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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
南北東で戦だそうです。
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暴風雪、ゴウゴウと

いつの間にか外は真っ白になっていた。ヒュオーーって感じの寒そうな音を立てる風とボテボテと水っぽい雪が窓を打つ。


「はぁ、まずコンセプトをまとめましょう」


「僕はねぇ、連射できる砲が良いと思うよ!」


「俺はそうですね、一種類の弾でも挙動を調節できるように砲口に細工をして口径を変化させられるようにしたエネルギー砲が良いと思います」


「なるほ、ど?」


「ソウジ君、フウカ君どうもわかってないよコレ?」


◆◇◆◇◆◇

作者:「バレルと口径について知りたいってのはどこのどいつだ?」


ジン:「いや、ここはお前じゃなくてメイの出番だろ?」


作者:「シャラーップ!銃と刃物については事欠かない犯罪者予備軍をおいて誰がこの説明に相応しいだろうか、いやない!と言うことで…」


ジン:「※この先長文での説明が続きます、バレルとライフリングの意義についての説明に興味のない方は読み飛ばして下さい。なんで俺が読まなきゃならんのだ…」


作者:「そもそもバレルには弾丸の軌道を補助する役割があり、これが長いほど軌道が安定して上下左右にぶれにくくなる。コレを特化させたのがいわゆるライフルと呼ばれる狙撃銃にあたる。逆にバレルを短く切り詰めれば軌道にバラツキが生まれて散弾のような弾丸の場合は広範囲に弾を発射できるようになる。これを流用突き詰めた物がソードオフショットガンと呼ばれる銃で、名前の通りショットガンのバレルを切り落とした形をしている。その凶悪な散弾の広がり方から一部規制されてたりもする。また、水を流したホース思い出して欲しいけど先端が細くなるほど勢い良く遠くに飛ぶでしょ?あれは入り口に対して出口が小さいことで先端部分の流体に対して後ろから押し出されるエネルギーが強く掛かることで、解放された箇所から勢い良く飛び出してるんだ。また、銃身には弾丸をより真っ直ぐ飛ばす為にライフリングと言う螺旋状に溝を彫る加工が施されていて、溝を彫ることで弾丸に重心が触れる箇所と触れない箇所が生まれることで摩擦力に差が生まれる。摩擦力の差によって弾丸は回転し、回転がもたらすジャイロ効果によって横からの力に強くなり真っ直ぐ飛びやすくなる。また回転がつくことでより肉を抉り安くなって殺傷性能も上がって」


ジン:「ストォォーップ!長いっ!!」


作者:「えー、まだ殺傷性能の話に入った所なのに…」


ジン:「うるさい!そんな豆知識何に使えるんだよ!」


作者:「豆鉄砲に…(^ー^)」


◆◇◆◇◆◇


「と言うことでわかった?」


「まあ、だいたいは…でもエネルギー砲にライフリングって要るんですか?」


「フウカ君、例えエネルギーの塊と表現されても打ち出すものは粒子だよ。エネルギーは物質を伴わないと影響力を持たないからね、この場合は魔力がそれにあたる。それが粒子で実体があるなら摩擦力は発生しうる。ジャイロ効果もあれば、指向性の付与も可能だよ」


