ソウジとミスリルゴーレム 前編
作者:「遅刻だー」
レン:「はいアウトー」
作者:「すいませんでした。それと閑話編延長のお知らせです。区切りのいいとこまで延長しまーす」
レン:「なんで?」
作者:「なんか長引いちゃって細切れにしたら更新回数が増えちゃった笑笑」
l外に眠れない三人組を残してトランクに入ったソウジは黒い猪の散らばる出入り口付近を抜けてレン印のフルダイブ設備のセットの近くに来る。
「あの二人の前でフルダイブはできないわな」
ソウジは道中拾ってきた毛布を敷いてその上に寝転がり、いつものメットを被り、目をつぶる
「リープ ザ リアル」
視界は真っ白になり、その風景も蒼い閃光に掻き消されて
色々な物が乱雑に置かれた部屋に変わる。
「さてと、いつも通りにやろうかな」
ソウジは新着メールに目を通す
『鉄鉱石×99の納品依頼、報酬は40000まで、期限は10日』
『昆虫種の甲殻25個の納品を頼みたい。報酬は5000ぐらい期限は五日ぐらいでどうだろうか』
『天神龍討伐の助っ人を頼めるか?報酬はメールに添付したのでどうだ?足りなければ当日に賃上げ交渉してくれ、時間は報酬と一緒に送ったタイマーが教えてくれる。合流場所は下に貼ったマップの場所だ。じゃあよろしくな』
「鉄鉱石そんなに有ったか?」
さてと、なぜこんなメールが俺に届いているのかを説明しようかな。
実は俺はジッシーズで何でも屋を営んでいる。
どうしていままで言わなかったって?
ゲーム内での事をリアルでしゃべるのは得策とは言えないでしょ?
それ以外にも作者が設定を現在進行形で作成中とかメタイ話もあるが一先ずは保留にする。
まあ要するに俺がこっちで青髪の野良猫っていうよろず屋をやっているから依頼のメールが来るってことで、別にあっちで青髪の野良猫から薬を貰ったっていうのも嘘じゃない。
俺が作って俺にプレゼントした、ちょっと無理があるかもしれないが嘘ではない。
◇◆◇◆◇◆◇◆
作者:「また、ナレーション奪われた」
ジン:「こればっかりはしょうがない」
レン:「ねぇ?また世界観借りてるの?」
作者:「いや、だって廃ゲーマーなら毎日ゲームしないと」
レン:「でもさー、やり過ぎも良くないよ?」
作者:「そーですねー」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「有ったよ、ギリギリ有ったよ鉄鉱石」
ソウジは鉄鉱石をメールに添付して送り返した。
昆虫種の甲殻に関しても同じように送り返す。
「天神龍ウェテルビウスって言うと・・・」
暫しの沈黙
「あーポワドラか。時間はあと一日、無関係なプレイヤーがいるから力は使えない…まあ、どうにかなるか」
そして次のメールを見る
差出人はrenren言うまでもなくレンだ
『いやー驚いたね。まさか葵ちゃんのパーティーが相討つような相手が出てくるとはね。ちょっとしたニュースになってるよ。相手のモンスターはNMミスリルゴーレム・ファイナルナンバーっていうゴーレムらしいよ。噂によれば相当賢いAIを搭載してるらしい、葵ちゃんのパーティーと相討ったあとは負けなしで勝ち続けて学習してきてるらしいから、もうプレイヤーじゃ太刀打ちできないんじゃないかな?マップデータも貼っとくよ僕からは以上だよ。健闘を祈ってるよ。P.S.新しい薬作ったからまた飲まされといて』
「薬は作らんでいい…にしても最近のNMは強いな。これは明らかに俺に葵さんの仇をとって来いって言ってるよな…まあ気になるから行くんだけどさ…」
俺はパッと準備をして、ハニー(召喚笛で呼び出した愛馬)に跨がり、ベイグルのギルドまで走った。
そしてギルドにいる情報屋を訪ねる。
「アレだろ?死神のパーティーがボロ負けしたってやつ」
「そうそれだ、いくらで売ってくれる?」
