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冷恨

作者: 冥月 霜華

産んでくれなくてよかったのに

口癖になったのはいつだっただろうか


頬を走った痛みより

認めてもらえない痛みのほうが辛かった


幾ら頑張っても

いい成績をとっても

お行儀よくしていても

「当たり前」と言われて終わる


頑張らなくなったら

成績が悪くなったら

お行儀が悪くなったら

「私の子じゃない」と言われて体が痛む


後に生まれた子は何をしても「私の子」

先に生まれた私は「あの人の子」


冷えていく心が

恨み言を吐く


育ててくれたのだからと誰かが言う

「親」なら「子」に何をしてもいいというの?


見えない傷が増え

恐怖が世界を狭くした


逃げられないと外を眺めて思う

幾つもの視線があの人に繋がりそうで

一人では外に出ることすらかなわない


愛して欲しかった

認めて欲しかった

今もきっと何処かでそう願い

再会を恐れてる


冷たい関係

お互いを恨んでる


誰かが言う「心配している」と

受け入れられないのは

過去のあなたが今の私を縛るから


顔を合わせてもどうせ一方的に傷つけられると

分かりきった回答を頭がはじき出す


もういいよ

諦めた私の声


冷たい冷たい水の中

誰にも聞こえないように

恨み言と望みを吐き出して


肺いっぱいに水を入れて

二度と浮かばないように

沈んでいきたい

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