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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
作者の手抜きの閑話編
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そして朝が来る

ソウジは銀次郎を片手に作業小屋まで戻ってきた。


「お前、ゴーレムに戻れるか?」


銀次郎はヴヴヴヴヴと振動するだけ


「イエスなのかノーなのかさえわからん」


銀次郎は振動するのみ


「とりあえず体を作ってやるからちょっと待ってろ」


ソウジは炉に石炭を放り込んで錬金術師アルケミストの能力で火を起こす。


そしてウインドウを開き炉を選択してそこにこの前手に入れたミスリル鉱石を大量に投入する。

するとウインドウに『ミスリル鉱石100/100→ミスリルインゴット×28 要時間300s』と表示される。

300秒も待つのはタルいから特技の時魔法で誤魔化すことにする。

ウインドウの数字が300から急速に変化して0になり『ミスリルインゴット×28を手に入れました』と表示される


「さてと、こっからは俺のスキルとステータスの見せどころだな」


インゴットをオブジェクト化して再び炉に入れて赤くなるまで熱して、鉄床に置いてハンマーを降り下ろす。


一回、二回、三回、四回、五回・・・


ハンマーを降り下ろすに連れてインゴットが光だし徐々に強くなる。


そしてある時急に形が変わりだし、二つに別れて、形が整っていき、光が治まるとそこには白銀のガンドレッドが一対あった。


更に幾つもインゴットを用意して腕部、胴部、頭部、腰部、脚部と次々に鎧を作成してあっという間に全身鎧が出来上がる。


「コレを体にできるか?」


銀次郎が光だし、各部位が浮かび上がって銀次郎を包み込み、二本の足で立ち、バラバラに崩れた。


銀次郎は力なく振動する。


「中身があったらどうにかなるか?」


銀次郎は強く振動する


「わかった、このインゴット」


ソウジは残っていたインゴットを取り出す。


すると銀次郎はインゴットを吸収して、ついでに炉の近くに置いてあったミスリル鉱石もごっそり吸い込んで、再び全身鎧を組み上げて、二本の足で力強く床を踏み締めて立ち上がった。


「動けるか?」


銀次郎は右の親指を立てる


「ビジュアル的に剣も欲しいなちょっと待ってろ」


そしてソウジはささっとインゴットを叩いて全身鎧に合うサイズの両手剣を打つ


「ほらコレ」


ソウジは両手剣を銀次郎に手渡し

銀次郎は両手剣を受け取って吸収した。


「あーあ、やっちゃった…」


ソウジの残念そうな声を聞いたからか銀次郎は取り込んだミスリルと同じ量のミスリルを利用して剣を再構築した。


「戻せるなら別に吸収しといていいんだけど」


銀次郎は再び剣を吸収する。


「うん、じゃあ銀次郎には俺が居ない間の留守番を頼みたいんだ。魔物は殺してよし、人間は生捕りにして、小屋に誰も入れちゃダメだからね?」


銀次郎は敬礼する


「じゃあ頼むな」


ソウジはウインドウに触れてログアウトする。


視界が白くなり真っ暗になる。

ソウジはヘルメットを外して周りを見る。


「暗っ・・・」


そしてソウジはそのままその場に倒れこんで深い眠りに落ちた。


そして二時間半が過ぎて


「んっ、ここは…トランクの中か…出口は…ないと」


辺を見回すが出口らしき物はなかった。


「二度寝するか」


ソウジは毛布にくるまってその場に転がった


そのとき外ではユリがうつらうつらしながら見張りをしていた。


時刻は5時40分、東の空が白み始めた。


ついでに言うとこのときフウカはトランクにこもって便利な道具の開発に努めていた。



そして更に二時間後


目の前にあったのは見慣れた月光の竹林亭の住み込みの従業員用の部屋の天井ではなかった。


「確か昨日はフウカさんと飲みにいって、ボトルを二本空けて…そこからの記憶があやふや」


ソフィアは部屋の内を見る


そこらじゅうに水晶球が入った箱と本が塔を作っており、机の上には見たこともない文字が書き連ねられた紙が大量に乗せられており、その上に文鎮の代わりのように紫色の宝石が入った箱が乗せられており、机の真ん中に色々な物を強引にどかして作ったと思われるスペースが作られており、今そこには何かのデザイン画と思われる物が書かれた紙が数枚広がっている。


「ここどこ?」


床にフウカのトランクが開けっ放しで置かれている。


「ということはここはフウカさんの部屋なのかな?」


トランクを注意して見てみると中身が全く見えないのです。まるで中に闇が入っているかのように。

そして私はつい気になってトランクを覗いてしまったのです。


そしてトランクの縁に手をかけて中を覗き込むとそこには底がなくずっと下にトランクの大きさの何百倍も広い底に色々な物と幾つもの藤色の箱が置かれている。なかでも目立つのは見たことない草が文字どおり山のように積み上げられたそれだ。

部屋といいトランクといいフウカさんは不思議な人です。


カンッカンッカンッ


突然何処からか木を叩くような音がして、驚いた私は手を滑らしてトランクの中に落ちた。


「あっ。」


(せめてあの草の上がいい)

