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優しい魔法

 眠る白雪姫の瞳から、涙が溢れ落ちていく。

 どれも涙の形をした赤い結晶。それは止まることを知らない。


「こぐま……こぐま……!」


 白雪姫に名前を呼ばれ、黒き魔法使いは静かに彼女の手を握った。


「ここにいるよ」

「……こぐま」

「ミザール?」

「……こぐ、ま……」


 目を覚ます気配はない。

 涙もまるで止まらない。


 ミザール・シェフィールドは吸血鬼。

 吸血鬼が流す涙には──。


 こぐまはミザールの流した涙を一粒、彼女の手を握っているのとは反対の手で掴み取り、口へ運ぶ。すると、彼の黒い瞳は赤く染まり始めた。


「悪い夢は、もう視ない」


 そう囁けば、白雪姫の恐怖に歪んでいた寝顔は徐々に和らいでいく。


「こぐま」


 彼の名を呼ぶ彼女の声は、安堵と喜びに満ちており、そのことにくすぐったさを覚えながら、彼は空いた手で彼女の白い髪を優しくかき分ける。額にほんのり浮いた汗も、こぐまが見つめれば消えた。


 吸血鬼の涙にはたっぷりと、魔力が込められている。

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