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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
作者の手抜きの閑話編
110/260

ソフィアとロック鳥+ソウジとセイ 出会う

「んっ、私は空から落ちて…」


気がつくと、私は地上で毛玉を枕にしていた。

毛玉は毛玉でも羽毛の毛玉で、触り心地は絹に近く、とっても温かい


「…こんな高級な羽毛布団仕入れたっけ…」


(いやちょっと待った。

私の今日のスケジュールは通常運転だったはず・・・

あわわわ、無断欠勤だこれ

大変だよ

皆に迷惑かけちゃったよ

どうしよう・・・


『皆に迷惑かけた→解雇(クビ)=死』


あわわわ、それだけは阻止しないと今後の生活がー・・

住み込みOKでここまでいい職場は無いだろうし・・・)


「ソフィアさん?」


「ひいぃっ、解雇だけは許して下さい」


「ソフィアさん?大丈夫ですか?」


「解雇ってなんの事ですか?」


「ちょっとしたミスで…有給休暇の申請書を提出してくるのを忘れてしまって、最悪の場合は・・・」


「そういう事ですか…う~ん…まあなんとかなると思いますよ。ちょっと不透明で不安定要素がいくつか(ボソッ」


「ちょっとフウカさん!?そんな不安になるようなこと言わないで下さいよ!」


「大丈夫ですよ。たぶん」


「たぶんとか言わないで下さいよー」


「おかあさん?」


毛玉が喋った


「わっ喋ったっ!?ってこの毛玉、娘さんか!」


「じゃないですね。はじめましてリンです」


「どどうもはじめまして、ソフィア・アリシアです。フウカさんにお世話になってます」


「こちらこそ、いつもおかあさんがおせわになってます」


「ちょちょっとリン?さっきから思ってたけどいつの間に言葉を覚えたの?」


「ちょっと前にさいていげん?の言葉をエルおじさんに教えてもらって、それからはおじさんとのお話の時とかにちょっとずつべんきょーして、今もお二人のお話を聞いてべんきょーしました」


「リンちゃんは頭がいいんだね」


「リンも大空の支配者の末裔だからね」


「大空の支配者って言うと?」


「ロック鳥の長の事ですよ」


「ロック鳥って童話とかで出てくる大きい鳥型の魔物のロック鳥ですか?」


「童話の方は確認してませんがたぶんそのロック鳥ですよ」


「なんかフウカさんが遠く感じます」


「私は特別な事をした訳じゃないですよ?」


「ただリンのおかあさんなだけですよ」


「とりあえず、ソウジ君が作ってくれた朝ごはん食べましょう。茹で玉子は破裂してしまってもうありませんがスープとパンは無事なので」


「そうですね」


フウカはバスケットからパンを取り出した。


▲▽▲▽▲▽▲▽


その頃俺はというと


「不自然なぐらい静かだ」


人っ子どころかゴロツキ1人いない裏路地を歩いていた。


普段ならそろそろ通行料を寄越せって絡まれるころなんだけど…今日は大丈夫そうだな。

なにも無さすぎて逆に不気味だ。後で皺寄せがこなければいいが


とか考えながら歩いていると少し開けた場所に出た。

広場の隅の方に幾つもの木箱が積まれている。


その奥の影になったところに椅子に縛り付けられた金髪の少年が居る。


そして敢えて無視していたが、その少年を取り囲むように汚ならしい身なりのゴロツキがひーふーみーよーあと沢山


ゴロツキは全員が各々の武器を手に睨み合っている。

少年はこっちに気がついて目で助けを求めてくる。

が面倒だから無視して木箱の裏に隠れることにする。


すると少年はフガフガ騒ぎ出す。


それに対して近くに居た男が首筋にナイフを突きつけて突きつけて一言


「黙れ」


そして再び沈黙が訪れると思っていたが事態は俺の予想とは逆の方向に進んだ。


金属が擦れる音と石畳の割れる音が響き

ナイフ男は血肉を飛び散らせて左右に飛び散った。

ナイフ男が居た場所にはかなり大きな両手斧が刺さっており、血に濡れた石畳は真っ二つになっている。


そして斧を振り下ろした筋肉男は幾本もの剣や槍で背中を刺されて倒れた。

それを起点に乱闘になってしまった。

金属をぶつけ合う音が響き、血が足下を真っ赤に染め上げて、人がバタバタ倒れていく。

次々と武器が駄目になり、武器が使い物にならなくなった者は敵だったものから武器を奪って奮う。


「ザッリアル大乱闘って感じだな」


とか考えながら見ていると石畳に突き刺さっていた斧が飛んできて木箱を破壊した。

俺の姿が露になる。


全員の注意がこっちに向く。


「しょうがない、遊んでやるよこの愚図共」


俺は斧を拾い上げて、大剣を振る要領で振り回して、近くに居た男を斜めに切り上げて真っ二つにしてやった。


男の下半分は地面を転がっていき、上半分は山なりに飛んで俺の真横に頭から落下してきた。


そして一番図体のでかい男に投げつける(タイムコントロールで時間の流れを約五倍にした上で)


斧は男の向こう側の建物の壁の向こう側に向かって奇跡を残して消え、男は胸部に確りと切れ目と言うよりは穴に近い斧の痕跡を残してその場に崩れ落ちた。


「ほら、ボサっとしないでくれる?戦いはまだ始まったばかりなんだからさ」


俺は足下に転がっていた木箱の破片の破片を拾い上げて、タイムコントロールを付与して投擲する。


木片は音速を越えて飛び、ゴロツキの肉体は爆発する。


「ほら、せめて逃げてくれないと俺がつまらないからさ」


俺はまた木片を投げつける。


バンッ


衝撃波が近くのガラス細工や窓を破壊する。


遊びはまだ始まったばかりだ。

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