第二話 未知なる展開
…なんで隣に座るんですか…
転校生が来た。
俺は1番後ろの1番端っこの席だ。
言いたいことはわかるだろう。
「お隣さんよろしく〜」
「よろしくお願いします…」
目立つことが嫌いだ。
人の心が読めてしまうから。
心無いその心の声を聞き続けて、耐えることができないから。
26年前。
世間に公にされた
『事実』
世界人口の三分の一が潜在的、顕在的関係なく「特殊能力」を持つ。
まるでファンタジーだ。
(隣…)
(誰アイツ…)
(席譲ってもらお…)
世間はその特殊能力を魂に根ざす力として、「魂能」と呼んだ。
差別は起きない。
人間はそんなに愚かじゃない。
そんなわけあるか。
目に見えない差別は確実にある。
本来であれば戸籍に登録、公表しなければならない「魂能」を俺は特別に隠してもらっている。
「ねえ」
我に帰る。
「…なんですか」
「なんでそんな険しい顔してるの〜?」
(…)
彼女…じゃない、彼の心は読めない。
何も考えていないのなら、「何も流れてこない」が、ノイズだけが流れてくる。
今の発言だって本心なのかわからない。
からかってるの?
ただの質問?
俺のことが嫌い?
何もわからないのは、それはそれで怖い。
「ねえ」
「あ、はい」
「聞いてるの?」
「聞いてます。別にこういう顔なんだからいいでしょ」
(…)
何も読めない。
読めないは読めないで不安だ。
(キミさ、)
「はい」
はい!?
思わず、返事。
(勝手に人の心、読もうとしてない?)
瞬間。
恐怖。
心臓がうるさい。
冷や汗。
軽い動悸?
読まれていることがバレている。
なんで?
こんなことは今までなかった。
能力者?
勘?
何か不自然な何かが出てた?
(勝手に人の頭覗くとか失礼なんじゃないの?)
「す、すみません…?」
小声で返す。
教室の心の声が少しうるさくなる。
(いい反応するじゃん)
…なんで隣に座ってきたんですか…
話の進みが遅いでしょう。
そりゃそうだ。
本来1話で済ますつもりだったのを
3話!
3話に引き伸ばしたんだから。
見捨てないでね…
亜夢ちんはオトコの娘ですよ。
気づかないふりしてもいいですよ。