と思って山に手を伸ばすと山に手が届き

私は山の上に落ちて山を崩した。


「助かった…」


そしてこの乱立する藤色の箱の森のぬしが棒の先端にたわしを付けたモノを持って文字どおり飛んで来た。


「大丈夫ですか、ソフィアさん?」


「私は大丈夫です、でも草の山が…」


「ああ、この雑草の山なら別にどうなっても構わないので気にしないでください」


「でもちょっと崩れて…」


「このぐらいなら放置で大丈夫ですよ。それより顔色があまりよくないようですけど大丈夫ですか?」


「私は大じょ~ふで・・・」


急に目眩がしてきて頭が痛くなる


「・・・大丈夫です」


「二日酔いですね、まだ時間がありますから上で休んでください。私は今から家事を片付けるので」


私はフウカさんに抱えられてトランクから脱出して、フウカさんのベッドに寝かされた


「ではおとなしく寝ていて下さいね」


「私も手伝い・・」


「ソフィアさんがいないと月光の竹林が回らなくなっちゃうので今はおとなしく休んでください」


そしてフウカは部屋を出ていった。


「あっ、ついでに水と二日酔いの薬を用意したので飲んでおいて下さいね」


フウカはベッドの脇のサイドテーブルの上に水と白い丸薬を置いて出ていった


「なにからなにまで申し訳ないな」


フウカは「棒の先端にたわしを付けたモノ」デッキブラシを片手に浴室に向かいささっと浴室を掃除して、ついでに水魔法でお湯を張っておく。

そしてモップ(自作)で廊下を掃除して、手摺を拭いて、紅茶をいれて、階段を掃除する。


「君もよく働くよね」


レンが地下室から上がってくる


「やらなきゃいけないので」


「ジン君みたいなこと言ってるし」


「あなたも少しは働いたらどうですか?」


「ヤダよ、そんなの。僕はもう行くよ」


そしてレンは二階を経由して姿を消した。


そして入れ替わる様にジンが現れる


「今ここにレンが来なかったか?」


「もう行きました」


「わかった感謝する」


そしてジンは姿を消す、足下にリ○インを残して


「24時間戦えと?」


さらに入れ替わる様にジンが現れる


「今ここに俺が来なかったか?」


「来ましたけど?」


「そいつがルパ痛っ」


「はいはい、レンですね?わかってますから邪魔しないでくれますか?」


「バレちゃしょうがないか」


レンはジンの顔のマスクを外す


「わかりきったことしてないでさっさと帰ってください」


「なんだ詰まんないの、はいコレ君に上げる。ジン君似の君にはちょうどいいよ」


レンはこっちにリゲ○ンを放り投げて姿を消した。


「またリゲイ○…」


私は○ゲインのキャップに手をかける


「飲むなっ!」


急に現れたジンがリ○インを二本とも取り上げる


「危うくレンの変身薬を飲むところだったな」


「片方はあなたが置いていった物ですよ?」


「それはレンだ」


「二回目に来たのが?」


「ああ」


「じゃあ今私の前に立っているのは?」


「ジンだ」


「ちぇ、ジン君の邪魔さえなければ」


レンが階段の途中に現れ

レンの下から椅子が生えてきて

レンを強制的に座らせて虚空から現れた鎖がレンを椅子に縛り付ける。


「よし、かかったな、内の駄神が迷惑をかけたな。コレは礼というか詫びというかだ」


ジンはリ○ビタンDを箱で私に渡して、椅子を小脇に抱えて姿を消した。


「なんだったのやら」


そして私はソフィアさんの様子を見に行く


ソフィアさんは静かに横になっていた。


「ソフィアさん?大丈夫ですか?」


「はい、フウカさんから頂いたお薬のおかげでかなり楽になりました」


「それは良かったです。お風呂を沸かしたので動けますか」


「ほんとになにから何まですいません」


「いえいえ、困った時はお互い様ですよ」


「困った時はお互い様?」


「昔、何処かで知った何処かの国のことわざですよ」


「いい言葉ですね」


そしてフウカはソフィアを浴室まで連れていき


自分は空間魔法と水魔法でトランクの中に簡易の浴室を作って適当に済ませた。


そしてその日の朝食にリポビ○ンDが食卓にならんだのが何故かは並べた本人もわからない。


そして朝食を食べて8時30分頃に通勤、月光の竹林亭に着いたのは8時40分頃だった。



その頃ソウジ達一行はと言うと


遅めの朝食をとっていた。


メニューは

ソウジのトランクに入っていた米と豚の余った部分で作った豚汁と昨日のスープの残り


「ソウジ君、なんでパンじゃなくてライスなの?」


「前まで居た所が米食の文化で長いこといたら習慣が染み付いちゃって時折、朝食にお米をたべたくなるんですよね」


嘘は言っていない。

日本で朝食に米を食べたのなんかほとんどないけどな


「へー、アリシアはパンも米もあるけど南ゼレゼス王国はパン食の所が多いから私はパンが当たり前って感じだったな」


「じゃあ片付けしてさっさと帰りましょう」


「そうですね、今から出発すれば昼前には付けるだろうし、ささっと片付けて帰りましょうか」


「そうですね」


そして四人は片付けをして出発した。


途中でズルをしようとする輩が出たりもしたが


なんだかんだでアリシアに戻ってきて

四人はそのままギルドに行って解散した。

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