「そうだなー、新作の両手剣の優先権と二割引きでどうだ?」
「わかった、次に作る両手剣を優先的に二割引きで売ってやる」
「交渉成立だ、確か死神パーティーが相討ったのは昨日だな、三人でNMに挑んだらしい。それで異様に固いやつで二人は赤まで減ったらしい。NMの名はミスリルゴーレム・ファイナルナンバー。大層な名前に見会うだけの能力を持っている。特殊攻撃は無いが物理DMのカット率が半端じゃないらしい、魔法特効は健在らしいが属性攻撃が無効になるらしい。今まで闘った奴らが言うにはそれ以外は普通のゴーレムと同じらしいぞ、まあどいつもこいつもHPバーを4分の1削るぐらいしか出来なかったんだけどな」
「攻略トッププレイヤー集団はどうだったんだよ」
「あいつらは何とか4分の1まで削ったが高速回転殴り付けを食らって粉微塵にされたらしい」
「攻撃力も無茶苦茶高いと」
「それに何度も挑んでる奴曰く戦う度に強くなってるらしい、学習型AIを載せてんだろうと俺は見ている。もう軽く百人ぐらいが挑んだから、もう勝ち目は殆どないだろうな」
「ちょっと潰してくるかな。バランスブレイカーは早急に排除しないとゲームが面白くなくなるからな」
「やめとけ青髪、最近のNMは異常に強い。それこそ例の伝説の二人組に対応しようとしているかと思えるぐらいにな。無駄にデスペナルティーを背負うことになるぞ」
「情報ありがとう。新作の両手剣には期待してくれ。純度の高いミスリルで作るつもりだ」
「じゃあ、お互い教会とかでばったり会わねーように気を付けようぜ」
俺はさっさとギルドを出てゴーレムの出現ポイントまでグリで飛んだ
「あれがそうかな?」
レンのメールに添付されていたマップデータの目的地の上には昨日のミスリルガーディアンに似たゴーレムが4つの四人パーティー計16人を相手にしていた。
大規模戦闘が行われていた。
いくつか攻略最前線で見た顔もある。
「あの面子で3分の1しか削れないとか固すぎでしょ」
『MP温存しながら行くぞ!』
『どわあああー』ドサッ、パキィィィン
『・・・19秒止まっとけ!!』
『アースブレイク!』
『デッドリースイング』
『どっひゃー』ちゅどーーん、パパパパキイィィン
「かなり頑張るな」
ゴーレムのバーも半分削れた
「どうせ攻撃パターン変わるんだろ?」
そしてゴーレムは両手を広げて回りだし
移動すること数秒、残りは八人
「まあまあ、まだいけるね」
ゴーレムの胸部から極太レーザーが
ビキューーン、ドーーン
『そんなのありかよーー(泣)』パキイィィン
『マジか、お疲れーー(汗)キラッ』パキイィィン
二人死んであと六人
ゴーレムは両手から小レーザーを出してそれぞれがプレイヤーを撃ち抜く
『グフッ、とは違うのだよ(笑)』パキイィィン
『グ○じゃなくてザ○な』パキイィィン
二人死んであと四人
どうやらタンクの大技「アーマードガーディアン」を発動してる奴がいるらしい四人はソイツを盾にして生き残ったようだ。
小レーザーが終了してゴーレムは一度止まる
「大技の後に大きな隙があるのか」
そこに四人がたたみ掛ける
「おお?残り3分の1だいけるか?」
四人はスーパーアーマー系のスキルを使う
「うむ、流石は最前線の人々」
するとゴーレムは白い光を放ち極太レーザーで凪ぎ払った。
そしてレーザー掃射が終了するとそこには既に誰も居なかった。
「なんだ、あの攻撃」
そしてゴーレムが蒼い光に包まれると体力が全快した。
ソウジは刀の切っ先をゴーレムに向ける
「じゃあ始めますか『「其は氷、其は弾丸、其奴を穿ちて凍てつかせよ 氷雪の弾丸』
切っ先に魔方陣が描かれ氷の弾丸が飛び出しゴーレムの左肩に当たって跳ね返る。
「属性無効、物理D半減ってかんじかな」
「とりあえず小手調べに」
ソウジは刀で斬ってみる
ゴーレムのHPに変化は無い
「カチカチだなおい」
