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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
南北東で戦だそうです。
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微かに香る戦火

作者:「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

レン:「ちょっと遅刻したね」

作者:「元旦だから許して~」

「これが?」


「そう魔導発動機よ」


それは非常に大きな鉄の塊でそれだけで2m程の高さと幅で3メートルの奥行きがある。


「中で炎の魔法を発動させて水蒸気を発生させて、上の冷却水で水に戻すを何度も繰り返す。まあ、原理は蒸気機関とほぼ同じね。もう、大枠は出来てるの。それ用の水晶球も用意したわ。でもそれじゃ魔法化した意味がないの」


「ふむ、要するに自動化させたい訳ですね」


「そういうことよ」


「でも私、炎の魔法は専門外なんですよね…うーん、クロック回路組んで魔力を周期的に流せばいけるはず…ですが私にはそれを組む知識がまだ無いです(アイーシャさんに聞いてみるしかないですね)そもそも魔力で回路が組めるのかどうかも疑問ですし」


「まあ、お金の方は特別資金があるから使い込んでくれて構わないわよ」


「ふーむ、そんなに出すほど急ぎなんですか?」


「やって欲しい研究開発は山ほどあるからお金に糸目は付けずにドンドン片付けないとね」


「ふむ、ディーダラスさんの方も似たような話ですね?」


「彼には渦巻き型水流発生装置の方の開発と鋳金 をお願いしてるわよ。目を輝かせて連日地金を叩いてるわ」


「あ、なるほどこの金属音はそれでしたか…」


「活気があっていいでしょ。それより報酬の船よ」


「あ、そうでしたね!でも、置き場に困る…」


「そうかしら?空間魔法で縮小拡大ができるって聞いてるわよ」


「あーバレてましたか…それ極秘事項なので黙ってて欲しいんですけどね」


「無理な話ですね。箝口令なんてしようもんなら暗に本当だって言うような物ですし」


「まあ、そうなんですけどね。下手に口封じするわけにも行かないですし」


「うーん、でも人数が少ないから管理が簡単な方がいいよね?」


「そんな船があるんですか?」


「まあ、それなりに手間はかかるわよ?」


「ですよね…ソウジ君に頼んで固定できる所は完全に固定して貰うことにします」


「今のは聞かなかった事にするわね?」


「別に良いですよ?ソウジ君はそこらの人間が100人束になっても涼しい顔でこなしてくれるでしょうから」


「へー、頼もしいお仲間が居るのね」


「まあ、確かに考えて見れば少々戦力過多なのは否めませんが」


なんせ空間魔法と時魔法の使い手が揃ってるし、転生者が二人揃ってるだけでもその汎用性は凄まじいし…

というかソウジ君の時魔法の汎用性は普通に羨ましい


「確かに私のこれも便利と言えば便利ですけど…私的には時魔法の方が使い勝手が良さそうで惹かれるんですけどね」


「でも、空間魔法のお陰で船もその鞄の中にしまえるんでしょ?」


「まあ、そうですけどね」


「ならいいじゃない。皆言ってるわよ?研究用の資材を運ぶのが大変だって」


「でもあの力は研究観察する上ではかなり魅力的なんですよ」


「でしょうね、軍隊的にも非常に有能な能力ですよ。是非とも後方部隊に欲しい所ですよ」


「あ、ブロードさん」


「意外と遅かったですね。こっちは現状報告を聞き終えた所ですよ。そう言えば、フウカ殿には自分の仕事を教えてませんでしたね」


「会話から軍の方なのは察しましたが」


「はい、自分は南ゼレゼス国軍補給部隊長を務めております。親譲りの操船技術でもって海戦にも参加しますよ?」


「じゃあ、海軍の方なんですね」


「ええ、陸軍とも連携したりしますけどね。今回の戦争の主眼は北の平原だと思われがちですが、南ゼレゼスの主戦場は海ですよ。北ゼレゼスなんて敵じゃないんですよ。問題は如何に東の帝国をどう黙らせるかなんですよ」


