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更に雪原を進む

作者:「今週は早く更新準備が終わったゾー」

レン:「今何時?」

作者:「木曜日の18:49だよ」

レン:「おー、珍しくかなり余裕を持って終われたじゃん」

作者:「家ーい」

「なあ、レリック…なんで女性だと全員『嬢』なんだ?」


「ソウジ君、嬢は女の人の事だよ?」


ケイトさんはまるでどうしようもない物を見るような目でこっちを見てくる。


「いや、そうじゃなくて呼び方が」


「あっ、それ私も気になってました!なんでですか?」


「いや、俺は今雇われてる身だから敬称を付けようと思って…」


「それならさんでいいんじゃないんですか?」


「さん!その手があったか!」


ケイトさんが完全にバカを見つめる目で見ている。


「ソウジ君、貴方もですよ?女性に対してのみ敬語を使ってますよね?」


「あ、それは家のお婆ちゃんの教えです。女性には親切にしろ、目上の人には敬語を使う、男は呼び捨てにすると仲良くなりやすいとかとかって色々あるんですよ(また、嘘をついた…」


◇◆◇◆◇◆◇◆


レン:「天井が高い家が良かった?」


作者:「俺は天井は高い方が好きだな。低いと頭打つ」


ジン:「この下りこの前もやったよな?」


作者:「根に持つ性格ですいません」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「ふーん、でも変な話よね?人は万人に優しくあるべきなのにね」


「使い分ける事でより効率的に関係を築けるって言う事でしょう」


「えーでも、私は呼び捨てにされた方がいいです」


「私は元が貴族だったのもあって敬称つきが当たり前だけど別に無しでも気にしないかな」


「ならエレナはこれからエレナって呼べばいいのかな?なんかしっくり来ないな…」


「その方がいいです!その方が親近感沸くので!」


「なんで私はそのままなの?」


「ケイトさんはあくまで目上の人なので、パーティーリーダーだし、なにより俺は居候ですからね」


「だから家はパーティーハウスだからメンバー全員の家なの、だからソウジ君も立派な家族でしょ?」


「なんと言うか初めがアレだったのでなんとも言いがたくて…結局なし崩し的に加入しましたけどね」


「それにソウジ君は十分パーティーに貢献してるよ?」


「いや、ほんの家賃分程度ですよ。だって報酬も貰っちゃってますし」


「それに…ね?」


「ダメですよ?」


「解ってる、流石に出先ではしないわよ」


「はあ、早いとこお父さん見つけて帰りましょう。フウカさんと合流しないと俺の身が持たない…」


「あ、そう言えば!カスミさんって呼ぶの忘れてた…」


「別に構いませんよ。呼び名に拘らないって決めてるので」


「まあ、呼び名なんて人が勝手につける物だからね」


「それもそうですけどね。」


その夜はそれにてそれぞれ休息を取ることになった。



で、じきに吹雪は収まり朝が来る。

まあ、地下だから太陽は昇らないが。


「で今日もいい天気ですね。今日も元気にダンジョン攻略ですね」


「うーん、こういう環境で滅入らない乗ってやっぱりダンジョンの手に落ちてるってことだから良くないんだろうね」


「そうですか?ダンジョンの側で考えたら敵に塩を送っているような物ですし、それで攻略難度が下がるなら良いことではないですか?」


「どっちもどっちでしょ。重要なのはダンジョンからいかに利益を引き出すかですよ」


(レリックの言い分だとこいつの盗賊行為は正当化されるな)


「えーでも、利益を引き出すって点でいけばコアを確保してギルドからの報酬と実績を貰ってもいいんじゃない?」


「それは冒険者に限りますよ、裏の人間ならレリックみたいに盗賊に走った方が儲かるかもしれませんし、普通に素材の売買をした方がいいのかもしれませんよ?」


「そうですね、まあ裏の人間ならダンジョンのお宝とか罠とかを盗むでしょうね。あとはそれこそ冒険者を襲って荷物を奪ったり、情報を売ったりですね」


「ふーん、エレナのお父さんは何を求めてここに来たの?」


「お父さんはダンジョンが発達する過程で発掘したりした古書とかを取りに行ったんです。ダンジョンも人が何を求めるのかが解っているようで、本の他にも金銀財宝とか価値のある鉱石とか出すんですよ」


「逆にダンジョンは何を求めてるんでしょうか?魔物を発生させて、金銀財宝で人を集めて、何をしようとしているんでしょうか?」


「ダンジョンは自然発生した魔法よ?コアだって単なる魔力の濃い物だったり魔力そのものよ。意思なんてないし目的も無いの」


「いえ、ダンジョンは魔物では?コアはある種の魔石のような物では?」


「魔物はそこまでの思考能力ないでしょ?」


(あれ?なんか知能の高い魔物っぽいの居なかったっけ?)


