海でも森でも試行錯誤してみる
作者:「ギリギリでした…のこり58分でなんとか書き上げました」
レン:「今回もギリギリだね」
作者:「二週間周期から一週間周期にならすのに時間かかるな~大学入って生活リズムもまだ安定してないからな~」
ジン:「大変だろうが自分で言ったことだ、どうにかしろ」
作者:「最初からその気だよ、この程度で止めるぐらいなら最初から書いてない」
その頃、少し離れた森の中で青年は自らの成果を前に満足げな顔で立っていた。
必死で魔物を倒して稼いで、多額の借金してまでして魔法を覚えた。
魔法が使えればもっと稼げるようになると思っていた昔の自分は間違いだった。
借金を返そうと奮闘するも、徐々に借金は膨れ上がっていった。
そしてついに生活が破綻した。
青年はありとあらゆる物を失って、盗賊に身を落した。
だが、盗賊になった途端、状況は一変。
全く稼げなかった男は急に稼げるようになった。
そう、青年は盗賊になった時に冒険者同士の足の引っ張りあいから抜け出したのだ。
そして元から能力は高かった青年は魔法を駆使して冒険者を対象とした盗賊行為でかなり成功していた。
冒険者を殺して装備と金品を奪って、それを地上で売り捌く
ダンジョンの宝箱から死んだ冒険者の装備が出てくるなんて珍しいことじゃない。
そして死体はダンジョンに吸収されてくれるんだ、盗賊にとっては最高の環境だ。
青年はこうして霧の魔法で相手を迷わせて、霧の魔法の副次効果で霧の内部の状態を時折確認して疲弊した所を襲っていた。
確りと相手を選んでやってきた。
一度だけ魔法が直ぐに解けたせいで襲い損ねたがそれ以外は完全に成功させてきた。
今回も成功するはずだ。
そう考えて相手が疲弊するのを待っていた。
ゴスッ!
首の後ろに鈍い痛みが走った。
世界が回り始めた。
青年は呆気なく倒れた。
倒れる直前になんとか犯人を見た。
それは自分より何歳か年下の少年だった。
背中に翼を生やしたその姿はまるで天使の様に見えた。
作者:「そして青年はショタに目覚めた…かもしれない」
ジン:「いや、ないだろ…」
「とりあえず一匹目…」
俺は刀の峰で首を殴って沈めた男を見下ろして呟いた。
『ふむ、呆気ないな』
「いや、団体さんが居たらしいな」
そこらじゅうから視線を感じる。
『数は7ってとこか、汝なら容易いだろ?』
「そうだな、こいつの仲間ならこいつを人質にできそうな物だけど…」
『こやつが完全に倒れるまで出てこなかったのを見ると、お仲間ではなさそうだな』
「じゃあ盛大におもてなししないとね」
『お手並み拝見と行かせて貰おうか』
俺はとりあえず目の前の木を一閃する。
直径50cmはある幹がキレイにスッパリ斬れて倒れた。
「出てこいよ、俺はお前らの獲物でお前らは俺の敵なんだろ?役目を全うしろよ」
煽ってみた。
この期に斬撃の練習もしよう。
ここなら何をどれだけ壊そうが何も言われないだろうし、例え相手が死んでも大丈夫だからな。
『斬撃を飛ばしたいのか?』
「上手くいかないんだよ、なんかないか?」
『あるぞ、先ずは魔力で鋭利な刀身を作るんだ』
「俺、魔力をフィーリングで操作できないんだよ」
『ならその勘を掴む所から始めよう、先ずは魔力を刀に流せ』
「魔力を刀にね~」
ここまではできるが指示に従ってみよう。
『イメージしろ魔力は汝の中を流れている。それを手で滞らせる、なに魔力は物理的なそれよりも真意的な物に影響される』
「真意的な影響…」
念じてみる、強くハッキリと魔力に対してどうして欲しいのか具体的に
すると俺の掌が光り始めた。
『……刀に触れて魔力が手から滲み出るように』
触れた所から光が刀に移っていく
その光りはゆっくりと強くなりながら切先へと伸びていく。
『なかなか上手いな』
「器用なんでね」
そして刀身全てが白く光り始めた。
それに更に魔力を流していく。
流せば流した分だけ光りは強くなっていく。
『全力で丁寧に勢いよく切り払え』
「セイッ」
ブォン!