「なるほど?つまり、魔力は実体のある粒子なんですね」


「まあ、分かりやすく言えば電子に近い物ではあるよ。正確には色々違うんだけどまあそんな感じって事だよ」


「なるほどな、そう言う感じなのか…じゃああの魔水晶はなんなんだ?」


「魔力を可視化したオブジェクトの集合体でしょ?」


「なるほどな~オブジェクト?今、聞き捨てならない言葉を聞いた気がするお前オブジェクトって言ったか!?」


「言ったね」


「あ、神具の命令文が機械的だったのはそう言う事か」


「そうだね、基本はプログラム制御の世界だからね。君らのよく知るVRの世界みたいなもんだよ?」


レンの一言で私の中で一つ靄が爆ぜる。


WSSにより制御された文明シミュレーション、リアルを完全にコンピューターの中で再現した仮想世界において人間について研究している。

魔力はレンとアイーシャさんが作り出した、重ね合わせの分子に付与されるプロパティの一つ。原子の構造をフレキシブルに変化させられ、あらゆる現象を再現できる。

それを引き起こすのは概念優先度と魄を通じてシステムに刻まれる意志の発露。


「な、なるほど…確かに…だとしたら、魔力は本来枯渇するような物じゃないんですね」


「まあ、基本的にそうだね。でも、君は何度か枯渇させたよね」


思い返してみる


「いや、一回だけです。海流討伐の時に一回だけです。それに使えなくしただけで完全に消滅させた訳ではないです」


「まあ、なんでもいいよ。重要なのは魔力もまた物理法則の影響を受ける万物の一つであるってことだし、それより問題はどんな砲にするかだよ。僕はやっぱり水晶球の効果を増強・補助する大砲が良いと思うよ」


「水晶球を使うんだったら、種類の切り替え以外にも補助魔法を組み込めそうだな…念のため砲口にも細工をして水晶球の制御なしでも撃てるようにしましょう」


「あとさ、魔水晶だっけ?の装填はカートリッジ式にしようよザラザラ流し込むのは時間かかるでしょ?」


「確かにそれいいですね!レンにしては名案です!」


「レンにしてはって…僕これでも一応神様だよ?偉いかどうかはさておいても神様だよ?」


「神様ねぇ…まあ、それはさておきだいたい見えてきましたね、理想の主砲」


「じゃあ次は外見だね!メカチックな方が威圧感あるよね」


「敢えて古めかしくしてカモフラージュをつければ敵の意表をつけますよ?フウカさんはどんなのが良いと思いますか?」


一方で脳内会議では


『私は近未来的なヤツがいいと思う、だってカッコいいもん!立派だよ?』


ルミの背後に某宇宙戦艦の46cm砲をモチーフにしたと思われるメカチックなのが現れる。


『って、ソウジの話聞いてた?敢えてのアンティーク調もいいんじゃないの?アイーシャさんはどう思います?』


メイの背後には近代的な砲身が迫り上がってくる。明らかにデカイ、列車砲だった。


『私はねぇ、そうだな…うーん、コンパクトでスマートなのが良いと思うよ』


アイーシャさんの後ろには砲身も何もあったもんじゃないひたすら四角い箱が現れる。


『そもそもですね、ソウジ君の考え自体が前時代的な考えに依存した発送なのです。今時態々砲兵が標準しやすいように工夫するなど愚の骨頂なのです』


『アイーシャさんが…』


『暴走したぞー!』


『そもそも魔法制御で標準など必要もないのですから、態々そんなことを考えず感覚制御のホーミング弾にしてしまいなさい!』


『あのー、それって敵を判別、自動で狙えるように魔法を組み立てなきゃいけないって事ですよね?』


『確かに…今までは「我が意思に沿い」の一文がそれをなしてましたけど、今回は水晶球を用いてかつ大砲からの発動なので、構文ないの我が意思の指し示す物がどこに位置するかがわかりませんね』


『そこを何とかするのがフウカの役目よ』


(えー、私ですか…)


「フウカ君、フウカ君?起きてる?なに考えてる、え?妄想してる?ま、まさか僕の肢体をそんな…」


「うるさい…」


私は目の前のうるさい神を手の甲で排除する。


「あぁ!痛い…なんてことするのさ!」


「だいたい砲身のデザインは決まりました。近代風で行きましょう」


『いぃっやったー!私の勝ちですね!見ましたか?これがオタクの布教力です!』


普段静かなメイさんが叫んでる、ちょっと頭が痛い。


「砲弾に強化魔法を施すために以前アトラスを粉砕した時と同じような形態を取らせます」


「アレでしょ?デカイ矢が何枚も魔法陣をぶち抜いてって最後に敵にズドーンみたいなやつ」


「それです。それを使って砲弾にホーミング性能をつけますよ」


「ソウジ君、砲身の意味がなくなったよ」


「いえ、砲身にも意味があります。補助魔法の魔法陣を同一の軌道上に配置するには人間であっても集中が必要です。その配置のガイドラインとして必要です」


「なるほどね。砲身に沿って飛んで順調に強化された弾が自動的に空を飛んで、敵を撃つと…合理的な兵器だね。僕は本体を担当するよ。ソウジ君は魔法を伝達する回路、フウカ君は魔法全般をやってよ」