「だから海戦ですか?」


「海側から隣国だった場所を攻めて補給路を断つことで戦争の早期決着を目指すんですよ。北が潰れれば多少帝国とも戦えますからね」


「帝国とまともに戦えるんですか?」


以前、ケイトに近隣諸国の本を見せてもらった時に地図を見たけど、明らかに帝国は大国だった。

それこそ南ゼレゼスと比べて数倍じゃ利かない国土を持ってた気がする。

正直に言って南ゼレゼス程度が相手取れる国じゃなかった筈だ。


「帝国の末端の中央に対する支持率はかなり低いんです。まさしく武力統治の恐怖政治ですからね。で上が言うには恐怖から解放されればその怒りの矛先は中央に向くので進めば進むほど戦力は増えて形勢は逆転していくって寸法らしいですよ?」


「な、なるほど?」


「まあ、自分ら末端の管理職は上の指示に従って兵を死地に送って、自ら指揮を高めるしかないので」


「そうなんですか…戦争ですか…一回お義父さんに現状の詳しい所を聞いてくるべきですね」


「お義父さん?」


「おっと、他所ではヴィンス様とお呼びするべきでしたね。最悪、グレイス陛下に…」


「わわわ…グレイス叔父様ともお知り合いなんですか?」


「一回、ヴィンス様の護衛で同行した際に一度拝見しただけですよ」


「まさか、その調子で会ってきたんですか?」


「いや、流石にもうちょっと緊張しましたよ?」


「あー、まあグレイスも気さくな人だから良いんじゃない?それより、報酬の船ってこれでいいんじゃない?」


そうしてミゼリアさんが指差したのは全長20mないぐらいの小型船だった。


「確かにこれなら手入れに手間も掛かりませんし、相応の価値がありますね」


「この船、なんか特殊な船なんですか?」


「ええ、まあそこそこね?」



一方でアリシアの一行


「おい、起きろ!糞にも劣る蛆虫どもが」


ソウジは氷の箱を蹴飛ばす


「んあ…俺は任務の途中で…」


「そうだ、貴様はへまを犯した。敵の捕虜になったんだよ」


「尋問か?ふん、俺は口を割らないぞ?」


「へー、まあとりあえずこっちの本気度を知って貰うためにこんなん用意したから見てみて?」


ソウジは肉片が閉じ込められた氷塊を滑らせて持ってくる。


「どうだ?美しいだろ?お前の仲間だよ?それともなにか?仕事は仕事で割りきるタイプ?」


「ふん、俺らは特殊な訓練を受けた他人だその程度の脅しには屈しない」


「ふーん、じゃあ予定通りこっち側の彼女を使ってお話を聞こうかな」


ソウジは二つ目の箱を滑らせてくる。


これの中には先程の女が入っている。

だが、衣服を剥ぎ取られ一糸まとわぬ姿となって両手を後ろで縛られている。


「まあ、先に女の方に尋問したからちょっとばかしみすぼらしくなってるが別にいいだろ?そういう訓練を受けてるそうだし」


「おい、何をした!」


「ん?死なれちゃ困るから何もしてないさ。ただ、念のため衣服を頂戴して心理に訴えかける方法を試してみたんだけど…元からそう言う性癖なのかそう言う訓練を受けたのか、やればやるほど喜んで氷を濡らすからまあ無理だと思ってね」


「それでどうするつもりだ」


「まあ、先ずは彼女には極寒を味わって貰おうかな」


ソウジが女の入った箱に目を向けると女は急に目にも止まらぬ速度で震え出す。


「100倍速だ。今この女の時間は俺らの100倍の速度で動いてる。俺らが1秒過ごす間にこいつは100秒を体感してるって寸法だ。氷の温度はまあ知ってるだろ?そんな中、衣服も付けずに全身入ってるんだ…」


「耐寒訓練も受けているその程度」


「でもほら、段々赤くなってきたぞ?」


「ただの凍傷だ喚くことじゃない」


「ただのじゃない全身が凍傷だ。さてそろそろ本題の説明に移ろうか?俺が知りたいのは二つ。なぜ俺らを狙ったのか、それとお前らのバックボーンは誰なのかだ。時間はあるから幾らでも使っていいぞ?まあ、その前に女がどうにかなるだろうがな」


