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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
南北東で戦だそうです。
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時逃し末枯れに咲く白百合や

作者:「大変遅くなりました、昨日の内に仕上げて上げようと努力はしたのですが、眠気に負けて落ちました」

レン:「でなぜこんな中途半端な時間に?」

作者:「そのが読者増えるかもなって」

「まあケイトが良いって言うなら別に良いですけど?」


「じゃあ紹介するわ。こっちがセルジオでこっちがミース。帝国からの伝言係兼刺客よ」


「また物騒な人を引き込みましたね」


帰ってきてみれば人が二人増えていた。

もう一人居たらしいけどソウジ君が始末しちゃったらしい。

曰く向かいの通りのシミがそうらしい。


まあ、戦争が近づいてるとは聞いてたし…

エネシスであれだけ盛大に空間魔法を披露したのだからある程度はしょうがないと思う。


しかし、あまりにも早すぎる


開戦はまだまだ先の筈なのに、既に帝国が動き出している。

つまり研究の方も急ピッチで進める必要がある訳で…


「でね?今、客間が一つしか空いてないでしょ?」


「確かにそうですね」


「で男女が一緒の部屋で寝たら、まあみんな大人だから大丈夫だと思うけど…ソウジ君とかはまだちょっと早いんじゃない?って感じだしリンも居るしって事でさ?ね?」


「わかりました、ミースさんには私の部屋を使って頂くと言うことで良いですか?」


「そうじゃなくて、いやそれでも良いんだけど…ミースにこっちに来てもらおうかなって…」


「ダメですよ?ケイトは直ぐ女の人に手を出す。ちょっと前にソフィアさんが来たときもそうでしたよね?」


「でも、ソウジ君に許可出したの私だし、責任の一端は私にあるから…」


「なので、私がケイトの部屋に行きます」


「え?」


ケイトは固まり顔を赤くする。

こういう可愛い反応をされるとついついいじめたくなる。


「ダメですか?」


「ダメじゃないけど…ミースが見てるわよ?」


「ということで、ミースさんは暫く私の部屋を使ってください」


ミースの方を見るとこっちはこっちで体調が疑われる程白い頬を紅潮させて口許を手で隠している。


「あ、はい!」


うん、なんだろう。

ソフィアさんに近い反応なのかな?

でも、もっと親近感湧く感じ


「じゃあ、ちょっと部屋片付けて来ますね」


私は軽く部屋を片付ける事になったわけで。


まあ、あの紙と資料が散乱する部屋に人は呼べませんからね。


▼△▼△▼△▼△


そして、一方でソウジの方


「あー馬鹿らし…さてと、フウカさん大丈夫かな?二人と揉めてなければいいんだけど…」


「あ、ソウジ君!お久しぶりー」


さて、目の前のこの人は誰でしょーか!

とりあえずソフィアさんではない、あの人はこの時間まだ仕事中だろう。


次にアリアさんも違う。


俺の脳内の人名ライブラリを上から順番に照合していく。


「もしかして忘れちゃった?」


目の前の金髪のショートヘア…見た目はまるっきり金髪巨乳ケイトさんなんだけど、得物がブロードソード?


