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眠る前の絵本
寝る支度を終えると、こぐまに抱き抱えられてミザールはベッドに向かう。ミザールが三体寝転んでも余裕がある大きな天蓋付きのベッド。ミザールの小さな身体を横たわらせると、こぐまも当たり前のようにベッドの中に入ってくる。
「こぐ、ま……」
ほんのりベッドの端の方へ寄りながら、ミザールが彼の名を呼ぶと、こぐまは優しく微笑み、魔法で部屋の照明を消す。
「それじゃあミザール。今夜は」
「……っ」
片手を上げるこぐま。すると誰かが投げたかのうように──本がどこからか飛んできて、彼の手に収まった。薄く大きな本。それは絵本だった。
『旅する吸血鬼』、そのようなタイトルが記された表紙には、旅行鞄を嬉しそうに持つ、赤い髪の女性が描かれている。
「この本を読みます」
「昨日と同じじゃない!」
「気のせいじゃない?」
「一昨日も同じ本だったわ!」
「その前の日は違うはず」
「『旅する吸血鬼4』じゃない! 結局同じよ! 他の絵本を読みなさいよ!」




