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ろりこん?

作者:「すいません!煮詰まってました…」

レン:「こりゃ、ダメだね」

ジン:「周期戻せ」

作者:「はい、周期変えます。火曜日の18:00にします」

レン:「なんで火曜?」

作者:「ん?それは授業の関係かな。と言うことで来週は周期調整の為にお休みします。遅刻した件誠に申し訳ありませんでした」


「うーん、これで良いの…かな?」


フウカはさりげなく、カイとリンを残して人混みに紛れて路地に入り込んだ


「良いんですよ。私が試験官ですので、一度迷子になったときの反応を見ておきたかったんですよ」


こんなテレビ番組があるという知識がある。


なんだろう、あんまり良くない気がする。


◇◆◇◆◇◆◇◆


レン:「あー、はじめての〇〇つかいね」


作者:「え?こし?」


ジン:「○が一つ多いんだ」


作者:「作者:「あっほんとだ」って書くと思った人~残念でした~」


レン:「正解は『ホントだ…』でしょ?」


作者:「そうそう、それが言いたかった」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「それで?グレイさんは何してきたんですか?」


「いや、助っ人?試練?どっちになるかわかりませんが、こう言うときって話し掛けてくれる人って居ますよね?その人を用意してきました」


「ちゃんと見張ってて下さいよ」


「大丈夫ですよ、カイさんついてますし」


グレイさんはふよふよと屋根の上に昇っていく


「それにこの試験の着眼点ってどこなんですか?」


私も翼で上昇する


「そうですね、術の完成度と精神の発達具合、あと立ち居振る舞いですね。どんなアクシデントが起こっても術を維持できるかを試してます」


「なるほど、確かに重要ですね」


「後は、一通り終わった後の自衛の試験ですね」


「へ?自衛?戦闘ですか」


「ええ、壱なる門に引き籠もってる分には必要ないですが外に出るなら話は別ですよ」


「まあ、そうですけどね。その試験の担当は誰にする予定なんですか?」


「はい、ちょっと柄の悪いのを五人ほど捕まえまして、根気よくお話ししたらご協力頂けると言って下さったので」


グレイさんは路地に芋虫のように転がされた五人に目を向ける。


「アレですか?」


「ええ、ちょっと手が離せないので暫く眠って貰うことにしました」


グレイは左手を首の高さで横に振って見せる


「あー、なるほど…」


「フウカさんより寛大な対応ですよ?」


「素手だからマシって物でもないでしょうに」


「槍よかマシですよ」


「それで?首尾はどうなんですか?」


「そうですね、まあカイさん次第ですね」


そう言ってグレイは通りに視線を下ろす


▲▽▲▽▲▽▲▽


「イヤでも、流石にアレは犯罪でしょ…」


ノアはなんとも言えない、強いて言えば奥歯の詰め物がいまいちフィットしないような顔をして通りを登っていく。


「そもそも、カイのために働いてるようなものなのにこの仕打ちってあんまりじゃないかな?」


ノアは周囲の視線を集めているが全く気にしない。


町に出ればちょっとした有名人、催し物に出れば来賓、ギルドに行けばギルドマスター、ということもあって視線を集める事にはなれている。


そして独り言を呟きながら町を歩くのもまたしょっちゅうと言うことで本人も住人もさほど気にしていない。


気にしているのはエネシスに来ている観光客や商人と言った人間だ。


「はあ、でも試験ってなんの?」


ノアは、そこでふと口を閉じる。


(あれ?もしかして見ため的には僕も結構犯罪?)