「ま、それが妥当か。じゃあフウカさん、魔法の方はお願いします」


「そっちも喧嘩しないで上手くやってくださいよ?」


「僕は喧嘩しないよ?だって、神様が人間と張り合ったらカッコ悪いじゃん。心は広くないとね♪」


さっそく荒れそうだが、こうしてレン、ソウジ、フウカの珍しい組み合わせ?による主砲開発が始まるのであった。


▼△▼△▼△


一方で…


「えっとねとりあえず、肉は適当に焼く、塩とコショウで焼けば美味しいから!」


ケイトはフライパンに豪快に切り落とした肉を並べて焼いていた。


「うむ、真理だな」


「我は魚が嬉しいぞ…」


三匹いや、一匹と一羽と見かけ上一人はケイトが普段の気品とかけ離れた料理をするのを見ていた。


「でと、リンの方はどう?シチュー上手くできそう?」


「だいぶできました。これから仕上げです、お母さんが胃袋を掴む魔法の言葉を教えてくれました」


それは普通にミルクシチューだった。

野菜はゴロゴロ、肉もゴロゴロ、芋は…形を失ったが普通のシチューを寸胴で作っていた。


『おいしくなーれ、おいしくなーれ、あなたは心を掴む者、あなたはゾウを掴む腕、あなたはとっても美味しいシチューの妖精さん、おいしくなーれ、おいしくなーれ』


エルは思い出したように顔を背けた。


『やけに魔力の籠った魔法の言葉だ。まるで…呪文だな!きっと美味しいシチューになるぞ』


『お母さんが教えてくれた魔法ですから』


「そっかそっか、じゃあ間違いないね。フウカは魔法は天才的だからね。サラダの方はどう?」


「盛り付けはできたぞ?」


エルは以外と器用にサラダを山高に盛り付けていた。


「ちょっと待っとれよ?今な?ドレッシングを混ぜとるんだ、ええいっ!このスプーン、ヒレじゃ持ちにくいなぁ…よし、できた!」


涼は出来上がったドレッシングを水を操る力で持ってサラダにかけていく。


「最初からその力で作れば良いのに」


「我もそう思っとった」


ケイトとエルがうんうんと頷き、涼は頭の内の幾つかで頷いて


「確かに…」と呟いた


「よし、肉も焼けたし、ソース作っちゃうね?リンはパンを軽くトーストにして?」


「はーい」


「さてと、涼さんが時々盗み飲みしてるらしいワインの出番ね」


ケイトはそこら辺の調味料で適当にソースを作り始める。


「ふむ?肉汁のフライパンにワインと市販のケチャップか…うまそうだ。玉ねぎ入れるか?」


「いつもなら入れないけど?入れよっか」


エルは人型に化けると玉ねぎを左手に持ち、右手側に刃羽を用意する。


「玉ねぎは先端を落として、根本を切らないように縦に切れ込み入れて、刃を寝かせて横に切れ込み入れて、刻んで微塵切りだ」


涼はソウジの記憶を参照してアドバイスを飛ばす


「なんか癪だが…」


エルも料理でソウジに楯突くつもりもないため言われた通りに羽根を動かしてフランスパンの上で玉ねぎを微塵切りにしていく


ついで涼はリンに指示を出す


「フランスパンは45°~60°ぐらい角度を付けて切ってよいぞ」


「うーん、このナイフ切れ味悪い…」


リンは空気を圧縮して羽の短剣を作る。


「超振動で綺麗に切れます」


「フランスパンは少し厚めに3cmぐらいが食べ応えがあって良いらしいぞ」


「3cmぐらいですね」


リンは思念操作でフランスパンを斜めに切り落として行く。


「こんなもんですか?」


「うむ、みたいだ。ひっくり返しながら炙るぐらいでいいらしい」


「はーい」


そんなこんなで見かけ上二人と一匹と一羽による晩御飯は完成した。


▼△▼△▼△


「晩御飯できたよ!」


唸る談話室にリンは鈴のような声を響かせた。


「へ?リンちゃん作ったの?」


ソウジ君が驚いている。


「えへへ、リンだけじゃなくておじさんと涼さんも頑張ったんだよ?」


「そっか…涼は何を作ったのやら…自分で作ってないご飯って言うのも新鮮で楽しみだよ」


