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第8話 集い始める勇者達

〜主な参戦ヒーロー〜


氷山(ひょうざん)リク/シルバースレイヤー

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。銀色の仮面と鎧で全身を固めた改造人間の剣士であり、並外れた剣技と身体能力の持ち主。

 ※出典はジョニー杉本先生作『ヒーローヴァース』から。


・ミュール/オーバーサイク

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。「筋肉増強」をはじめとする多彩な魔法の使い手であり、その可憐な外観からは想像もつかないパワーを発揮する。

 ※出典はこたろう先生作『グレート・オールド・ワン ~SHIHAISHA~』から。


朝熊弓弧(あさくまゆみこ)/魔砲少女ユミコ

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。桃色の髪を靡かせる魔法少女然とした見た目に反して、その力任せな戦法は剛毅にして豪快である。

 ※出典は泥んことかげ先生作『魔砲少女☆朝熊弓弧☆』から。


・ファラ

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。筋骨逞しい長身の女性であり、その膂力や威厳に溢れた出で立ちとは裏腹に、純真無垢な心の持ち主でもある。

 ※出典は南木先生作『ファラ ~古代が産んだ究極の筋肉~』から。


・トム/Mr.D(ミスター・ディー)

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。ジャンボジェット級の巨大なドラゴンに変身する能力を持ち、その大顎から放つ火炎で敵勢を焼き払う。

 ※出典は杉本 弥生先生作『I'm a dragon』から。


栗風礼二(くりかぜれいじ)

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。無数の人形を使役し、敵対者を昏倒させる「異能」を操る。

 ※出典はきりぎりす先生作『確定事項は覆せないーー式神と、人形と、異能者の宴』から。


・ゴウキ/ブレイブレオ

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。獅子の姿を持つ半獣人の戦士であり、その見た目に違わぬ荒々しいファイトスタイルの持ち主。

 ※出典はネガティブ先生作『ビーストウォリアー』から。


財津原王仁彦(ざいつはらおにひこ)/雷光鬼(らいこうき)蔵王丸(ざおうまる)

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。「漫画家」と「鬼」という二つの顔を持つ戦士であり、雷光を纏う拳を活かした徒手空拳を得手とする。

 ※出典はシンカー・ワン先生作『鬼さん、こちら。 ~隣はなにをする人ぞ~』から。


北条優也(ほうじょうゆうや)/ゴールデン・デイブレイク

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。エンジェルアーマーと呼ばれる翼の鎧を纏い、縦横無尽に空を駆け抜ける。まだ少年ではあるが、その底力は計り知れない。

 ※出典はフロリック先生作『機巧神話マキナエンジェル』から。


・グラウザー

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。2040年代の地球から来たアンドロイド警官であり、強力な武装と高度な頭脳を駆使して悪を粉砕する。

 ※出典は美風慶伍@特攻装警先生作『メガロポリス未来警察戦機◆特攻装警グラウザー [GROUZER The Future Android Police SAGA]』から。


寿福太郎(ことぶきふくたろう)/魔王装甲マガイダー

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。「悪魔」と「騎士」を彷彿させる外観の持ち主であり、多種多様な武器を巧みに使いこなす。

 ※出典はムネミツ先生作『マガイダー、異世界で婿養子になるってよ』から。


轟雷牙(ごうらいが)/宇宙刑事ライガ

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。黄金の鎧を纏う荘厳な戦士であり、一振りの剣で数多の敵を瞬く間に斬り伏せる強さを持つ。普段は女子校の教師を務めているらしい。

 ※出典は石田 昌行先生作『翔龍機神ゴーライガー』から。


根切羅刹(ねきりらせつ)

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。狂気的な思想を掲げる僧侶であり、異形の腕を振るい「非情極まりない攻撃」を行う。

 ※出典は負け犬アベンジャー先生作『もとめるのはただ一つ、去勢のみ。』から。


天野猛(あまのたける)/レヴァイザー

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。青いパワードスーツを纏って戦う少年であり、その若さに反して豊富な実戦経験の持ち主でもある。

 ※出典はMrR先生作『ヒーローロード』から。


椎名結衣(しいなゆい)

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。非常に饒舌に喋るステッキ「ガーネット」と共に戦う可憐な魔法少女であり、多彩な魔法を状況に応じて使い分けることが出来る。

 ※出典はくらはしみく先生作『まほなれっ!〜魔法少女とステッキのドタバタ日常〜』から。


十文字高斗(じゅうもんじたかと)/バイカーマスク2世

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。悪の組織を相手に幾度となく渡り合ってきた歴戦の勇士であり、特に豪快な力技を得意としている。