切れのいい風切り音がなって、魔力が小さな弧の形を取って前に飛んでいった。
それは目の前の森をなんなく斬り倒して、目標の敵の上半身と下半身を切り別けて、森の向こうへと飛んでいった。
『上手いじゃないか』
「充填に時間が掛かるな…」
『それは経験が解決してくれる』
「了解した残り6か」
俺は魔力を刀に流し続ける。
『流しながら振るのではなく、流して溜めて抜き放つのだ。一個一個の動作を丁寧に行え』
言われた通りに俺は次の斬撃を飛ばす
それは真っ直ぐに敵が隠れていると思われる木に飛んでいって木を斬り倒した。
がそこに人は居なかった。
めげずに次々と斬撃を飛ばす。
それは次々と木々を薙ぎ倒して敵の命を刈り取っていった。
徐々に刀に魔力を充填する時間も短くなっていく。
『汝はやはり上達が速いな、千年前の汝はもっと凄かったがな』
「だから千年前ってなんのことだよ、普通に考えれば俺が魔法で行ったんだろうけど千年も前に飛んだら現在に及ばされる影響は計り知れないから余程の事がない限りそんな事はしないと思うんだが?」
『その余程の事があると千年前の汝は私とあやつに言った。その時は力を貸せとも言ったな、そして私達は快諾して汝に力を貸した。そしてその余程の事については汝には絶対に言わぬように約束させられたのだ』
「なら俺もその余程の事に関しては聞くのを止めよう。未来の俺がそう言ったなら、それは間違いなく俺にとっては正しいことだからな。あと斬撃を停滞させたりってできるか?」
『汝が言うところの初歩の初歩だな、さっきの斬撃は抜き放っただろ?それを抜き放つのではなくより丁寧に軌跡を描けばその通りに斬撃の形き魔力が残る、その場に留まる時間はそう長くはないがな』
「なるほど、やってみるか」
一先ずさっきまでと同じく魔力を充填する。
それをそっと添え置く感じで刀で丁寧に軌跡を描く。
刀から滲み出た魔力が光の刃を形成していく。
「これなら行ける…な!っと」
俺は更に斬撃を飛ばして最後の一人を始末した。
「これでやっと特式の練習に移れるな」
『なるほどアレか』
「あー、お前は知ってるのか」
『うむ、あやつも流石にアレは真似できんかったがな』
「だろうな、そう言えばあやつって誰だ?」
『すまぬが口止めされておる』
「そうか…まあその内知ることになるか」
『そうだ、それとそろそろ戻った方がいいんじゃないか?』
「そうだな、コイツ縛ったら戻りますかね」
俺はトランクからロープを取り出して青年をキツく縛り上げてトランクに放り込んだ。
鈍い音がしたが無事だと思う
さてと戻りますか。
俺は再び翼で森から抜け出た。
◇◆◇◆◇◆◇◆
私がエネシスまで戻ってくると太陽は完全に真上に昇って、秋だって言うのにかなりの日差しで照りつけてきていた。
しかし南の方に来るだけでこんなに暑くなるものなんでしょうか?
それとも魔力的なものが関係してるのかもしれないですね、あとでアリアさんに聞いてみますか…
そんな事を考えながらギルドに寄ってみた。
昼時のギルドはガラガラだ。
酒場に少数の人が居るだけで、他は受付嬢しかいない。
「半日でできるお仕事とかあるかな~」
美味しい話はないだろうけど、暇潰し程度にはあるはずだし
掲示板を見ては見るがあまり目立った仕事は無さそうだ。
薬草集め、海藻集め、貝殻集め、夕刻の巡回警備…うーんコレなら海で魔物狩りでもした方が儲かるかな、ついでにアトラスを始末した魔法の改良版の試験もしますか…
そうと決まれば早速情報を集めますか…
「こんにちはセレナさん」
私はとりあえず専門家の意見を聞くことにしたのだ。
「こんにちは、えーと…フウカさんでしたっけ?」
「はい、しばらくお世話になりますフウカです。今日は少しお願い事がありまして、この辺の魔物で処理に困ってる物とかの情報を頂けませんか?」
「えーと、それは依頼を斡旋しろということですか?そういうことならお引き取り下さい」
「いえいえ、単に魔物の情報が欲しいだけですよ。今から沖に行く予定があるのでついでに魔物狩りもしようと思いまして、特に厄介な魔物の情報を下さい。もちろん依頼ではないので報酬は発生しませんよ?あるとすれば魔物の素材の買い取りをお願いするぐらいですね」
「そうですね、沖の方の海中にシーゴブリンっていうゴブリンの亜種が棲息してます」
「それってサハギンって言うんじゃないですか?」
「いえ、サハギンはサハギンでシーゴブリンはシーゴブリンです。サハギンは魚人系ですが、シーゴブリンは鰓呼吸もするようになったゴブリンです。ゴブリンがその繁殖力と適応力の高さから水中という環境に適応できた故に生まれた種だと考えられていますが詳細は不明です。まあ胸鰭も尾びれもありませんし、だいたい平泳ぎかクロールで泳いでますよ」
なるほど、サハギンは両生類的な立ち位置でシーゴブリンは海イグアナ的な立ち位置なのか
「それが厄介なんですね?」
「兎に角数が多いので」
「素材になったりとかは?」
「背鰭ぐらいですね」
「見つけたら駆除しておきますね。ありがとうございました」
「あっあと、もしかしたら危険な魔物が出てくるかもしれませんから気をつけて下さい」
危険な魔物ですか、そう言うのは希少価値が高い上に素材が上等になりやすいですから狙っていきたい所ですね
「夕方頃には戻るのでそのときは買い取りの方お願いしますね、あともしもカイさんかアリアさんにあったら夕方には戻るって言ってたと伝えて下さい」
「ではそのようにしますね」
返事を聞いてから私はギルドを出た。
途中でお弁当の代わりのパンと果実水を購入して港に来た。
理由は町中から飛び立つとたぶん怒られるから。
港なら多目に見てくれると思いたいな。
さっき島に行くときは陸側の門から出て、そっから飛行して島に行ったから港から飛ぶのはこれが初めてです。
「さてと行きましょうか」
背中に風と魔力が集まって翼を作り上げる
最初の頃はコレを作るのにも詠唱してたっけ…
少しだけ足を浮かせて海上に出てから足元に魔法陣を展開、それを蹴って勢いを付けて一気に上昇した。
念のため魔法陣は撤去する。
さて目指すは沖の方、日が傾く前に沖に出てしまおう
そう考えて私は速度を上げて飛んだ、エネシスが見えなくなるまで移動するのに三十分程で済んだ。
当初よりも速度が上がった気もするし、成長してるってことなのかな?
