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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
南北東で戦だそうです。
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集う足跡

作者:「先週、無断で更新サボってすいませんでした!」


ジン:「ゆるさん(笑」


作者:「ひぇー、お許し下さいお代寛さまー」

「本日は家のペットがご迷惑をお掛けし大変申し訳ございませんでした!これ、詰まらない物ですが、よろしければお納めくださいまし」


エルは深々と頭を下げていた。

相手の方はそれを腕組みして見下ろしていた。


かなりご立腹だった。


「お宅のペットが暴れたせいで家の庭も散らかったし、壁に傷でもついてたらどうしてくれるつもりなんですか?」


「私の精一杯の努力でもって修繕させてもらいます」


「これだから冒険者風情は屋敷なんかに住むべきじゃないんだ。いや、いっそ町にいない方がスッキリするな」


整った服装のいかにも中産市民階級の男は隣の屋敷の家主だ。


エルはと言うと


(消し飛ばしても良いだろうか…魚野郎なんかの足下にも及ばないクズだ)


と考えつつ、頭を下げている。


「で?お詫びの金は?私は違法な魔物を飼ってると警備兵に突き出しても構わないんですよ」


「…この…」


エルは確りとその男の顔を見据え、魔力を練り始めていた。


「そうですか、お金を払えば許して下さるんですね?」


「(ケ、ケイト?)」


「(大丈夫、大丈夫。こういうやつはそんなもの使わなくても簡単よ)」


「当然だ。まあ、ただお前らみたいな下賎な冒険者風情に家の修繕費が払えればだな」


「そうね~まあ、ざっと見積もっても金貨で6000枚ぐらいあれば足りそうね。あ、そう言えばフィリップさんは新聞社を経営されてるんでしたね。最新の印刷機を導入したことで安く質のいい新聞を大量に作れてかなり儲けたって聞きましたよ」


「そうだが、今はそんなことは関係ないだろ?」


「いえ、ふと思い出しただけです。で、どうします?6000で良いなら直ぐにでも用意しますよ?なんなら家の精鋭の魔法強化も付けましょうか?家は今、余裕があるので」


「なら直ぐにでも払ってもらおうか?金貨6000枚!」


ケイトはウエストポーチから大きな袋と小さな袋10個を引きずり出す。


「ほら、金貨で6000枚よ?気になるなら自分で数えたら?足りなかったら何枚足りなかったか改めて教えに来て?エルさん、次行くわよ?家の右隣と後ろ側の家も回らなきゃだから急ぐよ」


「あ、あぁ」


ケイトは振り替えることもなく堂々と前を進む


「しかし、あんな簡単に払って良かったのか?それで嘗められたら次はどんな要求をしてくるか」


「大丈夫よ。向こうにだってプライドはあるわ。冒険者風情にせびるようなことはできないんじゃないかな?彼の会社今は儲かってるしね」


「そういうものか?」


「ええ、そういうものよ彼はきっと大局を見失うような人じゃないの」


「見失ったらどうなるんじゃ?」


「うーん、そうねー…新聞社に紙を卸してる所を買収したり、ボーイを買収したり、潰しちゃうのは簡単よ」


微笑みながら次の家に向かって堂々と歩いていった。


▼△▼△▼△


で、私は掃除を終えて談話室で宙に浮いたまま膝を抱えていた。


『あのー、無重力体験してる手伝ってくれませんか?…まあ、入り口が塞がっただけで良かったわ。中まで水浸しだったらケイトさんになに言われるかわからなかった…』


『それに関しては返す言葉もない。すまん』


廊下の奥から掃除するソウジ君の声が聞こえてくる。


「主砲…主砲か~…主砲って言うとな~」


『主砲!そうこれこそロマンだよな!』


『主砲ね~、私はそう言うのさっぱりなんだよね~』


『主砲…ご立派なのかな…』


『そうそうご立派なんだよ!』


『ルミちゃん、たぶん指してる物と意味が違うよ』


◆◇◆◇◆◇


ジン:「ご立派様?」


レン:「違うよ、君のは小立派様だよ」


作者:「小立派って何さ」


レン:「何さって?ナニさ」


◆◇◆◇◆◇


「ぶふっ、ダメダメ。主砲ってそれじゃない!」


『えー、ご立派なのに…』


『メイちゃん虫も殺さないような顔して、こんなご立派なのを経験してるなんて、隅におけないな~』


『ご立派ぁ?』


ルミは何を話しているのかわかっていないようだった。


『イヤイヤイヤイヤ、違いますよ?そう言うネタです。ネットスラングです、そんな経験だなんて嫌だな~』


『だってでも経験が何かは解るんでしょ?』


『ホント違いますよ!?本で読んだだけですから!』


『まあまあ、脱がせて見れば判ることだよ』


どうやら、アイーシャさんの悪ノリが始まったみたいだから私は脳内会議に耳を貸すのを止めた。


「さて、主砲…主砲ね…」


私の脳内には


ご立派ァ!!


