序章 1話 門
2025年
世界中に突如としてそれは現れた。
(門)
それは何も無い平原や町の交差点の中心、場所を問わずどこにでも現れた。
そしてそれは場所によって形や材質が違った…
石の門や鉄格子の門、はたまた銀や金の門もある。
その門は常に開いていてその中心には大きく、どこまでも深く暗い闇の渦がある。
その後ろには建物も何も無い、ただそこにいきなり現れたのだ。
世界中の人々は何が起きたのか分からなかった。
いや……分かる訳が無い。
しかしそんな超常現象…現代人は皆、どんな人も興味津々だ。
ありとあらゆる人がスマホで写真や動画を撮る。
そして友人に写真を送ったりSMSにあげたりする。
またスマホで配信したりする人もいる。
10分、20分、
時間が経つにつれ爆発的に話題が広まる。
世界中のテレビ局が自分の国に多数現れた門を報道したり生中継している。
人々は門の回りに集まり見る、それが気になってしょうがないから、好奇心、ただそれだけだ。
そこが大きな交差点の中心だろうが学校のグラウンドだろうが駅の中だろうが…
関係無しに門の回りに人々は集まる。
警察が規制線を張ろうがまるで意味が無かった。
人々は混乱、恐怖、そして好奇心など様々な感情がそこには芽生えていたのだ。
しかし何が起きる訳でも無い…
気になった人が門の中心にある今も渦巻きの様に回っている黒い渦、そこに触っても何も起きない。
違う…触れないのだ。
透明な膜?の様な物がそこにあり渦に触れない。
ガラスの様な物でもなく温度も無く、固いだけ。
摩可不思議な透明な膜が門の両側にあった。
そして話題は更に広がり1時間が経った時…
世界中の全ての門では無いが各国の1つ2つの門の膜に亀裂が走り…
砕け散った……その10秒後…
世界は………世界中の人々の生き方、
世界中の人々の命の重さは…変わってしまった…
この瞬間から