水景色
未空の声が、聞こえ来る。
波風の音が、聞こえ来る。
なみなみ流れるこの水は、廻る如くに沈まれる。
水来る、身の冴えない空の旅。
幸せの回想に酔って笑うこの景色は、吹雪のように冷たい思い出。
風が呼ぶ冬と風を呼ばない夏とは、無常する。
吹雪の音が、聞こえるか。
雷の音が聞こえるか
轟の音の中のこの水は、いずこへと。
この水、帰るさえの声。
花の輪に咲く、廻る水。
輪廻の水は、鮮やかに消える。
この水たちは
いずれ蒸発し空にへと上がり
雲と成り雨雲に成り雨となって湖に戻る
これは水の道 水の輪廻の道。
水は、色んな道を選ぶ。人も同様だ。
唯々、それだけで現実が面白い。