表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の尿管結石が異世界では賢者の石だった!?  作者: 卯月真琴
第二章 ペネストレーデの薬狂い
46/46

閑話 黒龍クロの昔話 その1

祝! 10,000 PV 記念!

いつの間にか10000PVでした。

みなさま、ありがとうございます!!!

 ドラゴン。

 一一の世界においては架空の生物であり、数多くの題材として用いられている。ただ、この世界においては架空ではなく実在していて、その種類は多岐に渡る。

 その種別は大きく分けて二つ。

 龍と竜である。

 前者が一の世界におけるドラゴンなのに対し、後者はワイバーンやトカゲ型の魔獣に分類される。さらにそこから数多くの種類に分類されるのだが、前者の龍に関しての研究は遅々として進んでいない。そもそも絶対数が少ない事を始め、目撃情報自体も少ない。英雄の領域に足を踏み入れた者たちによって討伐された龍もいるのだが、あくまで成体になる前の状態であったり、或いは老体となった龍であったりするため、最も強大な成体の龍を研究出来た者はこの世界に一人もいない。

 そんな龍が、フローウェル王国の最東端に位置するブラクレスト連山ーー黒龍山脈の方が有名だがーーに主として存在する。

 歴史を紐解けば、黒龍によって滅んだ国や文明が幾つも存在する。各言うフローウェル王国もその滅んだ文明の跡地から発展した国で、隣国からの侵攻を許さないのはこの山脈のおかげでもあった。近隣諸国も流石にこの山脈に手を出す事は出来ずに、不可侵条約を締結し、触れようとはしてこなかった。

 そんな黒龍は山脈の主人として生態系の頂点に君臨していたのだが、それも束の間。突如現れた炎龍に襲われ、山脈の魔力も近くの都市に流出していたおかげで十全の力を発揮することも出来ず、一度は敗北してしまった。だが、どういう巡り合わせか炎龍を共に倒す仲間と出会う事となる。

 後に莫逆の友となる男、一だ。

 彼と、彼の仲間と共に炎龍を討伐した黒龍はすったもんだの末、カッスラーの村を自身の庇護下に起き、復興を手伝うと宣言する。

 それが黒龍と人間の、何度目かになる絆の始まりであった。



 人間は、名前という個体を識別するための手段を特に大切にする、と黒龍は学んだ。


(確かに我がクロという名を貰ってから、人間たちから感じていた恐怖や畏怖といった感情は薄れつつある)


 その巨体を地面に伏せ、フシュルフシュルと鼻を鳴らしているクロは今、村の子供達の遊び相手をしている。まぁ実際は黒龍から見れば矮小過ぎる存在にどう対応すれば良いのか分からず、ただワイワイガヤガヤする子供達専用のアスレチックになっているだけだが。


(それにしても、増えるのが早いものだ……)


 尻尾を揺らせば子供達が我先にとしがみつき、背中へと這い上がってくる。分厚い鱗と皮膚に覆われた体には何の刺激も無く、意識をしていなければ寝返りを打った拍子に押し潰してしまいそうで、動くのがとても怖い。


(ふん、我より強い物に恐怖はすれど、我よりも弱き者に恐怖する日が来るとはな……全く、退屈せんな、人間は)


 そう言えば、とクロは遥か昔の出来事に想いを馳せた。

 それはまだ、クロが黒龍山脈へ住み着く前の事。

 幼体から成体へと変わる僅かなーーそれでも人間の時間からすれば十数年ものーー時間を共に過ごした女の事を。


(懐かしい……確か名前は……ア、ア、アル、アルシュ…いや、アシュル……そうだ、アシュリーだ。アシュリー・ヴィンセント。うむ、久しく忘れていたな)


 遠い過去の記憶から掬い上げたその名を心の中で反芻していると、不思議と穏やかな気持ちになってくる。暖かな陽の光と相まって心がほくほくと暖かい。その心地よさに身を任せるとフシュルフシュルと鳴っていた鼻からは、いつの間にか長閑なメロディが奏でられていた。

 気が付けば、クロの周りではしゃぎ回っていた子供たちは、ゴツゴツしたクロの体を枕にして、穏やかな寝息をたてていた。

【お知らせ】

諸事情により、この作品の更新を停止させていただきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