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プロローグ

 それは、神代(かみしろ)()のありとあらゆる場所の窓硝子という窓硝子がいっせいに割れた日のこと。

 幸いなことに、割れた硝子の破片など怪我人はいない。

 奇妙なことに、割れた硝子の破片を覆い隠すように雪が降り積もり、破片は雪に溶かされるように消えた。

 その雪の上を歩く少女がひとり。

 腰まで伸びた漆黒の髪は毛先が白くなっていて、顔も青白く生気は無い。あちこちやぶれてぼろぼろでぶかぶかなカーキ色のブレザーを羽織り、そのしたに黒を基調としたセーラー服を身に纏う。

 少女はふらふらとした足取りで、どこか亡霊じみた雰囲気だ。

 ――まるで、僕じゃないか。

 そう思った直後、少女は立ち止まりくるりとふりむいて、僕を見た。

 僕は、ほんの一瞬目を覚ます。

 また目を閉じれば、すぐにつづきを見ることが出来るような、それでいてつづきを見られないような。この思考も、まだ半分眠りながら考えている状態だろうか。

 ともかく僕は、また目を閉じた。

 なにができるわけでもないがゆめであったとしても彼女を見ていたかったから。





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