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1章 外伝1話 奇跡

護は限界が来て倒れてしまった。


「まっ!護君!だっ、誰か!

ダメだ誰もいない…どうしよう…

どうすれば良いか考えるんだ僕っ!

僕しか今、護君を助けられる人はいないんだ」

昊は考えていたこのままじゃ護は死んでしまう…

だが護のこの状態では救急車を待っていても間に合わないのは誰が見ても明らかだ。

「そもそも…この渋谷の状況でここに救急車が来るかは分からないし…」


突如駅の方から爆発音がし、そして無数の稲妻が走り轟音が鳴り響く。

誰か複数の人達が必死で戦っている様な鬼気迫る怒声なども微かに聞こえた。


昊は一か八か賭けに出た、

「そうだっ!僕達もさっき化物と戦ったら新しい力に目覚めたんだ…もしかしたら…傷を治せる能力に目覚めた人もいるかもしれない………よしっ!」


昊はすぐに行動した。

今の身体強化を使っている昊は常人の何十倍も強くなっている。

「我慢してね護君、よいしょっと!うわっ!凄いや身体強化って!僕ヒーローにでもなったみたいだ」

昊は護を背中に担ぎ立ち上がる。

「ううん、そんな事は今は関係無いね

待っててね護君、絶対助けるから!」



昊は渋谷駅の駅前、スクランブル交差点に向け駆け出す。化物は間違いなくそこから来ている。

身体強化によって昊の聴力も強化されているので嫌でも多くの人の叫び声や怒声、また化物にやられたのだろうか…

苦しみ悶える人の声や確実に化物に喰われたであろう人々の凄惨な光景も目に入ってしまった…

そして…足を止めてしまう…


「うぅ…ぐぅ…何なんだこれ…うぅ…何でこんな事…いや…ダメだ…今は護君を助ける事だけ…それだけ考えるんだ僕!早く傷を癒せる人を見つけないと!」

昊は悲惨な光景に胃の中の物を全て吐きそうになりながらも必死に耐え、そしてまた駆け出した。


あの嫌な予感がした金色の門がある場所に戻る様に



(渋谷スクランブル交差点)


そこには権能に目覚めた多くの人々が命を賭け化物達と戦っていた。

昊は護を背負いながらたどり着いて呟く。

「凄い、みんな能力を使って戦ってる…この人の多さなら…誰か治療の能力が使えるはず!」


昊は強化した視力で周囲をぐるりと見て探した。

「あの人は、炎…違う、あの人も違う…

あの女の人は…雷の剣?絶対違う!

あっ!あの白い光の女の子!

ケガを……治してる!凄いやっ!見つけた!」

昊は護を担いだまま急いで少女の元へ駆けていく。



「これで大丈夫なはずですぅ…

早く安全な所に逃げてくださいね~」

小学生だろうか?小さな少女は光の権能を使い足を噛まれ逃げ遅れた男性を治療していた。

昊は急ぎ少女に声をかける。

「あの!いきなりすみません!

あなたは…その、ケガを治せる力があるんですね!」

昊は少し興奮気味に話しかける。

「あっはい~、おけがをしている方の治療をしていたら何故か光の権能?

と言う魔法が使える様になったんですぅ~

私、魔法使いなんですぅ~、ふふんっ♪」

少女は自信満々にそう答えた…

「そ、そうなんですね、

あっ僕は(天海昊)あまみ そらって言います。

いきなりすみません…僕の友達も治療してください!お願いします!」

昊は護を地面に寝かせ少女に頭を下げる。


「はい~大丈夫ですよ、あっ私は…

(星乃 照愛)ほしの ありあです~。

こう見えても高校1年生ですからね!小さいですけどね…あっすみません~まだ力は残ってるので治療しますよ~」

女の子は快く快諾してくれた。

「あっありがとうございます星乃さん!

この恩は絶対…必ず返しますから!」

昊は涙目になりながら照愛に感謝を伝えた。

「も~天海さんは大袈裟な方ですね~大丈夫ですから、よ~し私頑張りますよ~」

そして護の横に座り両手を向け…


「治癒」

星乃は一言発すると優しい白い光に包まれ護のあらゆる傷をすぐに治してしまったのだ。

「す、凄いや!何て凄い権能なんだ」

昊はその力に感動してしまう。自身の権能の強さは理解していた、だがこの女の子の権能はその何倍も素晴らしい権能だと昊は思った。

「ふふっ!私凄いんですぅ~あっ…この方毒もかかってますね、ん~解毒!」

すると護の体は一瞬白い光に包まれた。

「はい、これで大丈夫です、もう傷も毒もありませんよ~まだ目を覚ましませんねぇ?

でもケガは無いのでその内起きると思いますぅ」

「あっありがとうございます星乃さん!

いつか必ず…何かあったら力になりますから!」

昊は力強く発した。


「あぁ~それならお願いがありますぅ、

私を助けてくれた美人の強いお姉さんを手助けしてあげてください。

今もすぐそこで戦ってますから~

あっあの雷の剣を持ってるお姉さんですよ~」


照愛は戦場になっている交差点の方に指を差す。

そこには20代くらいの長髪の…金髪なのか?

白と金が混ざった様なまるで稲妻の様な色なのか?

その女性が雷の剣を持ち雷を放ち、雷の様な速度で次々と化物を倒していた。


「あっあの人が…す…凄い…

あの女の人、確実にここにいる誰よりも強い…」

女性は次々と化物を倒しながら…

笑っていた…それを見て昊は少し怖く感じてしまった

がすぐに意識を集中し照愛に声をかける。

「わかりました、あの女性を助ければいいんですね

護君を助けてくれた恩を…必ず返します!」

昊は自分を鼓舞するように声を張り上げる。

「はい~気をつけてくださいね~

でも~お姉さんさっきは髪の色黒かった様な~?

あっすみませんこの方…護さんですよね、

この方は安全な場所に運んで貰うようにお願いするので安心してお姉さんを助けに行ってくださいね」

そう昊に話してすぐ近くで戦っていた警察官に話をしに行ってしまった。


「行動力のある女の子だな~それに護君も助けて貰ったし…感謝しても足りないや…

そうだ!僕は僕に出来る事をやるぞ、

僕は強くなったんだ!よしっ行くぞ僕!」


昊は気合いを入れ唱える

「退魔刀!」

その瞬間昊の手の中に1本の抜き身の刀が現れた。

刀身からは虹色の光を放つ芸術品の様な刀だが異様なのはその大きさ、

長さは昊の身長173cmより大きい180cmはある。

「なっ!何この…刀?いやこれゲームとかでよく見る大太刀だこれ!凄いカッコいい!

凄いや、重そうなのに全然振り回せる!

身体強化13倍はやっぱり凄いや」

その刀の重さは20kgは軽く超えていたが

昊の身体強化13倍の力の前ではまるで木の枝の様な感覚だった

「って遊んでる場合じゃない、よし…今度こそ行くぞ僕…今は多くの化物を倒してあの女の人を助ける!」

昊は刀を構えまるで風の様に駆け出した。

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