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1章 2話 不安

(東京都江東区)運転免許試験場


「よっっっしゃーーー!」

護は周りの目も気にせず叫んでしまった。

「ちょっと護君~恥ずかしいよ…」

昊は一緒にいるのが恥ずかしそうにし注意するように護のお腹を指でつつく。

「良いだろ別に、番号があったんだ普通喜ぶだろ」

「もう…護君のバカ…受かってない人もいるんだからそう言う事は後でやらないと…」

「あっ…そ…そうだな…ごめん、それで昊はあったのか?ま…まさか…そう言うこ…」

「もう、あったよ~合格したよ」

「おお~おめでと」

「ありがとう…護君が最後の追い込みしてくれたお陰なのかもね、緊張しなかったし」

「えっ?何?聞こえなかった」

「もう言わない」昊は口をすぼめて拗ねる。

いやこいつ女子かよ!そんなツッコミを1人でした。


そしてそこから30分後

「おおぉー俺の免許証!」

「そうだね~」

護は免許証を宝物の様に掲げて喜ぶ。

「だから恥ずかしいって…もう…近寄らないから」

昊は1人下を向いて少し離れた…


「よっしゃ念願の車の免許もゲットしたし、打ち上げしようぜ~」

「絶対そう言うと思ってたよ護君。

今日僕の家来てよ。凛音が護君は絶対受かるからってご馳走作ってるんだよね」


(天海 凛音)あまみ りおん 15歳

少し歳の離れた天海昊の妹

そりゃ昊の妹だ、めっちゃ可愛い。

そして、料理が上手い、天使、

そしてめっちゃ可愛い、うん、天使。


「マジで!それは嬉しいな凛音ちゃんのご飯か~、

前に食べたカレーも美味しかったな~」

護は前に食べたカレーの味を思いだしニコニコだ

そう言うと昊は少し暗くなって…

「まあ…僕は落ちるに賭けてるみたいだけどね」

そう薄ら笑いを浮かべたのだが…

だがその薄ら笑いも絵になるのが昊だ…


周りで(昊の周りで)女性達がキャーキャー叫んでいる、まあいつもの光景だ。

(慣れたけど許さん)


「ま…まあでも凛音ちゃんを見返せるから免許取れて良かったな昊」

「そうだね…あっ、

そうだ帰りに買い物付き合ってよ、渋谷で凛音に合う服買いに行くからさ」

「はあっ?男のお前が買うのかよ!妹の服のセンスわかんのかよ」

護は天使の為に戦おうとしたが…

「いや普通にわかるよ、女の子に合う服くらい、

誰でも普通わかるよ」

「わかんねえよ!まあ天使の為ならしょうがない…

一緒に渋谷まで行くよ、どこで待ってようかな~」

どこか護は上の空だったが…

「何言ってるの?護君も一緒に選ぶんだよ。

むしろ護君が選ぶんだよ…まったくもう」


一瞬護は固まった…


「はあ!?嫌だよ、よりにもよって何で男と女の子の服買いに行かないといけないんだよ!

俺はお前と違って変態じゃねえよ!」

「そっか…じゃあ凛音のご馳走は抜きだね」

そう昊はイタズラっぽく微笑む。


「「「キャーーーー!」」」

また周りの女子共が叫ぶ…

(うるさいわーーーー!)


「ぐぬぬ…ぬ…くそっ!

卑怯者めっ、進むしかないのか…」

「そう言う事、護君は進道、後退は無いのだ~、

よ~し渋谷に行こ~!お~!」

昊はスーパーハイテンションだ

俺はまるで猛毒状態だ…

「ぉ~………」

消え入りそうな声で無理矢理声をあげるのだった。

そしてとぼとぼと昊の後ろを付いて行くのであった…



✳✳✳


(渋谷スクランブル交差点)


渋谷のスクランブル交差点時刻は午後3時

とんでもない人が交差点待ちしている。

信号が赤になり2人は並んで待っていた。


「はあ、疲れた…人も多いし………

もう絶対渋谷は行かない、池袋くらいでいいや」

護はため息混じりに悪態をつく。

「はいはい、まあそう言わないで、買い物も終わったし、そろそろ帰ろ」

買い物袋を持った昊が笑顔で言う


「だな~凛音ちゃんのご飯楽しみだな~」

そして信号が青になった。

皆が歩き出そうとした瞬間………

「「「えっ!?」」」

そこに居た全ての人は驚愕し足を止める。

スクランブル交差点の中心に…

突如としてそれは現れた。


巨大な(金色の門)

アーチ状になっているシンプルな門。

そして門の中心には黒い渦が蠢いている…


「えっ?何これ?ねえ護君、これ何かの演出?」

昊は慌てて護の肩をバシバシ!と叩く。

「いてぇっ痛いわー!そんなの俺も知らないって…

だけど…いきなり現れたなこの…門か?

随分大掛かりなマジックかぁ?」

「わかんない…ってうわぁ!」

昊達は門に興味津々な群衆に押されてしまった。


「「何だあれっすげえでけぇ!」」

「「まじ凄い、ねぇ触りに行こー」」

あっと言う間に門の周りには人だかりが出来る。

写真を撮る人、友達と騒ぐ人、配信する人…

あの10月31日渋谷ハロウィーンの時の様だ。

いやそれより多いかもしれない。


「おいっ昊大丈夫か?」

護は転んだ昊に手を貸す。

「ありがとう護君、んしょっと、護君…このままここに居たら危ないし…ちょっと離れようよ」

昊は護の手を借り立ち上がり提案する。

「そうだな、それに…何か凄く嫌な感じがするし…」

護は何か嫌な気配、まるで刃物を向けられてる様な恐怖心を感じていた。

「いててっ…あ~もう…今ちょっと転んだ時に足を少しひねったかも…痛い…」

「まじか、ほら肩貸すよ。安全な所で少し休もう」

「ごめんね、ありがとう護君」


そして護は肩を貸して歩いて行く


✳✳✳


2人はあまり人がいなかった近くの公園のベンチに座り一息つく。

「ふぅ~ここならあの人だかりから結構離れてるから安全だな」

「そうだね、ありがとね護君…肩貸してここまで連れて来てくれて」

昊は申し訳なさそうに話す。

「ん?あぁ別にそんなのいいよ、だけど…何なんだろうな、あの変な門は」

「わかんない…調べたらわかるかな?

ん~と……うわぁ!Zの急上昇の1位はやっぱりあの門の話題か~」


 Z とは現在世界中の人達が使用している老若男女問わず様々な人が色々な画像や動画、リアルタイムな情報や自分の考えなどを手軽に発信する事ができ興味のあるユーザーをフォローすることで、そのユーザーの投稿を優先して表示する事が出来る現在世界一のSNS、情報サービスだ。


「へ~あの門世界中にいっぱい現れたんだね、日本にも、あっ!大阪や福岡にもあるんだね」

「そうなのか…何か気味が悪いな…

とりあえず歩ける様になったら早く帰ろう…」

護は少し落ち着きなく話す。

「そうだね、もうちょっと休んだら行こ」

「あぁ…」


そしてそこから40分後、門が現れてから1時間…


世界中で地獄の様な時。

いや…本当の地獄が始まった…

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