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第37話 フランクの恋!?

 騎士団に取り押さえられたバルブ、盗賊団のリーダー、そしてコロンブやその他の手下たちが一人また一人と連行されていく。

落ち着いたところで、私はやっとジュールにことの顛末を話すことが出来た。


「ミア王国で盗まれたエメラルドのことを調べていたらジュール王子から手紙をいただいて。メレーヌの屋敷にあるエメラルドはもしかしたらミア王国で盗まれたものと同じものだと思ったんです」


「それで犯人を追ってここまで来たというわけか?」


「はい。あ、でもそれだけじゃなくて、ジュール王子が行方不明だから捜索の協力を頼みたいってシヤン王国から使者が来たんです。本当に心配したんですよ!」


 私が怒ったように言うと、ジュールは申し訳ないと苦笑いをした。


「すまない。実は、コロンブという男が街中の茶屋に盗みに入ったのを目撃したんだ。茶屋の老婆が大事にしているエメラルドの指輪を盗んだ男が許せなくて。ここで追いかけなければ後悔すると思ってな」


「あ! お茶屋のおばあちゃん?」


「ああ」


 私が初めにエメラルドの事件を調べていた時のなんとも言えない感じ。

あれは、おばあちゃんのエメラルドの指輪を見せてもらったことがあったからだった。


「あの指輪を盗んだのね、あの男。許さない! たっぷり罪を償ってもらわないと!」


「茶屋の老婆とは仲がいいんだな」


「はい。昔からあのお茶屋の紅茶が好きなんです」


 おばあちゃんの店の紅茶をまた味わいたくて、私が笑顔でそう答えると、ジュールも同意するようにうなづいた。


「確かにあの店の紅茶は美味だな」


「えっ? 飲んだことがあるんですか?」


「メレーヌが、ロザリー姫は古びた茶屋の紅茶を気に入っていると言っていた。それで興味が湧いたんだ」


 (メレーヌめ……嫌味ったらしいのよ!)


「バウ! バウ! バウ!」


 私がジュールとしばらく話をしていると、建物の外からクッキーの声が聞こえた。


「クッキーがここまで騎士団を案内してくれたんです」


「そうか、頭のいい犬だなクッキーは。クッキーに頼んで正解だった」


 クッキーのことを話すジュールがすごく嬉しそうで、私も自分のことのように嬉しくなってしまう。

すると、私とジュールのところにクッキーが走ってくるのが見えた。

クッキーは、私ではなく真っ先にジュールに飛びつき、嬉しそうに尻尾を振っている。


「クッキー、えらかったぞ! 騎士団を呼んで来てくれたこと感謝する」


「バウ!!!」


 (いつのまにかこんなに仲良くなってたのね)


 微笑ましいやら、少しうらやましいやら、なんとも複雑な気持ちでジュールとクッキーを見守る。

でも、ジュールがクッキーを可愛がってくれていることがすごく嬉しかった。


 (カシスは元気にしてるかな? いつか、カシスも連れてみんなで散歩に行きたいな……)


 そんなあるかもわからない未来を思って、私は窓の外の空を見上げた。


***


 ジュールとクッキーに先に城に戻ってもらい、私は盗賊団のアジトをしっかり調べるためにその場に残っていた。

しかし、先ほどからフランクの姿が見当たらない。


「おい、フランク! どこだ? 全く。どこに行ったんだろう……」


 ふと建物の外の庭を覗くと、庭に設置されているベンチに座ってぼーっと空を見ているフランクがいた。


「フランク、こんなところにいたのか。どうしたんだ? こんなところで静かに座っているなんて、お前らしくないな」


 私が少し揶揄うような言い方をしても、フランクはいつものように言い返してはこない。

本当にどこか具合が悪いのか心配になった時、フランクは小さな声で言った。


「惚れた……」


「は?」


「俺、ロザリー姫に惚れちまった」


「はあああ!?」


 いやいや。

なに俯いて顔を赤らめているの、フランク?

急なフランクの告白に、私は呆然とフランクを見つめるしかなかった。

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