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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
作者の手抜きの閑話編
124/260

盗賊捕まえ、疑われ…

私達は最寄りの町「ルーノ」来た。

 

勿論藤色の風船は浮かべたままだ。

 

そして当然のごとく門で手続きをしようとした所を不審者として槍を突きつけられ、最寄りの詰所に連行され、取り調べを受けている。

 

「あの?なんで俺だけ別室なんですか?」

 

俺は俺の取り調べに当たっている兵士に訊いてみる。

 

「男女で別けた方が良いだろうという、上司の指示だ」 

 

「それで?あの盗賊団を買ってくれるんですか?くれないんですか?」

 

くれないって言ったらどうしてやろうか…

 

と考えてみたが、武器は一切合切取り上げられてコートとトランクまで取られたから白兵戦しかできない。

 

フウカさん達は全く心配いらない。


フウカさんに何か変なことをすることをケイトさんは許さないだろうし、もしケイトさんを突破できてもフウカさんは杖なし詠唱なしで魔法が使えるからどっちにしろ並の兵士じゃ二分持たないだろう。

 

俺の所は如何にも若そうな兵士が一人だけだが、兵士は腰に短杖を差している。もしも俺が暴れたら魔法で応戦するつもりなんだろう。

 

「それで?君達の目的はなんだね?早く吐いてしまった方が身の為だ」

 

「だから、依頼の帰り道に盗賊団を置きに寄っただけですって!」

 

「どうせあの盗賊団の仲間なんだろう?」

 

そのあと一時間近くこのやり取りが続いた。

 

いい加減にしてくれないかな?

俺、キレるよ?

 

「じゃあなに?どうしても俺に盗賊団の仲間になって町を蹂躙し尽くさせたい訳?」

 

「我々は貴様らが盗賊の仲間でないか疑っているだけだ」

 

疑っている?決めつけているの間違いだろ 

 

「じゃああいつらの内の何人かを殺せばいい?それで開放してくれるならやるけど?」

 

「ふっ、そう言って仲間を逃がすつもりだろ?そんな事はとっくの昔にバレてんだ!」

 

「はあ~?お前は物分かりの悪い兵士だな…」

 

「いや、お前が物分かりが悪いんだ。ここにおいて私はお前が盗賊の仲間でない事を絶対に認めない。その際事実か虚偽かはどうでもいいのだよ」

 

どうも俺達を盗賊に仕立て上げることで何かあるらしい。 

 

「持久戦か…面倒な限りだな」

 

「貴様がさっさと認めればこんなことをしなくて済むんだがな」

 

兵士はベルトに下げた短杖を手に取る。

 

「まさかの実力行使かよ」

 

『水よ彼の者を穿て ウォーターバレット』


◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ソウ:「狭い部屋にどうやって持ち込んだのかわからない大きさの机と椅子がある状態でどうやって魔法を回避すればいいでしょうか?」

 

ジン:「詠唱が終わる前に殴る」

 

レン:「ΔTフィールド全開!」

 

作者:「トラップカードオープン!聖なるバリア─ミ〇ーフォース!」

 

ソウ:「後ろ二人はダメだよ?丸パクリだからね?なんでもかんでも伏せ字使えば許されるなんて大間違いだから」


◇◆◇◆◇◆◇◆

 

上のなんやかんやは置いといて

 

咄嗟に俺はテーブルをちゃぶ台の様に掬い上げて盾にする。

 

水の弾丸はテーブルに命中して炸裂して辺りを水浸しにする。

 

俺はテーブルを押しながら突進して、兵士を壁に押し付け、ゲームの時と同じ要領で相手の頚筋にハイキックを入れる。

 

ゴキッ

 

明らかに何かが外れる音がした。

 

そして兵士はそのまま項垂れて動かなくなる。

ついでに言えば赤い泡も吹いてる。


たぶん口のなかを切ったのか、舌を噛んだんだろう。

 

さくっと兵士の杖と鍵を拝借する。

 

「誰か居ますか?兵士の方が意識不明の渋滞で三途の川の畔で散歩してますよ~」

 

すると槍を持った兵士が三人出てくる。

 

「貴様も算数ぐらい解るだろ?三対一だ大人しくしろ!」

 

「悪いけど、俺、1:16までは普通だと思うから大人しく出来ないな『我、時を繰る者、我が意に沿いて内なる時の流れを加速させろ!タイムフルブースト』

 

1:16と言ったのはゲームにおいてキツくなるのが俺:敵=1:16ぐらいだから。

※個人の感想です。

 

一気に五百倍まで加速させる。

 

手加減する気は毛頭ない。

 

容赦なく一番左の兵士の首にハイキックを入れる。

 

そして少しタイムフルブーストを弱めると、右の兵士は左の兵士を巻き込んで壁にめり込んだ。

 

俺はもう一度五百倍速にもどして真ん中の男の腹に拳を捩じ込み、そのままアッパーカットに持ち込もうとしてみるが上手く顎を打つことができなかった。

 

そしてタイムフルブーストを解除すると、兵士は見事に飛んで地面に転がった。

 

「んで、もうちょっと話が通じる兵士いないのかよ…あっ荷物あった」

 

俺はぞんざいに置かれている荷物の中からトランクと刀とコートだけ持ち出す。


「フウカさん達の荷物も届けてくるか…」

 

俺はその場にある荷物を全部トランクにしまって代わりに緑の液体の入った瓶を取り出す。

 

とりあえず床に転がってるやつと壁にめり込んでるやつを並べて、液体を飲ませる。


息はしているからそのうち目覚めるだろう。

 

