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ウインド─第一章、改稿作業予定─  作者: 水無月 蒼次
作者の手抜きの閑話編
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ソウジとケイトと戦場の華 その四

作者:「このサブタイトルはこれで最後にします」

レン:「それがいいよ」


フウカがソフィアを担いで帰っている頃ソウジは初めての見張りをしていた。


「俺が作れば良かった…」


「私もそう思うわ」


「私だって出来るもん料理ぐらい、今回はちょっと調子が悪かっただけで…」


「また練習しましょう」


ツバキの作った料理によって眠れなくなった人達の相手をしながら。

事の発端は数時間前に逆戻る


それはオークを引き摺って帰ってきたツバキさんが体を拭き終わり物陰から出てきた頃


「オークの解体は終わった?」


「はい、取り敢えず終わりました」


「足が二本足りなくない?」


「確かこの辺に置いといた筈なんですけど…」


そこに聞こえてくる妙に耳に付く鼻歌


「・・・・・にゃっにゃにゃっにゃにゃにゃ にゃっにゃにゃっにゃにゃにゃ にゃにゃにゃっ にゃにゃにゃっ にゃにゃにゃっ にゃにゃにゃっ にゃにゃにゃにゃにゃっ 上手に焼けましたー♪にゃっ」


ソウジが某狩りゲーの肉焼きセット風に焚き火を組んで、それっぽい曲を歌っていた。

焼いているのはオークの大腿と脹ら脛各二本


◇◆◇◆◇◆◇◆


レン:「いいなーこんが○肉」


ジン:「確かに美味いな」


作者:「どっから出したの?」


ジン:「レンの頭から出てる白いモヤモヤした何かから取った」


作者:「あーあの漫画とかで出てくるあの吹き出しね」


レン:「なっ!?僕のこ○がり肉が!」


作者:「君も食べる気だったのか」


レン:「当たり前じゃん」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「じゃあ私は残りで何か作るかな」


「ツバキさんも疲れてるでしょうし私がやりますからツバキさんは休んでいて下さい」


「大丈夫大丈夫、ユリだって疲れてるでしょ?それにさっきの戦闘で足引っ張っちゃたしこのぐらいは私がやるから、ね?」


「じゃあお願いしますね」


ユリは渋々引き下がる


「ケイトさん、阻止できませんでした」


「うん、覚悟して置こうか」


ツバキはオークをバラバラにしていき

下処理をして水を張った鍋に放り込んで

肉を焼き終えた肉焼きセットの残骸に乗せて煮込み初める


「確かソウジ君の魔力枯渇が問題だったよね~」


ツバキは大根のような形の葉っぱで根っこが四つに別れて茎と根の境い目が人間の顔のようになった薬草(たぶんマンドレイク)を刻んで鍋に放り込む


「疲れも取りたいから~」


更に黄色のゴツゴツした根の塊(パッと見ウコンそっくり)を少しすりおろして鍋に放り込む

更に茎の部分が赤みがかっていて葉っぱが凄い真っ直ぐな薬草(たぶん生姜)を刻んで鍋に放り込む


「後は傷の回復とかもあるとうれしいよね~」


ツバキはポーチから試験管を数本取り出してカラフルな色の液体(ポーション)をドボドボと鍋に放り込みグツグツ煮込む。

鍋の中身は赤紫色になっており薄紫に発光しておりとても美味しそうには見えなかったが内容を見る限りでは体には良さそうだ


◇◆◇◆◇◆◇◆


作者:「お前の目は腐っているな」


レン:「赤紫で薄紫に発光するスープが体にいい筈がないね」


ジン:「いや、薬としてはいいのかもしれない」


作者:「毒かな?」


レン:「過ぎたるは毒ってね」


◇◆◇◆◇◆◇◆


三人はそれを見守ることしか出来なかった

そうして出来上がったのは色んな形の塊が浮かび、薬草と魔法薬ポーションが何らかの反応を起こしているのかかき混ぜるとカラフルに光る謎のスープ


「完成」


一同は呆然と眺める…製作者だけが首を傾げている


「どうかした?」


「勝手に肉焼いてすいませんでした」


「なんで謝るんですか?」


「俺が鍋を作っていれば…むくっ」


「それ以上は言っちゃだめっ」


ケイトがソウジの口を塞ぐ


ツバキの目が潤み始める


────暗転────


「大丈夫ですよ、絶対おいしいって言ってくれますよ。ね?ソウジさん?」


そう言うユリの目は笑っていなかった


ソウジは両腕を縛られた状態でケイトを見る


「はい、きっとおいしいって言ってくれるわよね?」


ダメ押しで上目遣いで見てみるが

手を合わされてしまった。


◇◆◇◆◇◆◇◆


作者:「合掌、礼拝、チーン」


レン:「可哀想に、いい子だったのに神はなんて理不尽なんだ」


ジン:「お前が神だろ!」


レン:「そうなんだけどね」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「じゃあソウジさん、あーん」


「待った待った」


ユリは問答無用でソウジの口にスプーンを突っ込む


「んぐっ、えーっと苦くて、コクがあって、ときどき甘くて、魔力が凄く回復しますね」


ユリはスプーンを持ち上げる


「とっても美味しかったです」


ソウジはなんとかその一言を絞り出して力尽きようとするがスープの強壮効果のせいで倒れられなかった。


そしてそのあと、夕飯にスープも並んだが結局ほとんど残ってしまっているのが現状でソウジはスープの強壮効果のせいで眠れなくなった三人の会話に付き合いながら見張りをしていた。


「それは置いといてもうすぐ収穫祭じゃない?」


「そうですね、今年こそどこかで優勝したいです」


「私は今年も楽しむだけ」


「収穫祭って?」


「あー、ソウジ君は知らなかったね」


「この時期にやるお祭りですよ」


「この時期に旬の作物に因んだ催しが幾つかあって、それぞれの催しで優勝すると賞品とか賞金とかが貰えたり貰えなかったりでなんだかんだ盛り上がるんですよ」


「どんな物があるんですか?」


「カボチャ積みと麦俵上げは鉄板ですね」


「配達リレーと旬の料理対決とかも面白いし」


「芋蔓引きは毎年怪我人が出るね」


「やっぱり目玉は新酒肝試しでしょ」


「それは非正規の大人のお祭りですね」


「どこよりも盛り上がるけどね」


「ギャンブラー達が一喜一憂し、参加者達が泣き笑いぶっ倒れ吐瀉物を吐き散らす。ある意味メインイベントだし収穫祭でも一番面白い催しだね」


「今年こそゼルを一位の座から引きずり下ろしてやるわ」


「ケイトさん、いっつも二位ですもんね」


「今年も掛け金はゼルさんに集中するんでしょうね」


「最終的には一位とギルドに集まる仕組みなんでしょ?」


「そうなんですけど、やっぱり数少ない楽しみですからね」


「それの賞品はなんですか?」


「何って掛け金の1割と樽酒と町一番の酒豪の称号よ」


「すごくどうでもいい賞品…」


「お金は大事ですよ?」


「そうですね、俺は料理対決と配達リレーに参加しようかな」


「配達リレーはまだしも料理対決での優勝は難しいのでは?」


「難しいだろうけど可能性はある」


「確かに可能性はあるわね」


「何か秘策が?」


「ありますが、今は秘密です」


「そうなの、じゃあしかたないね」


「当日をお楽しみに。では見張り交代です。俺は警戒されているようなのでトランクの中で寝ますから。おやすみなさい」


「二人も寝といた方がいいと思うわよ?」


「眠れないんですよ」


三人はそのまま談笑を続けた


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