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天星の宇宙 銀河の三英傑の一人は別の銀河の高校生  作者: 咲良喜玖
第一章 銀河の三英傑の邂逅

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第7話 銀河連邦に所属

 戦争の目的が、ダルシア共和国という国を解放する事にあると書いてある。

 資料の表題に、でかでかと【解放戦争】と書いてあるので、ここをじっくりよく読む。


 銀河連邦の隣国。

 宿敵【神聖フロリアン帝国】に吸収されてしまったのが、ダルシア共和国であるのだそう。

 でも、ここに書いてある年号では百年違いだ。

 かつてあった国を取り戻す事が目標?

 目的が珍しい。

 昔あった国を取り戻すって理由は中々だな。

 直近であれば、わかるけど、すでに百年も超えているのに、取り戻すという表現も珍しい。

 俺の知る前世の世界史でも滅多にない事例だろう。


 フロリアン帝国に敗れて、命からがら銀河連邦に亡命した人たちの願いだと書かれているが、果たして本当にそうなのか。

 その人達にとってだと、銀河連邦の方が故郷に値するんじゃないのか?

 まあ色々と疑わしいが、端末情報にはそう書いてある。


 たぶんこれが、簡易の物だから、ここを詳しくは語られていないな。

 PC型だったら、もっと細かい情報が載ってたのかもしれない。

 まあ、ここは我慢しよう。

 


 解放戦争・・・。

 ってことは、侵略側だな。 

 解放戦争で、防衛なんて考えられないから、これは侵略側だわ。

 要は攻撃側だぞ。


 「クソ!・・・この状況、激ムズの戦争だ。侵略をするのは、戦争で一二を争うくらいに場面が難しい。局面作りが上手くないと勝てないぞ。勝つ算段ってあるんだろうな。銀河連邦さんよ!!」


 俺は恨み節込みで、吐き捨てるように言葉を出した。何の策も無しに戦うのはありえないと思っている。


 「それにしても、こんな重要な戦争の偵察任務を引き受けたのか。アルトゥールさんはさ。あなたは勇ましすぎるわ。凄すぎる」


 侵略側の偵察というのは、命懸けだ。覇王伝でも、攻撃側の斥候が全滅する事は少なくない。

 地の利が向こうにある中で、こちら側は慎重に偵察をしていき、たとえ情報を得られたとしても、持ち帰る事が難しいからだ。

 だから、ここの人たちの最初の緊張感も、きっとこれのせいだわ。あれだけ少佐の指示を待っていたんだ。会敵しそうになったら、ド緊張していくに決まってる。

 あれは切羽詰まった状況だったから、彼らの焦りがあったんだな。


 

 「えっと。他の資料はないかな。とにかくこの世界の武器とか。船とか・・・」


 銀河について。

 第一銀河と第二銀河は、こことは離れた宇宙域に存在するらしく。知っても意味ないとして、こちらでは詳しい情報が載っていない。


 第三銀河はドーナツの穴の中にあって、そこは足を踏み入れられない宙域の銀河となっているので、無視で良いとの事。


 そして、この世界の人々が暮らせる銀河が第四から第七となっている。

 この世界の銀河は、ドーナツ形だ。

 11時から1時までの方角が、第四銀河。

 1時から5時までが第五銀河。

 5時から7時までが第六銀河。

 7時から11時までが第七銀河となっている。


 ちなみに、近年の世界は、三大国で均衡がとれているみたいだ。


 第四銀河に存在する【永世中立国タイロン共和国】

 国家主席は議長。防衛はするが、侵略の戦争はしないと宣言されている。


 第五銀河と第六銀河の半分を持っている【神聖フロリアン帝国】

 国家のトップは皇帝。領土拡大路線であるようだ。


 第六銀河の半分と第七銀河の【銀河連邦】

 国家のトップは大統領。領土の維持の為に三つの国家が連合したらしい。


 以上の三つがこの世界の主要国だ。

 そして、俺が所属しているのが、銀河連邦である。

 神聖フロリアン帝国と決戦をするために、小国が集まった銀河の連立国家となっている。

 エルストア民主国。アバロン公国。サマルトリア民生国。の三つが合体したのが連邦だ。

 当時勢いのあった旧フロリアン帝国を抑えるために出来た国家と書いてある。

 