 ※出典は板野かも先生作『飛竜戦士リザードマスク ~怪人ザコトカゲだった俺が異世界で無敵のドラゴンライダーになった話~』から。


・リーパー

 ジークロルフが無数にある「異世界」の中から召喚したヒーローのひとり。謎多き黒尽くめの兵士であり、射撃の腕は超一流。さらに近接格闘にも秀でており、非常に高い戦闘能力を有している。

 ※出典は@REYNE先生作『ストライク・ブラック』から。




 もし私が、ごく普通の家庭に生まれた、ごく普通の子供だったなら。きっと今頃はごく普通の恋をして、ごく普通の結婚をしていたのだろう。


 ――けれど。


 私は、違った。


 違ってしまった。


 私は間違いなく、普通ではいられなかった。普通であることを許されない、生まれながらの「咎人」だった。


「異世界より現れた異端者『ハナ・ホナミ』よ! これより貴様の――死刑を執行するッ!」


 だから。今こうして、巨大な宮殿と青空に見下ろされた大広間で、衛兵達に囲まれながら「死刑」に処せられようとしているのも――その「報い」なのだろう。

 異世界から召喚され、この剣と魔法の世界に訪れた私を待っていたのは、国を脅かす「魔女」に裁きを下すための裁判。何の力もない私には、その刑をただ受け入れる以外にない。


「……」


 不思議と恐れはなく、私は周囲を取り囲む騎士達に殺気を向けられながらも――怯えるどころか、力無い笑みを零している。絶望の遥か向こうに辿り着けば、逆に笑ってしまうものなのだろう。

 そんな私に、死刑を言い渡した黒衣の裁判長も、周囲の騎士達も――引いている。これから間もなく処刑されるというのに、泣き喚くどころか薄ら笑いを浮かべているのだから、気味が悪いと思うのも当然だろう。


「……これより、ルクファード・セイクロストの名の下に、死刑を執行する。ギロチン台に連れて行け」

「はッ! ――おらッ、さっさと歩けッ!」


 そんな異世界人達の中で、ただ1人。私を奇異や侮蔑の眼で見ることなく、どこか憐れむように眺めていた、銀髪の青年は――私を死刑台に上げるよう、騎士達に命じる。

 この帝国を統治する皇帝陛下である彼は、騎士達に無理矢理連れていかれる私の黒髪を、じっと見つめていた。


 これから始まる公開処刑のために集められた、民衆の悲鳴を聴きながら。自身の背後に聳え立つ――巨大な「漆黒の影」を従えて。


 ◇


 ――その頃。私がまだ知らない、この異世界の遠いどこかで。


 3人の「ヒーロー」達が、激しい陽射しに照り付けられた砂漠の街に、ぽつんと佇んでいた。

 道行く人々は、風変わり(・・・・)な格好である彼らに、奇異の視線を送っている。空は青々とした快晴そのものであり、眩い太陽が彼らを見下ろしていた。


「あ、あづい……ここが『セイクロスト帝国』とかいう、お前の故郷なのか? なんか思ってたのと違うっていうか……アラビアンな感じの街並みなんだけど」

「いや全然違うよ! ここはヴァンクルス王国って言って、帝国からは遠く離れた砂漠の国なんだ!」

「じゃあなんでこんなとこ連れて来た!?」

「ま、間違えたんだよ!」

「……御託はいい、さっさと目的地まで連れて行け。砂漠は好かん」

「ケッ、砂漠戦仕様の防塵強化服(スーツ)なんて着てる奴が何か言ってるぜ」


 彼らは今、私が囚われている「帝国」を目指している……らしいのだが、どうやら「行き先」を間違えているようだ。先頭の青年が開いた「(ポータル)」の向こうに、ヒーロー達はあっという間に吸い込まれていく。