さて、そろそろ一分か…


女の方は、動くのを止めて箱に寄っ掛かっている。


「あらら、低体温症になっちゃったみたいだね。そろそろ戻すか」


ソウジが再び目を向けると女の震えはさっきまでよりゆっくりになる。


「知ってるか?人間には耐え難い感覚が幾つかある。それは痛みや熱さ寒さじゃない、実際は痒みなんだよ」


「だからなんだと言うんだ?」


「ん?俺がすりおろした山芋が効果抜群ってこった」


ソウジは氷のボウルに入ったクリーム色のペーストを見せつける。


「のう、お主が我にすらせるからヒレが痒い!なんとかしてくれー、ヒレの外側が掻けんのだ!」


「あー、山芋の被害者が出てるな…まあ、強力な配合だしな…さて、塗り込むか。まあ見とけよ?」


ソウジは女に目を向けてから氷を砕き、ボウルの中身を刷毛で撹拌し塗りたくる。


「うんうん、指の間とか脇とか背中は確りね~顔にも塗っとく?」


「おい、お主…いくら尋問って言ってもやりすぎだろ」


「まあまあ、何気に楽しみだろ?身をよじって痒みに悶える所見たいんだろ?」


「いや、お主は相当クソな性格してるな」


「俺たちはそう言う訓練を受けている。その程度の拷問には屈しない」


「そういう訓練ってどんな訓練だよ」


「なあ、ぶっちゃけていってお前的にはどうなのさ?見たいのか?見たくないのか?」


「・・・そういう訓練を受けている」


「いや、イエスなのかノーなのか。ぶっちゃけていったら?」


「・・Yes」


「はい決行ー」


ソウジによる尋問は良心よりも私欲を優先して、一方的に進められた。


◆◇◆◇◆◇◆◇


作者:「書きたかった、下衆で俗なご褒美シーンだけどめっちゃ書きたかった」


ジン:「そういうことはノクターンでやることだな」


作者:「ちょっと不快感を覚える方が出てくるというか青少年健全育成条例に大きく反するので自粛します…」


レン:「えー、ルールは破るためにあるんだよ!」


作者:「なので後日、閑話で書けたら上げたいですね」


ソウ:「イエッス!!」


捕虜:「Oh,yes!」


ジン:「いや、いかんだろって…また作者が好き勝手書きすぎてるって言われるぞ!」


作者:「運営のメールが来るまでは前進あるのみぃ!」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「それで?随分公序良俗に反する尋問をやったみたいじゃない?」


「はい、反省してます。調子乗りました…」


「ねぇ?さっさと騎士団に引き渡すとかって選択肢はなかったのかしら?」


「思い至った時には既に大分やらかした後で…」


「ねえ?尋問の末に捕虜と意気投合ってどういうことよ?確かレリックの時もそうだったよね?」


「はい、その件は反省してます」


「捕虜の身で口車に乗せられて彼の同行に同調してすいませんでした」


「ほんと薄情な仲間を持った私は不幸だわ。死んだキースも浮かばれないでしょうね」


「あ、それはご心配なく。氷漬けで海に流したので…おそらく浮いてます」


「ソウジ君、そういうことじゃない」


「はい、すいませんでした…でも尋問内容については効果的なものをチョイスしたつもりです。なので尋問中の不祥事については不問に…」


「しないわよ?あのさぁ、一応捕虜には捕虜の権利があるのよ?ねぇ?」


「はい、失念してました」


「いえ、尋問時にある程度過酷な拷問を受けることも想定していたのでそこはまあ良いのですが…その時の態度が勘に触りました。最後の方とか楽しんでましたよね?ああいう態度って不誠実だと思うんですよ」


「はい、大変失礼いたしました…」


こうして襲撃後の午後は捕虜二人を交えてソウジの反省会が執り行われ、ソウジはひたすら謝り倒した。

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