落ちた森は鬼人がいっぱい
書き直しました。
私はただ青く澄んだ大空を落ちていた。
要するにスカイダイビングだ。
これが普通にインストラクターがいてパラシュートがあったら最高だろう、しかし実際インストラクターはいないしパラシュートがついてる訳でもない。
私はただ運を信じるしかなかった。
下には地球ではそれこそ青木ヶ原樹海とかに行かないと見れないほどの広さの自然が広がっていた、少し離れたところに町が見える。
私の下にはキラキラと輝く水面がある、あまり大きくない湖だ。
湖底が透けて見える貧栄養湖。
湖底にゴツゴツした岩が幾つもある、辺りどころが悪ければ即死とは言わなくても悶え苦しんだ末に死ぬだろう。
私は死を覚悟する
すると私の周りの風と光が集まり一対の翼を形作る。
その翼は優雅に羽ばたき、私の落下速度を落とした。
私は2m ほどの高さで止まり、止まると同時に翼が消滅して湖に落下した。
上から見たとおりとても透き通った綺麗な水だ
水温はそれほど高くなく、16℃ほどだ。
▲▽▲▽▲▽▲▽
私は湖からあがって、着替える為に衣類を取りだそうとトランクを開ける。
中に水は一滴も入っておらず、レンの言った通り三畳ほどの空間が広がっており中身もレンの言った通りだ。
私は中から衣類をを取り出す。
入っていたのは、白いブラウス数着と白を基調としてところどころ金で装飾されたコートと白いロングスカートと白いミニスカートと白いショートパンツと白いドレスと革製のロングブーツと白を基調とした下着類一式だ。
なぜここまで白推しなのか、もっと色んな色があってもいいと思う
私はその中からブラウスとコートとショートパンツとロングブーツと普通の下着を取り出して着替えた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
作者:「普通の下着ってどんな下着?」
レン:「あれだよ、ガーターベルト付きのスッケスケのやつじゃない?」
フウ:「普通にし○むらで売ってるやつです」
作者:「自分の下着を暴露してるけど、そういう趣味の人?」
レン:「そんなチープな量産品と一緒にしないでくれる?原材料が違うの!でも野外で何も気にせずに着替えられるって君、本当に女の子?」
作者:「レン君そういう趣味の人なの。人の趣味をそういう風に言ったら失礼でしょ?」
レン:「すいませんでした。そういう趣味の人」
フウ:「別にそういう趣味じゃないですよ!別に女子だって視線がなければ野外で着替えます!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
そして私はさらにトランクから手紙と地図と杖と槍と短剣を二本取り出した。
「支給品にしては品質がいいな」
▲▽▲▽▲▽▲▽
フウカが湖で着替えている頃、森の浅いところで……
「なんでこんなところにオーガがいるんだよ!!」
そう叫びながらオーガを手に持った長剣で切り伏せる二十歳ぐらいの男の名はカイン
ランクCの冒険者だ。
「オーガの棲みかの鬼人の森に来てるんだから鬼人ぐらいいるんじゃない?」
カインの叫びに冷静に答えつつ呪文詠唱を開始する
『水よ汝矢なりて飛べ ウォーターアロー』
彼の杖の周りの魔力が集まり10本の水の矢を形成してオーガに向かって飛び、オーガをズタズタにする。
ズタズタにされたオーガは血を流しすぎて倒れた。
オーガをズタズタにしたローブを着て杖を持った二十歳ぐらいの男の名はジム。
カインとパーティーを組んでいる冒険者だ。こちらもランクはC。
そしてズタズタにされたオーガの後ろにいたオーガに向かって輝跡が伸びるそして輝跡の先にいたオーガは一瞬の内に四肢を切り落とされ絶命した。
その輝跡の先にいたのは、こちらも二十歳ぐらいの女性ケイト、カインとジムから依頼され臨時パーティーを組んでいる冒険者だ。こちらもランクはC
「そうね、確かにこんな浅いところで出てくるのは、珍しいわね」
ケイトは近くのオーガを斬り殺す
『我死を司る一族の末裔、彼の死者の魂と意思を縛り呼び戻し我が下僕とす 屍者繰り』
ジムの杖に紫色の光が集まりオーガの死体に飛びオーガの中に入る
オーガがゆっくり立ち上がり生きたオーガに棍棒を振り下ろす。
ジムは次々詠唱する