「ケイトさん、もしかしてダンジョンが怖いんですか?」


「別にダンジョンが怖くはないわ、ただ…」


「ただ?」


「ただ得体のしれない物体が意思を持ってるとか画策してるとかってのが気味悪いだけで」


「それって領主貴族も同じでは?」


「領主貴族は顔も解るし立場も解るからある程度予想できるけど、ダンジョンの立場とかさっぱりだから予想なんてできないでしょ?」


「なるほど」


「予想できないのが怖い、もっともですが…」


「まあ、ダンジョンは便利な何かって事でいいでしょう。俺にとっては都合のいいゴミ捨て場だし」


「レリック、盗賊っぽさが抜けてないわよ」


「あ、すいません…」


俺は少し気づいた事を口に出す。


「なんか焦げ臭くないですか?」


「そう言えばそうね」


「誰かこの辺で夜営してたんでしょうか」


「エレナのお父さんの可能性アリですね」


「そうね、まあ違う可能性も大いにあるけどね」


更に進むとイグルーの中に焚き火の跡を見つけた。

炭は冷えきっていた物の雪は被っていなかった。


「今朝型まで燃えてた感じね」


「立派なイグルーですね、誰か住んでるんでしょうか」


「よく、こんな密閉空間で焚き火しますよね。一酸化炭素中毒にならないのかな…」


「まあ、犯罪者の類いか長期間この階に滞在する予定の冒険者か…」


「どっちでしょうか…」


「長期滞在だと思うわ。犯罪者なら上の階でもいいはず。態々こんな場所に住まなくてもいいでしょ」


「足跡がありましたよ」


俺は風で消えかけてた足跡を見つけていた。


「にしても粉雪ね。風で足跡が消えるなんて砂漠ぐらいだと思ってたんだけど」


「足跡が消える前に追いましょう」


「そうね、ここで待つのも手かと思ったけどお父さんだったらこのまま下の階に下りちゃうかもだし」


「なら、急ぎましょう。雪が降り始めたらせっかくの手懸りも消えますから」


「レリックの言う通りです、と言うことで飛ばしていきますよ」


袖口で杖の先端が銀色の光を放ち始める。


『我、時を繰る者、我が意思に沿いて我らの内なる時を繰れ タイムコントロール』


光はイグルーの中に溢れて、その場にいた全員に魔法の恩恵を与えた。



で二秒後、俺たちの目の前には葉巻で紫煙を燻らせながら剣鉈片手に進むオッサンが居た。


「ふぅ、追い付きましたよ」


吐いた息は白く漂って消える。


「毎度の事だけど、ソウジ君の魔法は便利よね」


「ですね」


「なあ、それ俺にも教えてくれよ」


「そんな事より、追い付きましたよ?お父さんに…」


そのオッサンは瞬時にこっちに剣鉈を向けてきた。


『誰だ…』


声よりも速く、剣鉈が俺の首に添えられようとしていた。


普通の人なら今頃首を裂かれて地面に倒れ伏す途中だろうけど、生憎俺は普通ではなかった。


タイムコントロールがまだ有効だったから、瞬時に加速して剣鉈の軌道を判断する。


そして剣鉈が首に触れるより速く俺は後ろに飛んで回避する。


そのまま刀を抜いてオッサンを切り伏せるのは容易いがここは一度流れを戻す。


「お父さん!娘の気配ぐらい察知してよ」


エレナはいつもより軽い感じで話す


「んあ?なんで来てんだよ」


オッサンの方も一瞬にして殺気を消していた。


「お仕事入ったから。例の卸しの人が近々来るって」


「あー、でもこっちもあるしな…」


「こっちは私がやっとくからお父さんは帰って」


「いやでもさ、あの人あと何日で来るって?」


「あと十日ぐらいだって」


「十日か…よし、あと一日は潜れるな。で?そっちのは…」


オッサンは葉巻を取り落とした。


「あはは、ご無沙汰ですねラジェルさん?」


「誰かと思えばアリシアの姫さんか…コイツが例の新入り、よくこんな化け物を捕まえたな」


「ふふふ、家の秘蔵っ子よ」


「すまねぇな秘蔵っ子君?裏に住んでるから背後に立たれると反応しちまうんだ。俺はラジェル、エレナの父で古書店を営んでいる。なかなかの反応だったぜ」


「それはどうも」


「まあ、そんなに怒るなよ。ちょっと首が切れそうになっただけだろ?その程度の傷はポーションでちょちょいのちょいだ。で?エレナの依頼で俺を探してここまで来たと、ご苦労なこったね。お?お前は見覚えがあるぞ?霧使いの盗賊だな?」