 「なるほど・・・・あれか。信長を止めるってことで組んだ感じと同じかな。信長包囲網みたいな感じかな・・・」


 俺は所々で疑問が出てきても、日本に置き換えて考えることにした。

 とにかく知識の定着にはイメージが重要だからだ。


 「それと、情報として重要なのは・・・」


 まだまだ知識が足りない。

 スクロールして、読み進めると、今読んでいるページが。


 『40/813』


 と書いてあった。


 「うわ。分厚い教科書を超えてる量だな。でも全部読むぞ。ここは、アルトゥールさんに誓ってるからな。頑張るってさ」


 速読で、どんどん読み飛ばす。

 ここで不思議と思う事がある。この文字たちが日本語じゃないのに、俺は今、この文字を読めているぞ。なんか、ヒョロヒョロの象形文字みたいな感じなのに、なんか知らんけど日本語に変換されてる。

 これって、もしかしてだけど。

 アルトゥールさんが関わってるかもしれない。

 彼の言語能力を借りている状態なのかもしれない。

 それと彼が優秀なのかも。

 俺の力だけで、これほど早く理解するなんてありえない。

 自分で言っても悲しいけど、俺馬鹿なんだわ。

 これはもしかしたら、アルトゥールさんの自身の力を俺が使えている状態なのかも。

 いやあ、正直ここは助かる部分だ。

 今から、この時間のない状況でさ。

 一から言語学習をするのは、時間の無駄だからな。


 「お! これだ。ここが重要だな」


 俺が発見したのは、武器類。戦争の道具だ。


 宇宙戦闘艦バトルシップ

 そのまま戦闘艦と呼んでもいいらしい。銀河連邦と神聖フロリアン帝国は戦闘艦と呼ぶことが多いみたいで、どうやら永世中立国がそちらの名称を好むようだ。

 というのはどうでもいい情報だ。ここは忘れてもいいな。

 戦闘艦は、宇宙での戦争を一手に担っている代物。重要兵器で主力となるもの。

 標準装備にビーム砲四門。実弾砲門六門が基礎となっていて、艦内に余裕があれば、宙空機を保有しているらしい。 

 宙空機とは、地球の戦闘機とほぼ同じものだ。

 宇宙を飛ぶ戦闘機が宙空機で、宇宙を船で航海するのが戦闘艦としてイメージしておこう。

 こういう風に頭の中で想像を膨らませておけば、実際の映像を見た時に慌てなくて済むはずだ。

 ちゃんとした心を持って、戦いに臨んだ方がいい。

 俺は、これから色んなことが初めてになる。その際に、いちいち驚いていたら、冷静な判断が取れない。ここは気を引き締めて、しっかりしておこう。


 戦闘艦での戦闘は、ビームが基本。

 遠近、中距離。全ての距離で戦闘が出来る戦闘艦は、ビーム砲の撃ち合いを戦闘の主軸にするみたいで、これが戦争の華となるらしい。

 ビーム砲が、船の装甲を貫通すれば、船が沈む。

 こんな単純な事がここには書かれているが、実はこれが一番難しいようだ。

 

 戦闘艦には、『ビームコーティング』と呼ばれる。

 特殊な防御壁が艦に備わっているらしい。

 こいつのおかげで、同じ箇所に二撃を当てるのが撃破するための条件となる。

 ビームコーティングの修復よりも先に続けて当てないといけないのが、撃破の難しさに繋がるらしい。


 つまりだ。

 ビームコーティングってのは、戦闘中に張り直せるんだな。

 これも貴重な情報だ。

 