カインはジムに近づくオーガを斬り伏せる
そうして彼らは森の奥へと進んで行く
オーガの集団が向かってくる
こっちからもゾンビオーガの集団が走っていく
ゾンビとオーガが衝突するゾンビは潰れて活動を停止した
オーガ達は所々負傷したところを気にしている
ジムから紫色の光が飛びオーガ達から命を吸い出し死を振りまく
傷の少ないゾンビオーガが新しく五体作成された
カイン達は森の中を戦いながら進んでいった。
▲▽▲▽▲▽▲▽
一方その頃、フウカは手紙を読んでいた。
『やぁ、着替え終えた頃かな?衣服は君に似合いそうな白を基調にして見た。』
何を根拠に私に似合うと決めたのかサッパリわからない
『本題だけど武器がいくつか入っているはずだけどその中に特殊なものが一つある、そう杖だよ。杖は空気中の魔力に干渉する為に使う道具でこの世界の人間は杖を使って空気中の魔力を利用して魔法を使用している。その杖の先端あたりにある直径8cmほどのガラス質の球体それは『水晶球』と言ってこの世界エリアスではかなり発展している技術だ。』
そういえば魔法が使えるって言ってたっけ
『魔力のこもった結晶に呪文や魔法や魔力を入れて水晶球そのものに効果を持たせるという技術だ。その大きな水晶球は手をかざすと君の魔力量や魔法の適性を教えてくれる。その他にも二三常時発動型の効果が入ってるけど』
レンにしては気が効く、どうせなら落下地点変えたり最初からパラシュート渡しておくとかあの風の翼で移動できるようにするとかして欲しかった
『炎に適性があるなら赤、水なら青、風なら緑、雷なら黄、土なら金、光りなら白、影なら黒、空間魔法は藤色、時間魔法は銀色、死霊魔法なら紫、神聖魔法なら虹色と言った風にね。』
金色と黄色は違いがわかりにくい気がする
『それに魔力の量によって光の強さが違う、多い程強く光るから』
へーわかりにくいシステムだこと、どうせなら数値化してほしいな
『1cmの水晶球は全部の武器についてる、それに町の武器屋でも売ってるはずだから、気にして見ると面白いかもね。それと杖関連で、魔法の原理だけど。空気中の魔力に自分の使いたい魔法のイメージを言葉にして、その言葉に魔力を乗せて発して空気中の魔力に伝えることで魔法を発動させる、これが原理だよ。でも最近の人間は杖がないと使えなくなってるらしいから人前では杖を使ってね、『風よ汝、鋭利なる刃なりその刃をもって我が前に立ち塞が るものを切り裂け ウインドスラッシュ』こんな感じで呪文を詠唱すればいいよ。じゃあ頑張って。
レンより』
私は杖の先端の水晶球に手をかざす。
水晶球は、まずは緑色に強く光り、次に青色にさっきよりは弱いが強く光り、最後に藤色に強く光った。
「私は風と空間と水に強い適性有りか……取り敢えず使って見よう」
私はレンの手紙に書いてあった呪文を詠唱する。
『風よ汝鋭利なる刃なりその刃をもって我が前に立ち塞がるものを切り裂け ウインドスラッシュ』
わたしの周りに風が発生し集まり風の刃を形作り私の前の木に向かって飛び木の幹を切り裂いた。
「こんな感じか…勝手に何かを吸いとられる感じだったな……」
どうやら魔法は、意識して呪文を詠唱することで杖が勝手に魔力を吸って発動してくれる何かを吸われる感じがするのは自分の魔力も杖が吸ってるから、私はそういう理解をした。
「取り敢えず森を出ないと……」
私は立ち上がり槍を背負い短剣を懐に入れて杖を持って森に向かって歩きだした。
▲▽▲▽▲▽▲▽
カインたちは、湖まであと少しのところまで来ていた。
「くっ…増えてきたな…」
カインはそう呟きながらオーガの首を切り飛ばす。
「ゾンビ君達、カインの援護に回って」
ジムは死霊魔法で作り出したオーガのゾンビに指示を出して詠唱を開始する。
『死よ汝、我に従えるもの、我に仇なすものに死をもたら…「バキッ」』
ジムはオーガによって降り下ろされた棍棒によって血と骨と脳みそをぶちまけてその生を終えた。同時に紫色に発光する魔力が霧散した。
「ジムっ!!」
カインが叫ぶもののジムはもう脳みそをぶちまけたあとだ。
「こんのっ!!よくもジムをっ!!このオーガ風情が!!」
カインは怒りに任せて長剣を振るうがそんな剣が当たる訳もなく容易くオーガにかわされてしまう
「このちょこまかとっ!!」
