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†海風の歌†

作者: 雪柳


ある日、

深い深い海の底

一人の人魚が言いました。



「止めてください…!」

と。


しかし水底

(みなそこ)

の土の主は言いました。


「これも定めだ。

この星の意思には、私でも抗う事は出来ない。」


「そんな…!」

人魚は泣き崩れました。


あんなに海に優しい人達だったのに、


大事にしてくれたのに、


笑っていたのに、


一緒に生きて来たのに、



人魚は恨みました。


それなのに

海にごみを投げる者達のために、


魚を捕りすぎる者達のために、


自分たちの事しか考えない者達のために、




「何故沢山の人達が

此所へ来なければならなかったのですか!!」



土の主は言いました。


「歌ってあげなさい。」

と。


寂しい者達の為に、


悲しい者達の為に、


苦しい者達の為に、



また

笑える為に、



「歌ってあげなさい…。」





それからというもの、

人魚は恨むのをやめました。


この星の怒りも、

悲しみも、


安らぎつつあります。



人魚は歌い続けました。



決して忘れてはならない。

学ばなければならない。



と。





読んでくれてありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 下に行くほど海の底に行くような感覚に何故か陥りました。 言葉のチョイスが素敵だと思います。
2014/05/27 22:46 退会済み
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