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子供は風の子、外に出ようか
吸血鬼ミザールと魔法使いこぐまの日常を、のんびり紡げたらなと思います。
お気に入りのロッキングチェアに腰掛けて、ミザールは静かにかぎ針を動かしていく。ミルク色の柔らかな毛糸で編んでいくのは、一輪の白い薔薇。
ミザール・シェフィールドと、生まれた時に名付けられた少女は、美しき白薔薇をこよなく愛している。毛糸とかぎ針と時間があれば、黙々といつまでも編んでいった。
「──ミザール」
ノックもなしに誰かが部屋に入ってくる。ミザールはその可憐な顔を不快そうに歪めた。
「こぐま、入る時はノックよ。常識でしょう?」
こぐまと呼ばれたのは、どこから見ても人間の青年。星影こぐま。それが彼の名前だ。
「だけどミザール。子供は風の子と言うよ。世間の常識さ」
「それ、ちょっと昔の常識じゃない? それに私は」
「細かいことは気にしないよ。お外に行こうね」
「ちょっと!」
こぐまは問答無用でミザールを抱き上げ、外に出ようとするので、ミザールは力の限り暴れた。こぐまは笑うばかりで、彼女を落とすことなく外へ出る。