「バレてたのか」


「当たり前だろ?俺ぐらいの術者になれば魔法の使い手がどこにいるか割り出すぐらい容易いからな。まあ、害はなかったから捨て置いたんだがな」


「お父さん待って、レリックは今は協力者なの」


俺は刀に手を掛けてレリックの前に出る


「俺が雇ってる、レリックを殺るなら俺はあんたの相手をしなきゃいけなくなる」


「雇われ冒険者が盗賊を雇うとわな、まあいいさ。俺の持ち物は素人が持ったところでガラクタに過ぎないからな。それに姫さまとは事を構えたくないしな」


「さてと、エレナ?お父さんは見つけたけどこれからどうするの?」


「引き続きダンジョンを攻略します」


「そうか、じゃあ一日ちょいだがよろしくな」


「はい、ラジェルさん」


「じゃあ引き続きダンジョンを攻略しますか」


「この階はたいがい調べ終えてそろそろ下りる階段を探そうと思ってた所だ、であと探してないのはこの辺だけだからすぐ見つかるだろ」


「お天道様との再開はもう少し後になりそうですね」


「まあ、でも食料も二週間しか用意してないのであと三日もしたら撤収ですね」


「さっさと攻略して帰りましょ」


「エレナ、本の回収を忘れるなよ?」


「はーい」


そして一行は更に雪原を進んでいく。


◇◆◇◆◇◆◇◆


ジン:「なあ、キリンはどこ行ったんだ?」


レン:「・・・・・・!」


作者:「う~んとね~歩いてたら魔力切れで溶けちゃった(*^.^*)」


ジン:「今考えたな?」


作者:「ソンナコトナイヨ、チャントシナリオドオリダヨ」


◇◆◇◆◇◆◇◆


一方エネシスでは


「わー立派な帆船ですね」


「そうですね、これは大きいですね。これはダルカスの船ですね。ほらあそこにギルドのマークがついてます」


「ダルカスって共和国でしたよね?」


「そうですよ。亜人種の国でその統治をギルドが行っています」


「ギルドが?」


「はい、冒険者ギルドの本拠地があるので」


「でもなんでダルカスに?」


「それが逆なんですよ。ダルカスに冒険者ギルドの本拠地を作ったんじゃなくて、冒険者ギルドの本拠地にダルカスができたんです」


「あー、人が集まったから…」


「そう言うことです」


「まあ、預言者が居たとかって話もありますけどね」


「預言者?」


「先に他国にギルドの支部を作るとかダルカスに本拠地を構えるとか金貨を統一するとかって色々指示した人が昔居たらしいですよ」


「そうなんですか、面白いですね」


「まあ、多方面に詳しい助言者を呼んできたって説が一番有力ですけどね」


「それはそれでまた現実的な話ですね」


「今日は舶来市場が開かれてるみたいですし見に行ってみましょう」


「舶来市?」


「大きい貿易船が来たときに町が開催する市場ですよ」


「へー、面白そうですね」


で、さっそく来てみた。


「フウカさん、この果物美味しそうですよ?」


それは私にとっては凄く見覚えのある形の物だった。

黄色くて細長いアレ。

バナナだ。


「これ凄く痛みやすいはずなんですけど…どうやって輸送したんでしょうか…」


「知ってるんですか!?」


「まあ知ってるだけですけど」


「ソレハ アオイ ウチニ マホウデ コオラセテ スゴイ イソイデ モッテキタ イマ タベゴロ」


「一房幾らですか?」


「アー イッポン キンカ ヨンヒャク マイ」


「やっぱり高いですね…うーんその房下さい」


「フサ?」


「ソレゼンブ」


「オーウ、タカクツクヨ?」


「あはは、大丈夫ですよそんな十本程度なら」


「オーケー、インポジュッポンオカイアゲー」


「今なんて?」


「インポ コレ インポイウ」


「インポはやめませんか?それ、果物に言うの良くない名前」


「デモ ジモト コレ インポ イウ」


「こっちにいるときだけはインポはやめませんか?」


「ジャア ナニイウ?」


「バナナです」


「バナナ?ソンナ バナナ ナンテ キイタコトモナイ」


「フウカさん、別にインポで良いじゃないですか。たかが果物ですよ?」


「まあ、アリアさんがそう言うなら良いですけど…いいんですね?」


「良いですから、お騒がせしてすいません」


「イイヨイイヨ、インポ ウレタ ソレデ オーケー ダカラ」


「絶対良くないんですけどね…」


私達は金貨四千枚を支払ってその場を後にした。

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