が出てきてしまって思考は全然纏まらない。

それもこれもメイさんのせいだ。

仕方ないと言うことで私はおとなしく抱えていた足を下ろし、部屋を出る。


「ソウジ君~ソウジ君?、主砲ってどんなのが良いと思う?」


「あの、今の状況でそう言うこと言いますか?」


「うん、手は動かしたままで口だけ貸して?」


「あ、はい…でも主砲って言っても色々ありますし…戦艦のですよね?なら普通に大砲じゃないんですか?」


「それが魔導機関砲だーってミゼリアさんが言い張ってて、魔導機関砲ってそもそもなんなのか…」


『機関砲とは40mm以上の砲弾を連射する事を目的とした銃砲を言いますよ』


『おー、流石メイ!ご立派ァ!』


『ルミちゃん、使い方が間違ってるよ…』


『え、そうなんすか?アイーシャさん』


『そうなのよ、ここにはご立派様を持ってる人はいないからね?』


「でも、魔法をどかどか連射できたら強そうですよね。機関砲なら人間が撃つのは躊躇われるような魔法もバンバン撃てるんじゃないですか?」


「人間が撃つのが躊躇われる魔法…どのぐらいのサイズのクレーターができるぐらいの威力からですか?」


「まあ、魔法には詳しくないんでわかんないですけど、エルさんのアレ…風を圧縮してドーンってするやつは人が撃っちゃダメな類いだと思いますよ?」


「そっか~」


「もちろん俺とかフウカさんは転生者でなんか色々規格外なんでノーカンですけど、フウカさんの魔法って人間が撃つのは躊躇われるレベルのが多いですよね?ケルビンの平原に大穴を作ったって聞きましたよ?」


「クレーターね?ちょっと抉れただけだよ」


「まあ、抉るぐらいの魔法をバカスカ撃てるレベルの機関砲がベストじゃないですか?物理弾である必要があるならそれはそれですけど…」


「そっか~、あ、手は動かしてて?」


「はい…でも、フウカさん。もう少し手伝ってくれませんか?」


「私、外壁やりましたよ?」


「はい、廊下の掃除しますね」


ソウジ君は雑巾とブラシを持って階段を磨きながら下りていった。

私はノソノソと談話室に戻り、再び足を抱える


「でも砲かー、砲である必要がないし…」


「砲?ナニナニ?面白い事?」


肩にレンの手が触れた。


「触らないでくれます?」


「あ、うん。ねぇ、砲ってなんのこと?」


「依頼です、戦艦の主砲を作って欲しいって…って、なんで貴方に話さなきゃいけないんですか?」


「ん?僕が神だから。さ、迷える子羊よ、神の御前に悩みを述べてみよ~」


レンは神っぽいポーズなのか、ちょっと浮いて両手を広げている。


「えっとね~リンはもっと大きくなりたい!」


「そっかそっか、お祈りあるのみだね~」


「むぅっ、リンもおっきいおっぱい欲しい!」


「うんうん、リンちゃんはそのままが可愛いよ、うん」


「お母さん!あの人全然お願い聞いてくれない!」


リンが抱きついてきたから私は再び足を床に下ろした。


「あははは、ごめんね~でも僕、悩みを述べてみよとは言ったけど願いを叶えるとは言ってないもん♪」


「意地悪ですね」


「でも神なんて大概そんなもんなんだよ。わかるでしょ?」


「まあ、そうですね」


「で、悩みは?」


「そうですね…主砲が砲である理由が知りたいです」


「あはは、哲学的だね~でも僕が思うに人の身を超えた破壊を生み出すためだと僕は思うよ?砲だったら火薬とかライフリングとか素材次第では、再現なく威力を高められるでしょ?そう言う理由だと僕は思うな~」


