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Rot

 あれから1年

 あの日から僕は毎日彼女のお墓参りに行って、学校の知り合いに合っては白い目で見られた。

 僕は他称『暴虐的なひきこもり少年』自称『寡黙な少年』。

 友達なんてものは彼女しか居なかった。当然自由奔放な彼女は友達も多くお見舞いに来る友達もたくさんいた。

 皆に慕われる彼女を見ると、あの時死んでいたのが僕だったらよかったのにとも思わされる。そしたら‥‥‥‥それは想像したくはないな。

 今でも、僕は彼女の墓参りに毎日来ている。

 学校の帰りに花を一輪だけ餞別として持っていくのがもう恒例だ。学校でも暇、家に居ても暇な僕にはとても居心地のいい場所であった。

 僕が居るのを分かっているからか、墓にはあまり人が寄り付かなくなった。

 僕は柄杓で彼女の墓に水をかけて磨く。

 別に墓が汚くても彼女は死んでいるのだから何がどうというわけでもないが、どの墓よりもきれいにしているとなんだか嬉しい。墓の汚さでどれだけ思われていたのか、それが分かるような気がするから。

「今日も、徒沙とさの墓は一番きれい」

 ぽつりと、独り言をこぼして満足感を言葉にしてみて墓の段に腰をかける。


「そんなにあの女が好きだったのか?」


 声は僕真後ろで聞こえた。

 墓の段に腰をかけているのだから後ろは墓。そんなところから声が聞こえて驚きあわてて立ち上がり振り返った。

 振り返ると、墓石のてっぺんに座り不届き先般な輩が僕を見下ろしていた。そいつは、僕と同じ高校の制服を着ていたが、僕は知らない人物だった。学校で見かけたことがあるかと聞かれれば、断じて否。と答えられるほど、特徴が際立った人物だ。

 茶髪で長さがショート。普通の制服を着てどこにでも居るような存在だが、目の色が赤かった。詳しく言えば白い部分が赤かった。

「大丈夫か?目が充血してるし、パンツ丸見えだぞ」

 ワイルドにも謎の女は膝を立てて墓石のてんっぺんに座り込んでいる。立ち上がって謎の女を見るには絶対に見えてしまうポジションだ。

「‥‥‥‥これは‥‥‥見せてるんだ」

 と言いつつ顔を真っ赤にして、すかさず隠した。

「目薬貸そうか?」

「い、いや、これは元々こういう目だから気にしないでくれ」

 完璧にペースを掌握した気がする。

「とりあえず、僕が綺麗にした墓石に座り込まないでくれないか?」

「おお、すまんすまん」

 ぴょんと飛び僕の目の前に着地した。

 あえて言えば、僕は先ほどまで自分で磨いた墓石の段の部分だが座り込んでいたのだが。

 だがしかし、

「って、なんで私がのされてんだよ!」

 今頃気づいたらしい。

 といっても、今頃叫んで見ても登場シーンほどの迫力はもうなかった。駄々をこねる女の子程度にしか見えない。目が赤いのを除いては。

「んで、僕に何か用かな」

「そうだった、危なく用件を忘れるとこだったよ」

 そんなにどうでもいい用件ならあまり聞く気も起きないのだが。特に僕がきれいにした墓石に座り込む輩ならなおさら。

「それで、何なんだよ」

 僕は女の子の次発する言葉を聞いた途端、眩暈に襲われて倒れることになった。

『おぬしはそこの墓の女、緑森みどもり 徒沙とさを蘇らせる事を願うか?』

 赤い目をこちらに向けてはっきりと僕を捉えていた。声は二重になって聞こえて頭に響く声だった。

 バタン

『ふふふふふ、案外簡単に落ちたわね』

プロローグから続き引き続き短い投稿で恐縮です。

次でやっとあらすじに追いつく感じっすね。早く執筆したいと思います!

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