01話 親友を失った代わりに
碧真17歳、高校生!今日は!17年間を共にした大親友が、ただの1年間同じクラスなだけだった女の子に取られた日!...いや無理すぎる。立ち直れない...あいつが幸せなら良いじゃんと思うかもしれない、友達にも愚痴った時そう言われた。いや、そうだよ?そうなんだけど!これからはあいつの隣は俺じゃなくて彼女さんのものになるって考えるとさぁー...あぁ、つら。幸せなのは本当にいいことだ、ただ1人にしないでくれー!学校で友達って言える人両手で数えられるくらいしかいないんだぞ!?はぁ、寝よ。
「お母さん、おやすみ。」
母にそう言いベッドに入ると布団が冷たすぎて声が出そうになった。明日、寒くなりそうだなぁ、カーペットでも買いに行こうかな?床冷たすぎて毎朝起きる度にびっくりしてるし、
...明日はいいことあるといいな。
そんなことを考えながら俺は眠りについた。
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...冷たい。ベッドから落ちたのか?
やっぱ今日、カーペット買いに行かないとダメだな、
『なんで...〜、しちゃっ...!』
ん、女の人の声がする。母だろうか?目が覚めてすぐだから頭が回らない...にしても誰と喋っているのだろう?父は昨日から出張で居ないし、お兄ちゃんかな?てかお兄ちゃんじゃないと怖いか...
『バッカじゃないの!!』
......まてまてまて、え、今、明らかに小学生くらいの女の子の声がしたよね?え?俺、妹なんかいないよな??
戸惑いながらもそっと目を開くと、光とともにとんでもない光景が視界に飛び込んできた
「え、?」
『あ、起きましたか。』
...軽く手の甲をつねる。痛い。まって、ということはつまり、目の前にいる白い翼の生えた男性も、その後ろに見える黒い翼の生えた青年も、耳がすごくとがってる人も、
「夢じゃ...ない..?」
『えぇ、あなたはここに召喚されたのです』
「うわぁ!びっくりした!」
いつの間に目の前にいた!?てか俺の声高!?なんで!??
『ふむ...随分と戸惑っているようですね、』
そりゃね!?誰でもこんな光景を目の前にしたら戸惑うと思いますけど!?
『それにしても素敵な髪ですね』
目の前にいる天使の翼が生えている男性、呼びにくいから天使(男性)さんで
天使(男性)さんは、そう言いながら俺の髪を触り王子様のようにキスを落とした。天使がキスを落とした髪は長く、どこか灰色のようにも見えた。え、は?ちょっと待て、俺が昨日鏡で見たのは、灰色なんかじゃなく少し茶色がかった髪だし、手に取ってキスができる長さではもちろんなかった。
声が高くなっていて、髪も長くなっている...つまり、
「女の子になってる...!??」
『いや、なってないぞ』
なってないんかい!こんなに考えたのに!てか誰!!
『お前、性別ないから』
「...は?」
性別がない...?
『上手くいったらなんの不備もなく召喚できるんだけど...よっと、』
天使(男性)さんとは違う、黒い翼の生えた青年が机からぴょんと降りてくる。行儀悪いな...
『ま、召喚したのが堕天使の俺だったからかな?』
「堕天使...」
目の前の黒い翼の生えた青年が堕天使なら、さっきまで話していた白い翼の生えた男性は[天使]あの奥にいる耳のとがった人は[エルフ]、かな?…[召喚]というワード、それに加えとても現実では考えにくい見た目をした人達、これは多分[異世界召喚]というやつなんだろう。...うん、
「訳わかんねぇ...」
『まぁ、無理もないです。なんせ我々もわかっていないのですから』
あ、この人もわかってないんだ。じゃあ俺に分かるわけないな、理解力ないし。
『ほら!あんたが召喚したんだから説明しなさいよ!』
白い翼の生えた少女が堕天使さんに圧をかけている…白い翼ということは、おそらくは少女も天使なんだろう。
『はぁ...ここは[クレア]、様々種族が暮らす国...と言いたいところだけど、そこまで人数はいない。あ、あと、お前は俺が召喚した。別に、召喚したくてした訳じゃないけどな...』
天使(少女)さんに圧をかけられ堕天使は説明したあとバツの悪そうな顔でその場にしゃがみ込んだ
「何となくわかりましたけど、最後の、召喚したくてした訳じゃないってどういうことですか?」
天使(少女)さんに質問してみる。
『したくてした訳じゃない、っていうのはそのままの意味で、こいつがこけた拍子に転移装置に手をつき、魔力が装置に流れ込み、あなたが召喚されたというわけ』
こいつ、とは天使(少女)さんの指さす方向からして、さっき説明してくれた堕天使さんのことだろう。それにしても、身長170cmくらいある威圧感半端ない堕天使さんをあそこまで従えられるとは...堕天使よりも天使の方が偉かったりするのかもしれない、なるほどなぁ、
「あの、これから俺どうすればいいんですか、」
『召喚した側とされた側は、主従関係となり行動を共にしなければならない。というルールが私たち天使と堕天使には存在するの』
俺は視線を堕天使さんの方へ向ける。つまり俺は彼へ従わないといけないってことか?異世界召喚されたと思ったら今度は堕天使に従わないといけないとか最悪すぎる…
『あ、でも召喚された側が絶対に召喚した側に従わないといけない。なんてルールはないから、こいつ、従わせちゃっていいわよ』
「えっ」
『え?』
異世界召喚されて初日で堕天使を従うことになりそうです…




