第一話 始まりはいつも突然
本日より一応、初投稿させていただきます。
プロットを描く限り一話の長さには結構なばらつきが生じる可能性がありますが、ご了承ください。
大層な人生を送ってきたわけでもないが、不満はない。
地元でそれなりの高校にも入れたし、ある程度なら友達もいる。
ただ一つ言うとするならば…なぜ、今ここで死ななきゃいけないのか、だ。
嘘だ。不満だらけだ。
文句も一つに絞れやしない。
こちとらまだ高校生ぞ?
人生120年時代と言われる現代。
まだやりたいこともある。
卒業だってしていない。
ハズレ能力でどう生きていけと⁉︎って、これはちょっと違うか…
…にしても不運だ。
まさか、街中で能魔に襲われるだなんて…
■
4/18
a.m.7:50
市内に大型の能魔が侵入。
個体数一。
危険度低。
付近にいた隊員が出撃、討伐。
怪我人はなし。
■
…ダメだ。
どう動いても予測線に引っかかる。
天国ってどんなところなんだろうな…いや、地獄か?あの世は快適だといいな…
が、いつまで経っても死なない。
ソレはもう動かなかった。
俺の目の前で能魔が唸りを上げて倒れる。
人影。
能魔に突き刺された巨大な剣。
それに寄っ掛かっているその人は金属でできた鎧?を身に纏っていた。
フルフェイスのメット。
表情は見えない。
ノースリーブの鎧。
その人間…女性か?のきめ細やかな白い腕がよく見える。
うなじと鎧の隙間からは髪の毛が伸びている。
煌めく白銀の長髪。
風にゆられたその髪は、顔の見えない彼女の雰囲気を柔らかなものにしている。
どこか妖艶な雰囲気を持つ彼女。
思わず声が漏れた。
「綺麗……」
見惚れるのも束の間。
ふわり。
気づくと彼女が俺の目の前にいた。
「キミ、怪我はなかった?ごめんねー、私が来るのが遅かったせいで…」
心が読めなかった。
掴みどころがない。
優しい声だった。
また予測線が見えた。
金属人間は何処かに消えてしまった。
■
学校にて。皆の話題はやはり今朝の騒動だった。
「俺見たぜ!とんでもねースピードででっかい剣をドーン!って突き刺してんのをさ!いやーあれは惚れるね、絶対美人だよあれはさぁ!」
「写真撮っときゃよかった…」
「えー私も会いたかったんだけどー」
始業のチャイムが鳴る。担任が来る。
「朝のホームルームを始める前に…転校生だ。入ってきていいぞ。」
入ってきたのは煌めく銀髪、幼なげな顔つきをした少女?だった。
教室の空気が変わる。
(((かわいい)))
クラスの総意。
俺もそうおもったもん。
絶世。
傾国。
そんな言葉すら生ぬるいかもしれない。
ただ、一つ違和感。
思考にノイズがかかっていて読めない。
何も考えていなくて読めないことはあったが、こんなのは初めてだった。
いや、朝のあの人もそんなんだったような…?いや、まさかな。
「えー…、明日乃亜夢です」
何を考えているのか、読めない。
「私、よく間違えられるんですけど…男です!」
(かわいい)
(天使)
(俺の女になれ)
(結婚しよ)
(よし、貢ごう)
(金か?金なのか?)
声に出さないみんなの声。
衝撃のカミングアウトは、多分俺にしか聞こえていない。
とにかく。
今日は。
フック。
ひっかけまくる。
ので。
よめ。