「もういいや、直接カイに聞こ…」


ノアはジリジリと件の露店に近づいていき…


「カイ~こんな所で幼女相手に何してるのかな?」


ノアはカイの肩を掴もうと思ったが身長の問題で届かなかった為に諦めて脇腹を掴む


「あはは、何かな~強いて言えば観光案内かな?」


ノアの手に力が籠り、細い指がガッチリとシックスパッドの横に食い込む。


「痛イタイタイ、ノアさん?何ゆえご立腹なので!?」


「ん?自分の胸に手を当ててよく考えてみる事だね」


「えーと、もしかしてリンちゃんのことかな?これは所謂テストでして、特にこう込み入った事情とか、特別な関係性とかってのは一切なくて」


「ふーん、一切なくていたいけな少女を連れ回していると?」


「いや、その辺には諸事情がですね…ホントにフウカさんはこんなときにどこ行ったんだか…ねえ、リンちゃん?」


「うーん、人の気配が多すぎてちょっとわかんないかも…グレイさんが邪魔してるのかな?」


「これもテストの内か…」


「たぶん…そうなんだと思う」


「ホントに訳ありみたいですね」


ノアは脇腹から手を離す。


「フウカさんは知りませんが、グレイさんなら先程路地で会いましたよ?」


「うーん、たぶん何か仕込んでるんだと思う」


「グレイさんは置いといてフウカさんを探した方が良さそうですね」


「たぶんそういうことだろうね。試験って言うのもなんとなく解ってきましたよ。単純に技術を測るテストでもないようですし…」


「グレイさんは人化の試験だって言ってたんだけどな…」


「あの人の言うことは結構含みがあるから…」


「じゃあ、フウカさんはどこかに行くとかって言ってませんでしたか?」


「特に何かって事もなく、人混みではぐれちゃいましたからね」


「そうですか、なら次にどこに行く予定だったとかは?」


「すいません、俺リンちゃんのエスコートに必死で…」


「うーん、ならこういう時は」


「リンは日暮れまで遊んでれば良いと思うなその内会えるだろうし、人の多い所に居れば見た人とか居るかもしれないし」


「ふーむ、なら観光案内再開しよっか」


「次は、えーっと…かいじんの…なんて読む?」


リンは海浜領観光協会作のパンフレットをカイに見せる。


「ドウケツだよ」


「カイジンじゃなくてワダツミですよ」


「へー、難しい言葉…」


「まあ、普段は使いませんからね」


「まあ、観光に来たら普通は行きますので人も多いかと。でもフウカさん今日は特徴的な格好だったりしますか?」


「うーん、白いコートに杖は持ってなかった。あ、さりげに髪縛ってた!」


「いや、フウカさんでも髪ぐらい縛るでしょうに」


「まあ、黒髪の方はこの辺の地域では割りと珍しいのでなんとかなるかな。最悪、洞穴の手前の観光協会の派出所で迷子案内を掛けましょう」


「あれ、意外と恥ずかしいですよ?」


「背に腹は変えられないでしょ?」


「せにはら?」


「どうしようも無いことを指す諺ですよ」


「へー、ノアちゃんあったまいい」


「の、ノアちゃん?」


「?ダメだったかな?」


「良いですよ、最近そのように呼ばれることが少なかったので少し驚いただけだから」


「そっか、ノアちゃん賢いから」


「そう言うこと」


さりげにリンに乗せられたノアは気持ちよく話ながら案内を始めた。


それを屋根から見る影が三つ。


「やっぱりリンは優秀ですよ」


双眼鏡片手に観察するグレイさん


「なんか変に黒くなってませんか?」


私は疑似望遠鏡の魔法で見ながら。


「いや、僕は別に白くても黒くてもどっちでも良いと思うよ?」


そして湧いて出たレンは盗聴機で会話を盗聴している。


「それにスノウベアーもその毛の下の肌は黒いと聞きますよ?」


「いや、そういう白い黒いじゃなくて精神的な話」


「いや、僕はそれより名前が気になるかな」


この神、意外と根に持つタイプか…


「いや名前の件は随分前に決まってますから、変更はありえませんよ」


「確かに一流の名前とは言いにくいかもしれませんが、名前よりも実力だと私は思うのでどうでもいいです」


「かわいければそれでいいじゃないですか!」


「フウカ君は可愛いは正義教か…僕はどっちかって言うとロマン派」


「どちらもナンセンスですよ、能率と効率が重要なんですよ。可愛いだけじゃダメなんですよ、これからは可愛さと実用性を兼ね備えた者が強いのですよ」


「じゃあ、僕は最強だね」


「それは…ないですね」


「強いかもしれませんが、可愛くはないですね」


そして日は暮れる。


三人は海神の洞穴と言う名のただの洞窟観光を終えて、地上に出た。


「っ眩しい、まさか海神の洞穴がこんなに広がってるなんて聞いてないよ」


「はあ、おそらく元からあった穴が繋がったんでしょうね」


「涼しかったー!」


洞穴の奥は鍾乳洞になっていた、その他光る魔石とかが置かれていたりと、雰囲気は百点満点だった。

ただ、目玉となるはずの祠がしょぼいから、評価は下がるのだが


「まあ、本来あそこにあるはずの物は俺と姉さんが持ってますしね」


「うーん、これは観光協会に文句つけてやります。そもそも、来賓で呼ぶくせに企画段階での参加を拒否するからこういうことになるんだよ」


「あはは、まあギルドの圧がかかるとやり辛いのは確かですからね…」


