私の心はお邪魔虫
作者:「今回は豪華二本立てです!」
レン:「なんで?」
作者:「ちょっとテンション上がって続き書いたら上げたくなっちゃったから」
収穫祭の夜
私たち六人は戦場の華の屋敷の庭で、フウカさんの樽酒とソウジ君とケイトさんと私の三人で作った晩御飯を食べながら、後夜祭の魔道花火を眺めている。
フウカさんはケイトさんの隣で魔道花火に目を輝かせている。
ユリはデザートは自分が作ると言い張るツバキを止めている。
そして私は…ただ眺めている事しか出来なかった。
ソウジ君はと言うと、薬のストックを取りに行くとと言ってトランクを持って厨房に入っていってしまった。
こうして私は、何か周りより一段劣った気分を噛み締めているのだ。
正直、二人の隣に座って空気を壊してしまいたい。
私もあの場所に居たい。
でも、それは出来ない。
物理的に出来ない訳でも、魔法的に出来ない訳でもない
したいといいながら、頑なにしたくないと思っている自分がいる。
私はどうしたいんだろうか。
たぶん私はその答えを知っている。
でもそれはフウカさんが望む事ではなくて、ケイトさんが望む事でもなくて、ただ私がそう思っているだけ。
二人の前でも後ろでもなくて隣に居たい。
でも、それを言えばどうなるか私は容易く予想出来た。
だから私はそれを口にしないし、口に出来ない。
「ふっ」
諦めに満ちた息を吐いてユリさんのお手伝いに行くことにする。
「デザートなら手伝いますよ」
「あっソフィアさん、いいですよ晩御飯作って貰っちゃいましたし」
「いえ、厨房をお借りしたお礼ですよ」
「いえいえ、そんな貰いっぱなしじゃ」
「はー、戻った戻った。やっぱりこっちのが落ち着くな」
すると盆を持ったソウジ君が厨房から出てきた。
「あっ、厨房お借りしました(門を使うために)」
「あっ、もしかしてデザート作って来てくれちゃったり」
「しましたね。(まあ、向こうでシステムアシスト使って作ってきたけど)」
「なんか、何から何まですいません」
「招いてるのに、全然もてなせてなくてすいません」
「いえ、気にしないでください。趣味でやっている事なので。フウカさんケイトさん、デザート出来ましたよ」
「ソウジ君ありがとね」
「いえいえ、泊めて貰ってる身なので責めてこれぐらいはしますよ」
「家の食生活の半分以上を支えてもらっちゃってるし、そんなこと気にしなくていいのに」
「いや、掃除に関してはフウカさんに手伝って貰っちゃってますし。戦闘に関してもケイトさんのアシストあっての事なので」
「ソウジ君、今日のデザート何?」
「ちょっと季節外れですがアイスクリームです」
「あいすくりーむ?」
「I skream?」
「I don't skream.じゃなくて牛乳と玉子と砂糖と乳脂をよく撹拌しながら冷やして作るお菓子です」
「よくこんなお菓子を思い付きますね」
「いえ、故郷でよく食べたお菓子なので」
「そうなんですか」
私は渡されたそれを口に含む
「美味しい。パイとかにも合いそう」
「そうですね、パンケーキとかと合わせても言いかもしれませんね。(これなら商品化…いや無理だな」
そうして考えている内にソウジ君はレンと呼ばれていた黒い人にアイスクリームを盗られた。
「あはは、考え事なんかしてるからだよ」
「それ、俺のだぞ!」
「あっコレ、ミルキーバイソンの乳と灰翼竜の玉子と砂糖で作った物を持ってきたね?あっバニラエッセンスも入ってる」
「一口で材料全部当てるとかガチ人外過ぎて笑えてくるな」
「まあ、君からしたら大してレアアイテムじゃ無さそう出しね」
「まあな」
とよく解らない会話を走りながらしている。
「腹痛くなってきた」
「食べて直ぐに走るからだよ」
「ソウジ君大丈夫?」
私も一応駆け寄る
「大丈夫です」
「あっそうそう、ソウジ君このあと日が変わる頃に時間ある?」
「依頼か?」
「いや、ちょっと遊べないかな?って」
「うーん、今日は疲れたから寝る。明日でいいなら参加する」
「じゃあさー、今日晩メールしとくね」
「あいよ」
「あと、アイス美味しかったよ」
レンは机の上に皿を残して人蹴りで屋敷を越えて闇夜に消えた。
「あの人何者?」
「人外野郎です」
そして私たちは片付けをしてその場はお開きにした。
▲▽▲▽▲▽▲▽
そして帰り道
「ソフィアさんはどうします?泊まって行きますか?」
「今日は帰ります。今日はありがとうございました。おかげでいい思いでが出来ました」
「いえ、私はただ振り回しただけですよ」
「楽しかったですよ。これからもよろしくお願いしますね」
「正規雇用のお話は」
「仕事仲間としてじゃなくて友達として」
「こちらこそよろしくお願いします」
私は今自分が帰るべき場所に向かって歩みを進めた。
今は友達で我慢する。
だってそれが一番皆が幸せで居られるから。