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本音
血をたくさん、それこそいつもの倍吸われても、こぐまの意識は残っていた。
ただ、指の一本を動かすことすらも苦痛で、彼女の背中を撫でてやりたいのにそうすることができない。
今の彼にできることといえば、
「僕が、運ぶよ」
口を動かすことのみ。
「おんぶでも、お姫様抱っこでも、何でもする。魔法で浮かすのもいいかもね。だって僕、君のおかげで魔法使いなんだ。君の望みは何でも叶えるよ」
「だから、私の望みは……」
「じゃあ、こうしよう。──僕にご褒美をちょうだい」
ミザールのいる辺りから、困惑しているような空気を感じる。努めて明るく、こぐまは続けた。
「三百六十五日二十四時間、君の守護をしているんだ。その褒美として、外の世界を満喫する君を見せてくれ」
「……意味が、分からない」
「分からなくていいよ、僕の褒美なんだから」
「……私は、外になん、か……」
「ミザール」
優しく、優しく、彼女の名前を呼び、こぐまがその顔に浮かべたのは、




