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分からず屋

 一度は止まっていたミザールの涙。気持ちが高ぶった為か、再び深紅の涙が溢れ出す。


「話を聞いて、こぐま。いいのよ、外なんて。私は屋敷の中にいられたらそれでいい。もう戻るのよ。それで何事もなかったように、ベッドで朝まで過ごすの。そうしたら、いつもの一日が始まる」

「──君が外を恋しがる日常が?」

「……恋しがってない」


 ミザールが拒めば、こぐまは気持ち低い声で、彼女の名前を呼ぶ。


「僕がどれだけ君のことを見てきたと思う? 僕は星影こぐま。君を守護する為に存在する者。君のことなら君以上に分かるんだ」

「分かるなら屋敷に」

「分かるから、このまま外に行くよ」

「……何を言っても、外に行こうとするのね?」


 月光が雲に隠れ、森の中は光をしばし失う。人間であるこぐまからはミザールの顔は見えないが、吸血鬼である彼女からは、彼の顔がよく見える。

 一切の迷いがない、ミザールが外に興味があると本気で思っている顔。


 それがひどく、憎い。

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