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外へ
心からの、幸せな笑顔であった。
「外に行こうよ、ミザール」
「……うっ、動けないくせに! 何を言っているのよ!」
「行こう」
「い……行かない!」
言いながら、ミザールは瞳へ──瞳から溢れ落ちる涙を取ろうとして、指をそこにやるが、既に涙は止まっていた。仕方ないので、こぐまの身体の上に落ちた涙を拾い集め、こぐまの口に入れていく。
「私があなたを部屋まで運ぶなんて絶対にできないから、自力で戻って」
「……ありがとう」
力は、戻ってきたらしい。
こぐまは身体を起こす。ミザールを抱き締めながら。
「今から外に行こう」
「今からなんて、あなた何を」
「今がいいんだ」
宣言通りにこぐまはミザールを抱き抱えながら、玄関の扉まで行き、魔法で解錠して外へ。庭には行かない。当たり前のように敷地の外へ。
「……っ!」
「どこに行こうか。森の動物の溜まり場になっている池があるからそこに行く?それとも、鳥の巣をたくさん設置している場所に行こうか」