「言うことはハッキリ言うのが一流だってグレイさん言ってた」


「あの人なに教えてんだ」


「まあ、一理ありますね。でもね、ハッキリ言い過ぎるのも問題なのよ、時には暗に言うのも必要だよ」


「えへへ、相手を気遣う余裕を持つのが大事だって言ってた」


「余裕か…俺にはないな」


『お嬢ちゃん、コッチコッチ』


道の向こうで上半身裸でスキンヘッドの男が手招きしている。


「はい、なんですか?」


「迷子なんだってね」


スキンヘッドは訳知り顔で話始めた。


「お母さん見つけたよ」


リンも持ち前の人懐こさからなのか何も怪しまずに駆けていった。


「フウカさん見つかったみたいですね」


「カイ、念のため離れてて下さい。アレはギルドの手配書の人相書きで見覚えがあります」


「でも変ですね。あのフウカさんですよ?海龍を嵌め殺しにするような人がそう易々とごろつき風情に捕まる筈はありませんよ」


「嘘を言って、リンちゃんを浚う気なのかも知れませんよ」


「確かに、リンちゃんを人質にすればフウカさんも下手には動けない」


「私は人を呼びます、カイはリンちゃんを」


「了解」


▲▽▲▽▲▽▲▽


「グレイさん、どうも顔が割れてるみたいですよ?」


「まあ、所詮はただのごろつきですからね」


「うむ、それで?このあとどうする?」


レンと入れ替わるように湧いて出たジンは腕を組んで、壁にもたれ掛かりながら言う。


「ごろつきにはリンに怪我を負わせない程度に怖がらせるように確り言い聞かせましたからね」


「そのせいで人数が四人になりましたけどね」


「うむ、なかなか凄惨な見せしめだったな 」


「いや、完全にあなたの鎌が決め手でしたよ?」


「ふ、俺がやらなかったらあのまま液体になるまでフードプロセッサーにかけただろ?」


「それを奴らの目の前で海に捨てましたね」


「まあ、バラバラ死体を魔法で消し飛ばしたので、実質変わりませんがね」


「さ、大詰めです」


三人は物陰に潜んで準備を始めた。


「おじさんたちも頑張って探したんだよ~」


「わざわざリンのためにありがとうございます」


「へへ、むず痒いぜ」


二人は港の端の方に入っていく。


「いや、まさかこんな港の端に居るなんてな、驚いたぜ」


「うーん、心配させちゃった…」


「ほら、着いた。おい、連れてきてやったぞ!」


『ひひっこれで金は俺らのもんだな?』


『100万山分け』


『五で割ったら幾つだ?20か?』


『いや25だ、だって一人減ったからな』


「あはは、捕まっちゃった」


フウカは大人しく椅子に縛られている。


「お母さん!」


「おっと、わりぃなリンちゃん」


スキンヘッドは尻からナイフを取り出す。


「さっ、監視を解いて金を出してもらおうか?」


「え?ハゲのおじさん悪い人なの?」


「おう、ここいらで一番悪いおじさんだ。それからハゲじゃないスキンヘッドって言え」


「…そうなんだ。お母さん、人って悲しいね」


「そうだね」


「先生は暴力だけじゃ大切なものは守れないって言ってた…」


「リンちゃんはいい子ちゃんなんだね」


「…でも、暴力がなくても大切なものは守れないんだね」


「リンちゃんは賢いね~」


「空しいし悲しいよ?リンはあんまり暴力は好きじゃないよ?でもねリンの代わりに誰かが暴力を使うのもなんか違うと思う…だからリンも闘うよ」


リンを中心に魔力が反応して空中でスパークが起こる。


「何が起こって」


ナイフが音を立てて割れる。


壁に、床に、ハゲに、ありとあらゆる物に無数に傷が入る。


「えっなんで」


「リンは命は取りたくないから、お母さんを放して」


スパークが石畳を焦がし、削る


「早く放して!」


一瞬、ほんの刹那で数十閃の真空の刃がリンを中心に無差別に切り裂いた。


白い羽が幾枚も石畳に散り、地面で弾けて消える。


ハゲから血が垂れて、傷だらけの床に染み込む。


「降参して?」


リンの周りに白い羽が舞い綺麗に整列する。


『はい、お疲れ様でした~』


「ふぅ、やっと終わった…まさか切り刻まれるなんて思ってなかったっすよ」


「フードプロセッサーよりマシだろ」


「まあ、そうっすけど」


「じゃあ試験も終わりですね」


フウカは自分で縄を切って伸びをする


「まあ、この場はさっさと逃げるに限りますよ」


柄の悪いのはグレイから袋を受け取ってさっさと居なくなる。


「さっ、私達もずらかりますよ」


「うむ、俺もお暇させてもらう」


ジンは姿を消す


「リン、帰るよ。あ、カイさんはノアさんを説得してください」


「え!?」


「後始末ですよ?後始末」


「はぁ…行ってきます」


カイは渋々通りへ出ていく。


「お母さん、演技だったの?」


「もちろん、演技じゃなかったらねぇ?グレイさん?」


「アレは酷かったですよ。一流のレディとは言い難い惨劇でした」


「それにあの人たちもグレイさんが集めた本職の皆さんだからね」


「えー!?じゃあ途中でいなくなったのは?」


「あはは、ごめんね」


「ほら、飛んで帰るよ」


「うん!」


三人?は夕暮れの町をそそくさと飛んで帰るのであった。

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