「ホントにわかんない?」


「すみません…」


「ツバキよ?戦場の華のリーダーの!ほら収穫祭で会ったでしょ?って言っても接点少なかったからしょうがないか」


「こんな時間にお一人ですか?」


「ん?今は新しく入った子と依頼から戻ってきた所でね」


「門が閉じてからそれなりに経ってるようですが?」


「今日の依頼は警備兵の巡回の手伝いだったからね。ついでに広場借りて修練して汗流してきた帰りなのよ」


「なるほど、でそのお仲間さんは?」


「ん、まだ湯に浸かってるんじゃないかな…この季節は湯から上がるのはキツいものがあるからね」


「でお仲間をお湯やさんに残してお一人でお買い物ですか?」


「やっぱりこの時期は温かいやつが美味しいからついね」


「温かいやつ?」


「まさか東ではやらないとか?」


ツバキは手に持った紙袋から湯気を上げる塊を取り出して、割る。


その黒い外側とは裏腹に中は綺麗な山吹色だった。


「なるほど焼き芋ですか」


「やっぱり秋の終わりはこれに限るでしょ」


ツバキから半分を貰った俺は


「ありがとうございます」


恐らくサツマイモだと思われる芋を食べる。


「あ、美味しいサツマイモだ」


「そうだろうそうだろう、この辺境領は海から離れていることもあって塩害もない。肥沃な土地も多いから作物がよく育つんだ」


ん?でもこの味はたぶん…


─適当な土地で育てたからこそ出た味だと思うけどな─


「そうですね、平和が続けばそれに超したことは無いんですが…そうも行きませんよね」


「戦争が近いって話ね…噂になってるよね。今度こそ北を統合してやると息巻いてる連中も少なくないし、雲行きは怪しいね」


「ですね、予想より展開は早いかもしれませんので準備は早い内に済ませた方が良いですよ」


「?」


「焼き芋のお礼程度の情報ですので、さっき家に帝国の刺客が来ました。まあこの先は教えられませんが、お互い気を付けましょう」


『すいませーん、遅くなりましたー』


「あ、来たね。紹介するね、戦争の華の新入りのカルミだよ。カルミ、彼は瞬撃の隼の三人目のソウジ君、たぶんカルミと同い年じゃないかな?」


「自分16ですけど?」


「そうだっけ?ならカルミのが一個下だね」


「よろしくお願いしますソウジさん」


「こちらこそよろしくお願いします」


「まあ、今日はもう遅いし挨拶だけって事でカルミ、帰るよ」


「はい!では失礼しますソウジさん!」


二人は雑踏の向こう側へと消えていった。


さてと俺も帰ろっかな。


△▼△▼△▼△▼


でカクカクシカジカ事情説明の擦り合わせをしつつ夕食を終えて夜。

リンは壱なる門に帰り、ソウジはさっさと部屋でログインしたころ、外では遠くに12時を告げる鐘が響く。


「なんかこうして一緒に居るのが久しぶりに感じるわ」


「そうですね、一緒に寝るのは久しぶりです」


ベッドが人数分ないからフウカと私は今一緒のベッドで寝転んでいる。

幸い私のベッドはキングサイズとは行かずとも貴族サイズで二人ぐらいなら余裕で寝れるから問題ない、ないんだけど…


フウカの顔が吐息が届く程に近い


綺麗に整った顔立ち、パッチリした瞳、高い鼻、少し紅潮して明るい頬、しっとりと湿り気を帯びた唇…


「ねぇケイト?キスしてもいい?」


私は突然のそれに対応できずに起き上がった。


「フウカ?どうしたの?いつもはこんなに積極的じゃないのに」


フウカもあわせて起き上がる。


「ケイト…私、姓決めました。ホントはもっと早く言いたかったんです。やっぱり私、アリシアが好きです」


「知ってるよ…でも、姓を決めたってことは」


「はい、旅人辞めることにしました。って言っても今さらこの設定は殆ど意味ないですけどね」


「───」


私がホントに良いのかと口に出そうとしたら手で制止されてしまった。


「ねぇケイト、こんな私でも家族になれますか?こんな私でもケイトの傍に居て良いですか?こんな私でも幸せになっていいんですか?」


「いいよ!いいに決まってるでしょ!それにもう家族でしょ?居候と子供まで居るんだもん。フウカ、いつもありがとう。だめ、嬉しくて涙が…」


私達は何を言うでもなく唇を重ねる。


いつもの性欲を満たすための行為とは違ってじっくり噛み締めるように唇を重ねた。

ただ互いに口内を蹂躙するキスではなく、相手との愛を分け合うキスをする。


それだけで触れられた背中も抱き合う腕も幸せに溢れているように感じられた。


一度唇を離したフウカが私をベッドに押し倒す。


細くて心許ない指が私の指と絡められる。


フウカの体は私から見ても痩せていて、少し不安になるが、それでも今私を確りと押さえている。


「ケイト、泣いちゃダメですよ。せっかくの可愛い顔が皺になっちゃいますよ」


フウカはそう言いながら涙を拭ってくれる


「フウカだって泣いてる癖に」


「だって嬉しいんだもん…」


空いた手をフウカのか細い腰に回す。

それに対しては首筋へのキスで答えてくれる。


幸せな気持ちが溢れてくる。

月並みな表現だけどこの一瞬が永遠に続いて欲しい。


私は今どんな顔をしているのだろう、きっと恍惚とした幸せな顔をしているのだろう。


首筋から離れた口が開く


それは小さく私にだけ聞こえるように呟かれた。


それは私がずっと欲しかった一言だとすぐにわかった。


私はこの夜をきっと忘れない。


例えあの神のように何千年と生きることになったとしても。


◇◆◇◆◇◆


作者:「以下の文章の次に続く文を空欄に書き込みなさい。『それは小さく私にだけ聞こえるように呟かれた。( )と』」


レン:「w○w○wに入るから!」


ジン:「いや、違うだろ!!」


ソウ:「ここから先は18才以下立ち入り禁止です」


ジン:「そうかもしれないけども!」


作者:「答えは(次回、ウインド第185話『セイ、失踪』)でした。」


ジン:「次回予告か!」

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