてっと売り飛ばすぞ!!」


「水龍の加護よ!」


掛け声と同時に発光して、体が蒼い鱗に包まれて、魔法少女風の衣装に変身する。


「蒼い鱗は秩序の印!蒼龍少女ミーナ」


いつの間に考えたのか決めポーズまであるらしい。


「下衆は今すぐ消え去りなさい!」


「なめたこと抜かしたこと後悔させてやる!」


ゴロツキはナイフを手に一気に踏み込み、ソウジ君もとい蒼龍少女ミーナはキラキラした光と一緒に左腕に鱗を発現させて、装甲にする。


「蒼鱗パリング」


涼さんの鱗と同質の装甲はナイフを無傷で拒み、弾き返す。

ミーナの右足を蒼い装甲が覆う。


「蒼鱗脚!」


装甲で覆われた脚はノースリーブ男の脇腹にめり込んだ。


「ぐはっ」


「蒼鱗拳!」


鱗が拳を覆い、硬質な輝きを放つ。

それでもって、拳を腹から順に上に上がるように撃ち込みまくる。

そして最後は…


「蒼龍、逆上撃ぃっ!」


鋼鉄をも凌ぐ硬度のアッパーカットが顎に刺さり、ゴロツキはなんメートルかふっとんで伸びてしまった。


「ふははは、秩序の拳は鉄より硬い!覚えとけ!」


とミーナはゴロツキを指差して言ったが、ゴロツキは脳を揺さぶられて既に意識はなかった。

ミーナは元の普段着に変身すると毛布に包まった子供に手を差し伸べた。


「さてと少年、大丈夫かい?」


毛布に包まった子供は取れそうなぐらい頭を縦に振った。


「そうだな…はいこれ。お年玉だよ。パンとか毛布を買うお金にでも使って、あと私の事は」


「もちろん内緒にします!」


「いや、噂にして?友達とかに教えてあげて」


その子は頭を縦に振った。

そしてミーナが戻ってきた。


「ソウジ君、魔法少女になりたかったんですか?」


「せっかく魔法とか変身とかできるんですから楽しまないと」


「にしてはかなり武闘派な戦いだったわね?」


「そこは初代に対する尊敬の念を込めてですよ」


「ソウジ君、一つ思ったんですけど今日って元旦なので、向こうで言えばそう言う日朝的な番組は年始特番でやってない事を考えると、タイミング的にどうなんですかね」


「別に良いじゃないですか!可愛いは正義なんですよ!」


「ソウジ君、それ自分で言ったら台無しですよ…」


私達は引き続き路地裏を進むのだった。

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