カインは長剣を降り下ろしたが避けられ剣は地面に深々と突き刺さる。
急いで引き抜こうと試みるも深々と突き刺さった剣がそう簡単に抜ける訳もなくカインは、オーガの凶悪な瞳と降り下ろされようとしている絶対的な死を感じさせる棍棒を見つめるしか出来なかった。
「はぁ、どうしたもんかしら……」
ケイトは少し困った表情で呟くと…
『フェザーエッジ』という呪文ことばと風で造られた羽が十数枚の魔力で造られた風に乗って飛んで来て私の前の三体のオーガの内二体を切り刻んで絶命させた。
そして飛んで来た方の茂みから白いコートを着て杖を持った黒髪の少女が出てきた。
「手伝います!」
彼女は加勢してくれるつもりらしい
「あなたは前衛をお願いします」
彼女は私に前衛を任せるつもりらしい
「わかったわ」
私は了承して戦闘を再開する。
▲▽▲▽▲▽▲▽
私フウカが湖を離れて森を歩き始めてから15分ほど
私が歩いていると、
「ガサガサ」
何が動く音がした
「グォォォォォ」
体長2m50cmほどの鬼が出てきた。
「うわぁっ!」
私は驚き、慌てて杖を構えて呪文を詠み始める。
『風よ汝は翼なり、その翼をもって彼の者を彼方へと運びたまえ 彼方への翼』
鬼の周りの空気が鬼の背中に集まり翼となって鬼を何処とも知らぬ彼方へと運んでいく。鬼は空の向こうへと消えた。
私は安堵の息を吐きさらに進むと奥の方に先ほどの鬼と同じものが四体と人影が三つ戦闘を行っているのが見えた。
その人影の内一つが鬼によって潰された。
私は走る
向こうから「こんのっ!!よくもジムをっ!!このオーガ風情が!!」と言う叫びが聞こえた、(あの鬼はオーガっていうのか……)と一瞬考えてまた走る。
また一つ人影がオーガに潰された。
私は速度を上げ、呪文詠唱を開始する。
『汝は風に乗り空を飛ぶ羽、鋭利なる羽刃はねである、その刃をもって彼の者を切り刻め フェザーエッジ』
私の周りに十数枚の羽刃が出現し魔力によって造られた風に乗って飛んで行きオーガを二体を切り刻んだ。
私はそのまま走り茂みから飛び出し
「手伝います!あなたは前衛をお願いします、私は後衛でサポートします」
そう言ってフウカは呪文詠唱を開始する、ケイトもオーガに向かって走り出す。
『風よ汝、彼の者に風の恩恵を与えたまえ 風の恩恵』
魔法が完成して淡く緑に輝く風を発生させる。
その風はケイトに向かって飛び彼女を包み彼女の速度を少し上げ、短剣の刃の部分が淡く緑に輝き、膜のように風が彼女を包み、飛んで来る砂や塵を弾き、空気抵抗を軽減する。
彼女はそのままオーガに向かって走る。
オーガは棍棒をでたらめに振り回すが、ケイトは脳の処理速度も少し上がっているのか、オーガの棍棒を的確に避ける。
私は次の魔法を詠唱する。
『風よ汝、鋭利なる短剣なりその刃は、我が敵と見なした者だけを切り裂くその刃をもって彼の者を切り裂け エアスラッシュ』
風が発生しオーガに向かって飛びオーガにまとわりつきオーガの身体を切り刻むがケイトには一切傷つけない
オーガの動きが少し遅くなり、オーガの動きが止まった
ケイトはその隙を見逃さずオーガの懐に入り両腕を切り落とす。攻撃手段を奪った後、大腿を体から切り離し、首を切り飛ばした。
「ドサッ」という音を立てて首が地面に転がった
私の方にもう一体のオーガが向かってくる
「いやっこっちにきた!」
私はオーガの棍棒を槍の柄で受ける
槍は容易く弾き飛ばされて少し離れた所の木の幹に突き刺さった
オーガは私を見て不敵な笑みを見せ私の腕を掴み捻りあげる
「痛いっ…このっオーガ風情が!」
私の中で何かが崩れた、何かが弾けた
私は予備で持っていた短剣でオーガの腕に切り込みを入れる
オーガの腕から鮮やかな紅色が吹き出した
「グウウウウ」
オーガが呻き、そして咆える
「オオオオオーッ」
「うるさい」
私はオーガの双眸を短剣で切り裂く
オーガの双眸から血が流れ始めオーガの目を赤く染めた
「ウガアアアア」
オーガが叫ぶ
グウウウウとかオオオオオーッとかウガアアアアとかこいつは言語を持ってないのか?
オーガの叫び呻きは唐突に止まった
オーガの首が宙に浮き、頭が縦に半分に割れて脳漿と血液が溢れ出す
オーガの頭だった物は地面に散らばり濃い血の臭いを辺りに撒き散らした。