「つ、次は大丈夫だよ! 行こう、帝国へ!」

「おぉしッ! やっと異世界召喚って感じがしてき……!?」


 そして――その先で彼らを待ち受けていたのは、天を衝くほどの噴火により溶岩を撒き散らす、活火山の光景であった。

 麓に「転移」してしまった彼らの頭上に、無数の岩石が降り注いでくる。


「……!?」


 もちろん、ここは彼らの目的地などではない。3人は一目散に走り出し、ひたすら回避に徹していた。


「だあぁあ! なんなんだここはぁ!? 火山の麓じゃねーか、しかもめっちゃ岩降ってくるし! 大噴火の真っ最中だしッ!」

「え、ええっと……ここはその、ゾナンフェル山脈っていう帝国の隣国にある火山で……今はちょうど噴火の時期っていうか……」

「また間違ってんじゃねーか! お前戦う前に俺らを殺す気か!?」

「しょ、しょうがないだろ! 俺だって、師匠(ジークロルフ)に頼らないで転移魔法を使うのは初めてなんだから!」

「つべこべ抜かすな、さっさと『門』を開け」

「分かってるよ!」


 言い争う暇もなく、溶岩流が津波のように迫って来る。再び1人の青年が作り上げた「門」に、彼らは間一髪飛び込み離脱することに成功した。


 ――の、だが。


 次に彼らが「転移」したのは――巨大な渓谷を彩る、滝と湖の絶景であり。


「……!?」


 その幻想的な景色を一望できる――空中(・・)であった。


 「門」を抜けた瞬間、足場すらない真夏の青空へと放り出された3人は、一斉に絶句してしまう。


「どわぁあぁあッ!?」

「うわあぁあぁッ!」

「む……!」


 そこから敢え無く水中へと墜落し、5m以上もの水飛沫を上げた後。全員が息も絶え絶えになりながら陸地へと這い出たのは、「転移」から約数分が過ぎた頃であった。


「ゼ、ゼエッ、ゼエッ……おいゴルァア! 一向に帝国まで辿りつかねぇじゃねーか、どこなんだここはァア!? いくら世間様じゃ夏休みが近いからってなぁ、ツアー旅行に招待された覚えはねーぞッ!」

「こ、ここはアクロンティス渓谷と言って、帝国領の中でも絶景スポットとして有名な場所でね。毎年、諸外国からも大勢の……うん、ごめん」

「……帝国の領地ではあるのか。ならばもう、走った方が早いのではないか?」

「つ、次こそ上手く行くから! 絶対ちゃんと帝国に着くからっ!」


 とうとう転移魔法そのものを否定され始め、この中で唯一魔法が使える青年は、大慌てになりながら再び「門」を作り出していく。


「待っててくれ、花奈(はな)……今行くッ!」


 私の名を呼びながら、遠い地へと繋がる光の円を描く――彼の眼は。今度こそ必ず成功させるという、確かな決意を宿していた。


 ◇


「ハァッ……ハァッ……! くそッ、グランガルドの姫様はご無事だろうか……!? 殿下の脱出を援護すると仰っていたが……!」


 一方。私が囚われている「帝国」の大都市にある、どこかの路地裏では――囚人服姿の男性が、壁に手をつき激しく息を切らしていた。その表情は憔悴しきっているようにも見えるが、瞳には燃え滾るような「闘志」が宿されている。


「ハァッ、ハァッ……く、ふふ。それにしても、このジークロルフ・アイスラー……一生の不覚であった。まさか数億という報奨金を積んでも彼ら(・・)を買収出来ぬばかりか、交渉の余地すらなく『通報』までされようとは。聖騎士団長たるこの私が、『ヘンシツシャ』だの『ロリコンタイホ』だのと、謂れなき誹りを受けようとはな……」


 その脳裏に過ぎる、苦い思い出の数々はよほど過酷だったのか――男性の強面な貌は、どこか悲痛な色を滲ませている。


「……いや。私のつまらないプライドなど、どうなろうと構うものか。殿下のお力だけでは、恐らくあの『魔人』を屠ることは叶わぬであろう。……ハナ様をお救いするためにも、もはや手段を選んではおれんのだ」


 だが、その嘆きも長くは続かない。やがて彼は意を決したように、両の脚で血を踏みしめると――鎖で繋がれた両腕を翳し、異世界へと繋がる「門」を開いた。


「『異世界』の勇者達よ。貴様らが、金で動くような安い正義など持ち合わせておらん、というのなら――殿下直伝の『必殺技』を見せてくれよう! このジークロルフ・アイスラーの、誠心誠意を込めた芸術的『ドゲザ』をなァッ!」


 一度はこっぴどく「何か」を断られたらしい、この男性は――再びその「何か」に挑戦するべく、自ら生み出した「門」の向こうへと飛び込んで行く。


 ――誰が教えたのか。私がいた日本ならではの文化としか思えない、ある聞き慣れた単語を叫びながら。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 他の人の作品のキャラ紹介にしれっと自分のキャラが混じっているって、嬉しいと同時に気恥ずかしさがあります。 いきなり花奈さんが大ピンチなんですが、一体何があったのか非常に気になります。 彼…
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