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俺の尿管結石が異世界では賢者の石だった!?  作者: 卯月真琴
第一章 転生したのに病気はそのまま
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プロローグ

 フローウェル王国は王都と四つの大領地、六つの中領地、三つの小領地からなる大陸で二番目の面積を持つ大国である。

 その王都・フローウェルレンスから東に一直線に伸びるフォークレム街道をずっと行けば、中領地のアルメルディアへと辿り着く。

 王国東部の主要都市や農耕を主とする町村を繋ぐ重要な街道であり、ここ数十年で魔獣の被害が激減したおかげで、王国騎士団や領地騎士団の駐屯所も徐々に数を減らしていった。しかしながら、アルメルディア領内の街道や森林の整備までは行えていないため、王国東部へ出向く商人たちにとっては、すこしばかり厄介な道程でもある。

 そんなフォークレム街道の終点の少し手前、フォガーズ大森林を抜けた少し先の街道では。


「ぅううっぐぅ……」


 一人の男が道の真ん中で倒れ込み、右のわき腹を抑えながらのたうち回っていた。


「な、なんで!」


 彼がのたうち回れば、砂埃が舞う。


「い、ってぇ! くそが! なんで! なんで! っぐくうぅッ!」


 その激痛に呼吸は乱れ、吐き気も催し、彼は大声で気を紛らわそうとする。


「っく、そ、がぁッ! っぐ! がァッ……クッソ、ふざけんなやゴラァ!」


 この痛み、彼は知っている。だから叫ぶ。


「なんで異世界に転生したのに尿管結石が治ってねぇんだよぉおおおおおおおおおお!」


 断末魔にも似た叫びが木霊する。


「なんで……なんでぇ……」


 同じ言葉を何度も何度も繰り返す人形に成り果てた彼の視界は涙で歪んでいた。


「痛いよぅ……痛い……」


 心なしか幼児退行をしているようにも見えるが、本人は至って真面目で、激痛に悶えているだけだ。


「誰か……誰かぁ……」


 もう一度だけ言う。本人は至って真面目で、激痛に悶えているだけだ。


「ふぇ……助けて……」


 何故、彼がこんな街道のど真ん中で、尿管結石の痛みでのたうち回っているのか。

 話は少し前に――正確に言えば、彼が死んだ直後にまで遡る。


とうとう始めてしまいました。

楽しんでいただければ幸いです!

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