たぶん翼と加速を併用すれば音速も越えられるし、トンネル移動法も併用すれば実質的な移動速度は青天井だ。
今からケイト達と合流して今日中に戻ってくるなんて芸当も可能だとは思うけどそこまでする理由もないしね
「さてと今まで実験するのも躊躇われた魔法の実験をしますか」
私は周りに空間魔法で空中に籠を作ってそこにトランクとトランクから出した代替品の杖を放り込む。
そして水晶球を使って手に風の大弓を出現させる。
『風よ、汝は矢、全てを貫き、その大いなる風の力でもっえ触れたものを尽く風化させ、劣化させ、侵食し、塵に還せ 塵還の風矢』
手に出現した槍ほどの大きさの緑の矢を大弓につがえて弓を引く
「大きすぎて狙えない…そうだ、こんな時こそトンネル移動法が役に立ちますね」
私は矢の直ぐ先に空間魔法の魔法陣を出現させて、その転移先を遠くに見える島の近くに設置した。
設置できてるかも疑似望遠鏡の魔法で確認した。
後は射るだけだから誰が射っても当たる。
私は精一杯弓を引き絞って矢から手を離した。
矢は予想以上の速さで飛び出して、魔法陣を越えて遠くの島の手前の海面に落ちた。
海面が渦巻いて穴が空く、そこに風が流れ込んで渦巻く。
その渦は次第に大きくなり始めて、数秒後には小規模な竜巻となり、更に数秒後には島を飲み込み始めて、一分程で島の半分を呑み込んで消滅した。
海に遠目で見ても解る大きさの穴がポッカリと空いていた。
そしてもう数分もすると流れ込んだ海水で穴は埋まった。
「魔力を込めすぎましたね、つぎはもっと加減して弓も小さくしますか」
私は結晶化し始めた杖を折って海に捨てて新しいやつを用意した。
今度は小規模にする予定だからトンネルは要らないかな?
私は魔法を詠唱した。
そうして試験がまだだった魔法の試験を繰り返す内に日は傾いて水平線に着きそうになっていた。
私は海面近くで魔法による爆発の結果を見ている。
海面を風の魔法で吹き飛ばしてみて、水中にいる魚や魔物にどの程度の影響があるのかを検証したのだ。
結果はかなりあった。
小魚だと死んでる物が多い、大型の魚や魔物は気絶している。
私はとりあえずシーゴブリンは息の根を止めて、小魚と大きい魚は一纏めにして海水と魔法で作った氷と一緒に空間魔法の箱に入れる。
「さてとそろそろ戻りますか」
私が一通り片付け終えて飛び立とうとするといきなり海中から巨大な物が飛び出してきた。
それはかなりの巨体で、口だけで1mはある。
影はもっと大きい、いや長い
それの食らいつきを紙一重で避けたが魚が入った箱は丸のみにされた。
「大きな海蛇ですか」
私は箱を操作して蛇の内へと潜り込ませて、蛇を釣り上げる。
蛇は吐き出そうともがくが、かなり深い所に押し込んで無理矢理持ち上げたから吐き出すのは不可能、できたとしてもかなり時間がかかるはず。
そしてそれよりも私が蛇の頭を切り落とす方がよっぽど早い。
私は蛇が完全に水上に出るまで持ち上げて、蛇の首?に魔法陣を当てて空間ごと切断した。
支えを失った頭は落下した所を魔法陣に受け止められて箱に納められた。
「コレは高く売れるかもしれないですね」
そのまま蛇の体を箱にいれて、魚の入った箱を私の直ぐ横に転移させた。
さて、今度こそ戻りますか。
私は箱を三つ浮かべてエネシスに向けて飛び始める。
死体が腐る前に戻らなきゃいけないから急いで戻らないとですしね
作者:「一つ言い忘れてましたが、もうすぐ最初に書き貯めておいた紙媒体が尽きます」
レン:「だいぶ書き貯めてたね」
作者:「いやー、全部ネットに上げるのに二年半も掛かるとわ…」
レン:「ということはこのあとは原案なしの手探りになるのかな?」
作者:「問題ない、もうシナリオは全部事細かに頭に入ってるから」
レン:「そういう事してるから勉強が頭に入らないんだと思うよ」
作者:「……そうですね」