ソウジは刀をクロスしてパンチを防ぐ
ガキンッ
あまりの威力にソウジは吹っ飛ぶ
バーが半分になってしまった。
「イタタ、これは本気でやらなきゃダメだな」
ソウジはポーションを一本飲み干す
「よーしやるぞー、コンバートリアル!」
そして、ソウジの姿は男装少女(正しくは女体化少年)に変わる
「ちょっと動きにくいな」
ソウジは小瓶を取り出し飲み干す
するとソウジの体が光に包まれていつも通りに戻った
「これでよしと」
ゴーレムが腕を降り下ろす
それを何とか回避して詠みあげる
『─────タイムフルブースト』
するとソウジ以外の全てが止まるいや
ソウジが物凄い速さで動いているのだ
「1秒で500秒も寿命が縮んじゃうからさっさとやろう」
ソウジは本を開いて空中に魔法陣を作り出し、自分のトランクに繋げて必要な道具を用意した。
レン印の武器の中でも変り者な武器「ガ○ダムハンマー」とその他鈍器を取り出した
そこからは長かった
ハンマーで殴り、モーニングスターで殴り、大剣で殴り、ダンベルで殴り、大槌で殴り、今はピッケルで殴っている
バーももう4分の3は削れた。
感覚では殴りはじめてそろそろ一時間ぐらいたった気がするから実際は・・・7秒ちょっとだな
もうあと1500秒(感覚)ぐらい殴り続けたら終わるだろう
ゴーレムの攻撃なんか端から当たらない(まだ一発しか攻撃されてない)し、正直ただの作業だと思う、いや誰がどう見てもただの作業だ。
段々殴るのも辛くなってきた。
バーはまだ4分の1弱残っている。
「長い…実に長い……」
そしてポケットにツルツルした何かが入っていることに気づく
ポケットから取り出してみるとそれは紫色の結晶で一見するとアメジストように見えるが、俺はコレが何か知っていた。
魔水晶だ。
以前、壱なる門の騒動のときに拾った魔水晶が未だにポケットに入っていたようだ。
「でもコレでいっか」
ソウジは少しチートな思い付きをした。
ソウジは水晶をゴーレムの胴と首の間に差し込んだ。
前にフウカが言っていたことを思い出したのだ
『高濃度の魔力は毒ですよ』
そして魔力のない世界のAIに魔力を大量に与えたらどうなるのか確かめたくなった。
そしてこのゴーレムは倒さなきゃならない相手であり魔法特効があるゴーレムでおあつらえ向きだった。
タイムフルブーストを10分の1ぐらいに抑える
ゴーレムが急に動き出して水晶を砕く
魔力が昇華して気体に変化し紫の霧はゴーレムに吸い込まれる。
そして急にゴーレムの動きが速くなり書く部位が砕ける。
レーザー掃射の準備中だった胸部は爆発、四散した。
「スゲーなおい」
タイムフルブーストを元に戻し世界はまたゆっくりになる。
爆発の中に銀色の球体があることに気づく
「核かな?」
俺は爆発を退けながら走ってコアを回収して爆発の中から脱出してタイムフルブーストを解除してコンバートしてソウジ・k・ミナヅキに戻る
爆発が終了してゴーレムの破片が消える
俺が持っているコアは消えなかった。
見る限り一応バーがある。
体力は1ドットしか残っていないが
ウインドウが現れる
『テイミングに成功しました。仲間にしますか?yes or no』
「しなかったらやっぱり死ぬんだろうな・・・」
ソウジはyesをタッチした
「お前の名前は銀次郎だ」
核のバーの横にginzirouと表記される
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ginzirou Lv0
種族:ゴーレムの核
材質:超高純度ミスリル鉄鋼
能力:物理D半減、魔法受け流し
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「まあ、目的は果たしたし帰るか」
そしてソウジは森の作業小屋に帰っていった