 「なるほど・・・じゃあ、敵の艦を落としきるのって難しいのかもしれないな。ビームを正確に当てる。しかも、ほぼ同じ箇所になってるからな。うん。これは乱れ撃ちで、ラッキーショットを狙うのが基本なのかもしれないな。ほら、覇王伝でもさ」


 覇王伝の攻城戦も、弓と火縄銃を交互に撃っていく。それは正確に当てるってよりかは、敵を近づけない意味あいでの牽制に近かった。

 だから同じような使い方なのかもしれない。

 だってこの後ろに・・・。


 

 戦闘艦は近距離戦闘に移ると、実弾と宙空機戦に切り替わる場合がある。

 宙空機は小型と中型があり、小型は戦闘艦の周りを飛んで、敵の砲門を破壊することが仕事になる。

 小回りが利くために、敵の砲弾を躱しやすいのだそうだ。

 でも、相手の領域に潜り込むことになるので、小型船を操縦する人には腕前の他に勇気がいるとなっている。

 当然だろう。乱れ飛ぶビームの嵐の中で、敵に近づくわけだからな。


 中型艦は、敵の船に飛びついて、外から強引に中との接続をする。

 乗り込むための宙空機らしい。

 宇宙であっても、近接戦闘が行われることがある。

 およそ百年前のことだが、フロリアン帝国がヴァルトラン王国を滅ぼした戦争で、とんでもない肉弾戦が行われたと記録されている。

 それが、血で血を洗う凄惨な戦いで、その時に王が死んだらしく、滅亡のきっかけとなったようだ。


 「肉弾戦か。それになったらまずいな。俺、戦えないしな。アルトゥールさんって戦えるのかな。細マッチョなんだけど、やれるのか?」


 アルトゥールさんは、引き締まったいい筋肉をしている。

 今の俺は、前世時代よりも動きがスムーズで、体が軽い感じもする。反復横とびとか、ボール投げをしたら凄い結果が出せそう。


 「他には・・・。戦力の情報が欲しいな・・・こっちとあっちのさ。どうなってるんだ。この端末じゃ、そこらへんが分からないか。つうか、これさ。ネットワークとかに繋がってないのか? それともさ・・・」 


 俺は机の上のPCを見た。

 この中には、その資料が入っているのかもしれない。


 「アルトゥールさん。色々隠すためにこれを壊したのがよくないよ。結果として俺の苦労に繋がりましたよ。でも、あなたを引き継いだ俺はね。頑張って皆を守りますから、見守ってください」


 そうだ。

 俺は、この艦の人たちだけでも守りたい。

 高校生が何言ってんだと、生意気いうなって思われるかもしれないけど。

 アルトゥールさんが大切にしていたんだ。日記帳にもそう書いてあった。

 だから俺は、守りたい。

 神様。それくらい許して欲しいよ。

 本当に力を貸してくれ。

 知恵はなんとか絞りだすから、運をくれ。運を!!


 「ふぅ。あとは五百ページくらいを読んで・・・」


 【コンコン】


 ノックが聞こえた。


 「はい?」

 「少佐」


 声がカタリナさんだ。

 俺はドアを開ける。


 「なんだい」


 軍服を着ていたので、仕事モードの真面目な顔つき。

 この間とは別人である。


 「残り半日で閣下の母艦に戻れます。予定通りです」

 「わかった」


 連絡はそれだけじゃない。

 緊張感のある顔が崩れない。


 「その際に、そのまま艦内に入って欲しいとの事です。閣下からの指示です」

 「母艦に?」

 「はい。最終の会議を行うらしいです」

 「そうか。わかった。連絡ありがとう」

 「いえ。失礼しました」


 仕事をしている時は凛々しくてカッコいい人だ。

 カタリナさんの事は、そういう目で見ていこう。

 美人過ぎるから、美人だという意識を空の彼方まで飛ばしちゃうことにしよう。

 俺の中では、仕事デキ女性のイメージを定着させることにする。



 こうして俺は、上手い具合にカタリナさんと付き合う方法を発見したのだ。

 その情報を上手く扱えるかは、俺次第となる。

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