素直な姉妹のおはなし
ある村に二人の姉妹がいた。
その姉妹の妹は、怒り、悲しみの感情が欠落していた。
しかし、神様はそんな彼女に夢中になった。
負の感情を知らない妹がとても魅力的になったのだ。
妹のことを他の神様は、二人とも素直な子。ある神様は、姉の方が人間らしくて良い、妹は感情が欠落しているじゃないか。と言った。
しかし、妹がとても魅力的に見える神様は、姉が妹に対する行いに日々怒りを覚えていた。
ある時は、自分の嫌いな食べ物を妹に与え。
ある時は、妹を理不尽な理由で叱っていた。
神様は、二人を試した。
まずは妹の方から。
食べ物を恵んで欲しいと懇願したときにどう行動するかみるというものだ。
妹は笑顔で、手に持っていたお菓子を差し出した。
姉は、眉間に皺を寄せて、断った。
神様は、激怒した。
この違いはなんだ。
他の神々はやはり間違っていたのだ。
自分こそが正しい。
神様は罰として、姉の命を奪った。
そのことを知った妹は、初めて、負の感情を知った。
妹は、知っていた。
自分が姉から愛されていることに。
姉妹二人ともが好きな食べ物があった。しかし、姉は、これは嫌いだからと嘘をついて自分に与えていたのだ。
ときには、叱られた。
自分が怒ったり、泣いたりすることがないことをからかわれても笑っているのを見て、どうして怒らないんだ!と叱ったのだ。
そんな姉が大好きだった。
そんな姉が、もういないのだ。
誰のせい?
彼女は知ってしまった。
姉が自分に与えるために神様へお菓子を与えるのを断ったことで罰を受けたことを。
神様はまだ知らない。
彼女が神様のことをひどく恨んでいることを。
神様が善意でしたと思っていることが、彼女に負の感情をもたらしたことを。
彼女は、神様が嫌いな、人々が悪魔や邪神と呼ぶものと契約を結んだ。
いちおうハッピーエンド的つづきも頭の中にはあるけど、多分つづかない(笑)