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3章 1話 呪い

白き世界

そこには何も無い

足元も空も遥か先までも白

その世界でその者は問いかける


「起きなさい、黒き神に選ばれし人間」


護はゆっくりと目を覚ました…

「こ…ここは?な…何だここ!

それに…あなたは……光?」

白の世界で目を覚ました護は突然のあり得ない光景に唖然とした、そして話しかけて来たのは…

姿形すら分からない人の様な光だった。


「ここは私の世界…白の世界です…

黒き神に選ばれし人間、時間が無いのです、一度しか言いません良く聞きなさい。

そなたは黒き神に重度の呪いをかけられています。

前に黒き神と接触した事はありませんか?」

光はそう護に問いかけた。

「えっ?黒き神?呪い?俺には何の事かまるで分からないんだが…それとここはどこなんですか?

俺はあの黒くなった魔物と戦っていたんだ…」

護は訳の分からない事を光から言われ混乱する。


「そう…では教えてあげましょう…

そなたの自己犠牲の権能は黒き神が与えた権能。

そして権能とは名ばかり、他の者とは違いそなたの権能はその名の通り自己を犠牲にし他人に上手く使われるだけのただの呪いだ。

黒き神はただそなたの苦しんだ人生をより苦しませ絶望する姿が観たいだけのただの戯れにすぎない」

そんな話を急にされ少し動揺したが、何故か護は腑に落ちてしまったのだ…


「確かに…この自爆の権能を得てから俺の人生は…

良い事がまるでなかった…

世界最弱のGランクと言う権能のせいで世間には毎日バカにされ…嫌がらせをされ…弱い権能のせいで暴行を受ける…そして有牙さんには良いように使われる。

それは全てこの権能を得てからだ………

でも!それは戦わない事を選んでいたら普通の人と何も変わらないだろ!?」

護は強い口調で光に問いかけた。


「そなたは…………

如何なる事があっても戦う事をやめないであろう?

それを分かっているからこそそなたを選んだのだ。

そして絶望を何度も何度も繰り返えさせ最後にそなたは絶望しながら…死ぬ。

黒き神はただ人々の絶望する様を観たいだけだ…

それ以上でもそれ以下でも無い、

自身の欲望の為にこの世界に魔物を放ち人々に権能と言う力を与え強制的に戦わせ、その様子を観るだけのただの暇潰しに過ぎない…

そしてそなたは黒き神のお気に入りと言う事だ…」

光はこの世界に魔物が現れ人々が権能と言う力に目覚めた理由…真実を護に伝えた…


「何で…何で俺なんだよ…これ以上どうすればいいんだよ俺は…今まで必死耐えてきた…でも…もう…」

護は今までの辛い日々を思い出し涙を堪える。

「心配するでない、そなたには黒き神に対抗する為に私の権能を与えてある。

だがまだ権能が開花するには器が足りん…

先程使ったであろう?私の権能は改変、

黒き神の権能を改変する能力だ。」

その言葉を聞き…全てが繋がった気がした…


「そうか…そう言う事か……

改変……そう言う事か……だからあの使えない権能が

少しまともに使える様になったのか……

でも……じゃあ……何で……何で力を使った俺も一緒に痛みを喰らったんですか?」

「先程言った事だ……

改変の権能を受け入れるそなたの器が足りない。

改変の力を使うには力の代償にそなたの体力……

つまり命を削り使用するしかない。

今はまだ器が出来るまで使わない事だな」

光は護に助言した。


それは改変の権能を単純に後7回使ったら即死と言う事だが…実際は何度も死にかけていたが…

「なるほど…そう言う事…か…なら…いつ俺は改変の力を制限無しで使える様になるんですか?」

「それは私にも分からない」

「そう…ですか…でも俺も戦う事が出来るようになるのが分かっただけでありがたいです……

ありがとうございます権能を授けてくれて…」

護は戦う力を授けてくれた光に頭を下げ感謝する。

「よい、そろそろ時間だ、そなたがこの世界を救う鍵になれる事を…私は願っている…」

そして護の意識は急に遠退いていく。


「ま…まだ聞きたい事が…あ…」

「いつの日かまた合う事があるだろう…

その日までに力を使いこなせておれば良いな……

黒き神に選ばれし人間……進道…護」

そして護は白い世界から消えたのだった

ここから3章が始まります。

護君の残りの命は14ですね…消費が全て2になっちゃったので7回使ったら……(゜д゜)

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