「リンはシチュー作ったんだ!ソウジさんの胃袋掴んじゃうよ?」


「そっかそっか、期待しとくよ~」


「じゃあ、リンの作ったシチューを食べに行きましょうか」


「そうそう、お母さんに教わった料理がおいしくなる魔法の言葉言ったよ?」


「うんうん、美味しくなーれ美味しくなーれってね~」


「ね~」


で、とりあえず全員と一柱が食卓を囲んだ。当然、以前レンが置いていった中華テーブルだ。


「にしても前に来たときより大所帯になったね~」


「そうですね、あなたここ最近はほぼ毎日来てるじゃないですか」


「そうだっけ?まあ、些細な事でしょ?なんだかんだでソウジ君もすっかり馴染んだし」


「馴染んだって言ってもいつまでも居候って訳にもいかないでしょうけどね?」


ソウジ君は私とケイトをじっと見て言った。


「別に仲間なんだし気にしなくて良いのに、それに…愛の巣を気にしてるなら心配ないわよ?もうできてるから♪」


「愛の巣って何ですか?」


リンのピュアな視線が非常に鋭利だった。


私はなんとか話を逸らそうとシチューを口に運んだ。


「あ、小娘!そのシチューは…」


「あ、ホントに美味しい」


「でしょ?リン、頑張ったもん!」


「エルさんも食べたかったんですか?」


「いや、いい…喉から手が出たとしても何も見なかったことにしてやるから、安心しろ?」


エルは肉を咥えるとそそくさと壱なる門のある地下室へ向かって飛び去ってしまった。


「喉から手が出るほど欲しいのはエルさんだと思うんですけどね。でもリンもお料理するのか~私、料理はできないからな~」


「そう言えば、僕もフウカ君が料理してるところは見たことないな…」


「なんなら教えましょうか?」


ソウジ君がさらっと言う。

こういう時の彼は結構美形に見える、なんと言うか自然な感じが好印象だ。


「まあ、とりあえず良いです」


「そうですか、でもリンちゃんは成長が早いですね…あっという間に身長とかも抜かれちゃいそうだ」


ソウジ君もシチューを食べる


「えへへ、リンもそろそろノアちゃんより身長高くなったんじゃないかと思うんだ」


「そっか~確かに最近急に身長伸びたもんね~」


最初に生まれた時、2m小だったが今では4m近くなっているまだ雛鳥なのにだ。


「リンちゃんはホントに大人びたね~もうトリッ〇〇って呼べないね」


「呼ばなくてよろしくてよ!えへへ、大人っぽいかも」


「ケイトちゃん、リンちゃんが変な方向に目覚めそうだけどこれ大丈夫なの?」


「とりあえず良いでしょ」


「そっかー」


レンはシチューを口に運んだ。


「ん?なんだろ、お腹に違和感が…」


私はお腹に感じる謎な圧迫感からお腹に手を当てる。

すると隣でソウジ君がお腹を抱えて倒れる


「イタタタ、何コレ…内臓つねられてるみたいな痛み、俺今は男だから生理はあり得ないのにぃィィイイッ」


ソウジ君は涙目でお腹を抱えて床で踞る。


「まるで芋虫、無様だ、ね?あれ?痛っ、イタイよ!?なんで?まるで胃袋を捕まれてるかのよう…ナニコれぇ…」


レンもまた腹を抱えて踞る。


「そう言えば胃袋を掴む料理の為にマジックハンドっていう魔物を擬似的に再現する魔法を組んだんでしたね」


「なにそれ…意味間違ってるよ…」


「それを早く教えてほしかった…ってフウカさん、なんで平気なんですか?」


「なんででしょうね。違和感はありますけど大して痛くないので」


「フウカ君…痛覚おかしいんじゃない…?」


「そうですか?こんなの、大したことないですよ~それよりシチューが美味しいから私は食べますよ?」


「あはは…母は剛ってことか…」


「強しな!剛は男だ…」


こうして男二人は長い眠りに着くことになるのだった。

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