No.15
マシューが送られてきたメールと、添付されていたファイルの中身に愕然としていると、ジム・アダムスから電話があった。
「マシュー、とんでもないメールが送られてきたぞ!」
その言葉にマシューは、すかさず答えた。
「それは、スターファイター計画とやらですか?」
「知ってるのか?」
「いえ、ついさっき僕のところにも、ファイル付きのメールが届いたんです」
「そうか……とにかく直接会えるか? ファイルの中身について、詳しく話し合うのがいいかもしれん」
「ええ、そうですね」
「基地内は、誰が聞き耳を立てているか分からない。いつものファミレスで」
「了解です」
それからしばらくして、マシューとジムはいつものファミレスの席で顔を合わせた。
「リアムは、飛行試験を利用して基地から逃げ出すつもりらしい……」
「本当ですか?」
「だが、いつなのか、上手くいくのか、詳しいことはまったく」
「僕のメールには、このファイルをテレビ局や新聞社のメディアに送るように書いてあった」
ジムは、マシューの表情にある種の決心が浮かんでいることに気づいた。
「で、まさか、それを実行するつもりなのか?」
マシューは小さくうなずいた。
「だが、国家機密を公にリークするというのは、ある意味で勤めてきた空軍……ひいては合衆国に対する、反逆的な行動でもあるというのは、分かるよな?」
「そう言われても、リアムは僕の兄ですから」
「ああ、そう言うと思ってたよ。俺だって、リアムは仲間で親友だ」
「手伝ってくれるんですか?」
「ここまで来たら、当然だよ」
そうして二人は、さっそく行動を開始したのだった。
それから数日後……
トンプソン大佐は一連の失態の、事務的な後始末に追われていたが、ひと段落させると基地を訪れた。
格納庫の中では、可能な限り回収された機体の残骸が、きれいに並べられていた。
サンチェス教授がほとんど一人で作業をおこなっていたのだ。回収された残骸の検分をひたすら続けていた。
「教授、少しは休んだらどうだ?」
「ああ……」
教授はそっけない返事だけで、大佐にかまうそぶりもなく作業を続けた。大佐はため息をついて、コントロール室だった部屋に戻った。
すると、要員の一人が駆け寄ってきた。
「トンプソン大佐殿、緊急を要する事態が起きたようです」
「何事だね?」
「こちらを、ご覧ください」
「これは……」
タブレット画面には最新のニュースが表示されていた。それは、スターファイター計画に関する機密情報が、大々的にリークされたという記事だった。