問題は最初の兵士だ。

 

まあ死んでたら、時間戻して無理矢理生かすか。

 

元の部屋に戻ってくると兵士は虫の息だった。

 

このままじゃ助からないかな

まあしょうがないか

 

『我は時を繰る者、我が意に沿いて彼の者の時を戻せ リウィンド』

 

すると男の顔色が徐々に良くなり、垂れた血が昇っていき、首が元に戻った。

 

そして時間の流れを元に戻した直後、首が急に圧力を掛けられたかのように歪んで元の折れた状態に戻る。

 

「さて、今なら助かる筈だ」

 

俺はそいつの口にポーションを流し込む。

 

さて、二人を探して帰るかずらかるか

 

俺はこの部屋の隣の部屋の扉を破る。

 

「鍵ないから蹴破らせて貰いましたよ?」

 

と言ったものの中には誰も居なかった。

 

今度こそとその向かいの扉を蹴破る

 

「今度こそ誰かいるよね?」

 

その部屋ではある種の尋問が行われていた。

 

兵士二人とフウカさんとケイトさんの四人がその部屋にいて、片方の兵士は藤色の魔法陣で壁に押し付けられて、首輪のように藤色の魔法陣があてがわれており、もう片方の横の壁は何か物凄く鋭利な物で抉り取られたような穴が空いており、兵士の四肢と頭に黄緑色に輝きながら回転する魔法陣が突きつけられている。

 

「あっ、ソウジ君は無事だった?」

 

「俺の所より派手にやってますね」

 

「ちょっと待ってね?もう少し訊きたいことがあるから」

 

「俺は絶対に口が裂けても言わないぞ!」

 

「あっそう?じゃあ試してみましょうか」

 

フウカさんの掌に緑色に輝く短剣が現れる。

 

たぶん風を造形して作ったんだろう。

 

フウカさんはその短剣で兵士の口から左側の頬の半ばまで剣を宛てて裂く。

 

「うびっ!!」

 

兵士は変な悲鳴を上げる。

  

裂かれた場所から血が吹き出すがその血は即座に乾いて跡形もなく砕けた。

 

直ぐに傷口がただれ始め、あっという間に灰色に近くなり、固くなった部位から砕けた。


グロいことするな~

 

風の短剣に風化と腐食と乾燥の効果を付与したらしい。


「ぜったいに・・・しゃっべる・・・ものか・・・」

 

「ふーん、じゃあもう一本行ってみましょうか」

 

フウカさんは右側を同じように切り裂く

 

「ぎゃあぁ!!」

 

「まだ喋らないんですか?じゃあ親指から順番に切り落として行きますね。喋るつもりがあるなら早くした方が身のためですよ」

 

フウカさんは特に気にする様子もなく、兵士の親指の半ばから小指の付け根にかけて切断した。

 

ケイトはいつも通り苦笑してなかった。 

ケイトさんも今回ばかりは笑えていなかった。

 

まあ、目の前で尋問もとい拷問を見せつけられたらそりゃね 

 

「順番にはどこに言ったんですか?」

 

「順番に切ったじゃないですか、親指掌、小指の順番に一気に切り落としましたよ?」

 

「確かにそうですね」

 

確かに順番にとは言ったが一本ずつとは言ってなかった。

 

「まだ喋らないんですか?じゃあ切断面から肩に向かって切ってきますね」

 

フウカさんは短剣を切断面に当てると、一気に肩まで切り裂いた。

 

傷口が同じく腐食して乾燥して風化していく。

 

「なんかどうでもよくなってきました。終わりにしましょう」

 

「まっまて!しゃべるしゃべるから!」

 

「もう遅いですよ」

 

フウカさんは話を聞かずに魔法陣を全て起動させる。

 

魔法陣は五発の緑色の球体に変化して岩をも切り裂く風の刃を炸裂させる。

兵士はその場に砂だけを残して消滅した。

 

「うわー・・・」

 

「ソウジ君、壁だけ直しちゃって」

 

『我、時を繰る者、我が意に沿いて彼の者の時を戻したまえ リウィンド』

 

みるみる壁が再生していき、あっと言う間に何もなかったかのようになった。

 

ついでに壁の時間も止めたからもうこれ以上劣化することもないだろう。

 

その作業を何度か行って、壊した家具と扉と壁を直した。

 

所で交代の兵士が入ってきた。

交代の兵士に彼らが目覚めたら「取り調べが終わった彼らを帰した」と伝えてくれるように頼んで俺達は詰所を出た。

 

「いやー、なんか面倒なことに巻き込まれかけましたね」

 

「大したことじゃないわ。どうせ盗賊の変装を見破ったって事にして手柄を挙げたかったんでしょ。ときどき居るわ」

 

「一人行方不明者が出ましたね」

 

「まあ、この辺の町で行方不明なんてザラだしいいんじゃない?」

 

「ギルドを通じてお咎めが来なければいいですけど」

 

「それはないでしょうね。ギルドは国とは別の自治組織で、その手の犯罪に関しては国と連携を取ってる訳じゃないからね。多少賞金首の張り紙を貼る程度だし。もしもお咎めが来てもお金で黙らせるなり権力で黙らせるなり、なんなら実力で黙らせてもいいしね」

 

「いろいろ、物騒ですね~」

 

「その刀を腰に差した上でそれ言うの?」

 

「それもそうですね」 

 

俺たちはかなり飛んでアリシアのすぐ南側の町「アライ」で休む事にした。

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