「なるほ…ど?」


「例えばさ?君が前に使った大魔術、あのあと君は魔力切れで倒れたでしょ?普通の人間じゃまずできない芸当だけど、大砲に端から魔力を詰めといてそれを水晶球で発動するだけにしとけば、魔力が切れるまではノーリスクで撃てる訳でしょ?君が一発で力尽きた魔法を連射できるって考えたら強そうでしょ?」


「今ならたぶん連射できますよ?」


「そう言う問題じゃなくて、兵士の負担が小さくなるでしょ?そしたらその分他に当てられて効率良いと思わない?」


「確かにそれはそうですね」


「だから道具を用いた効率化は必要なんだよ」


「必用かどうかはわかりませんが、利点はありますね」


「それに立派な砲は見た目で威圧感あるし、権力の誇示とか色々意味が出るからあった方がいいよ」


「そうなんですか…立派な砲…ご立派な砲がいいんですよね…」


「ご立派が良いかはまた別問題だけどね」


「うーん、まあやるだけやるのはいいですね…」


「そうそう頑張ろー。で何からやる?」


「ん?」


「だから何からやろうか?」


「貴方もやるつもりですか?」


「そうだよ?物作りって言ったらやっぱ僕でしょ!」


自信強めでいい放った神を見ると私は頭が痛くなってきた。


「さ、頑張ってご立派な砲を作ろう!」


「はぁ、ホントに遠慮して欲しいんですけど…」


「んー、ヤダ。あ、そうだソウジ君にも協力してもらおうよ?三人よればもんじゃ焼きでしょ!」


「文殊の知恵ですよ!」


「あれ、そうだっけ?」


レンの頭上からもんじゃ焼きが転がり落ちて床に張り付いた。

私はとりあえずレンの頭を叩く事にした。


◆◇◆◇◆◇


レン:「あ、叩いてもいいけど熱々のもんじゃ焼きに注意してね!」


作者:「食らえ、お好み返し!」


ジン:「なんだその技」


作者:「お好み焼きを引っくり返せる」


レン:「アッツ!もんじゃ焼き、熱っ!火傷する火傷する、毛根が焼け死ぬかと思ったよ!」


ジン:「じゃあなんで頭に乗せたんだよ」


◆◇◆◇◆◇


で、ケイトとエルは…


「なぁ、家の周り空き家多くないか?」


というのも後ろの家の三軒の内二軒が空き家だった。


「まあ、古い区画だし。家も最初はボロボロだったのを皆で治したんだし(主にチャーリーが…)」


「ふむ、我が壱な門から出たときには既に今の状態だったから前の事はわからんが、まあ想像するに容易いな」


「でしょ?家を買ったときはたまたま纏まったお金があっただけで、今みたいにそこまで余裕があったわけでもないしね」


「その割には新進気鋭の冒険者パーティーだろうに」


「転生者の恩恵ってやつなんだろうね」


「だろうな。だが、それを掴んだのも活かしたのもケイトだろう?」


「どうだろうね。私は偶然、フウカと出会っただけよ?私が居なくてもフウカは今みたいに冒険者として駆け上がっただろうし、大金も稼いだでしょうね」


「それはどうだろうな…フウカは、ハッキリ言って専門分野に特化したタイプだ。何かにハマってないと生きていけない質だ。字も読めなければ、料理もできない、人里の場所もわからず、記憶もなければ、身分も金もない。そんなフウカがアリシアにたどり着き、今まで生き長らえられたのは一重にケイトが居たからだろう」


「まあ、私があの二人に少しでも役に立ててるなら、良いんだけどね?」


「立っているだろう?ケイトは家主で、こうして近所付き合いもしているのだからな?ソウジなんかは近所付き合いはダメだと思うぞ?引きこもりそうだ」


「あはは、確かにね。でも珍しいわね?エルさんが誰かを誉めるなんて」


「我はただ思った事を言ってみただけだ。いつも通り風が赴くがままに生きる、それがロック鳥の生き方さの」


そこまで言うとエルは気恥ずかしくなったのか鳥型に戻って、飛び去ってしまった。


「ふふふ、どうせ夕飯には戻ってくるのに逃げてどうするのかしら…」


ケイトもまた神と嫁と居候がガチャガチャご立派な主砲を製作する家に戻るのだった。

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