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Project StarFighter  作者: 菅原やくも


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11/16

No.11

 戦闘機に乗って飛行中だった。リアムは、自分のよく知るF‐22(ラプター)のコックピットに座っていた。彼はハッとして、左後方を振り返り見た。なにか別の機体が、急接近しているのに気が付いたのだ。

 それからの景色は全て、あたかもスローモーションで進行しているかのようだった。

 アラームが鳴り響き、リアムは座席の緊急射出レバーに手を伸ばそうとした。しかし、景色と同様に、自分の動作の全て、緩慢な動きしかできかなった。

 やっとのことでレバーに手が触れる、というところで機体に衝撃が走った。機体が急失速して、落下の感覚に襲われるとともに視界は暗転した。


 そこでリアムはハッとした。

 自分が事故のときのことを、夢にみていることに気が付いた。だが、相変わらず、自分が目を覚ましたと思っても、身体の感覚は無く、視界は暗黒だった。

 それから今度は、先日の大佐の話を思い起こした。身体が現実問題としては死んでいて、意識だけが存在しているなど、やはり信じられなかった。あるいは、実際には、特殊な状況にあるのではないか? あるいは、古い映画の『|Johnny Got His Gun《ジョニーは戦場へ行った》』の主人公のような状態にあるのではないかさえと思った。自分が墜落寸前の状態にあったことは理解していたが、その瞬間このとは思いだせなかった。

 大佐は、なにか嘘を言っているのだろうか? 仮にそうだとしても、理由は分からなかった。


 視界は全くの暗闇。強く意識をしても、身体の感覚は感じられなかった。


 リアムは以前の、日本へ旅行した時に体験した、座禅というものを思い出した。

 あぐらをかいて座わり、呼吸を整えて雑念を払いのけるといったものだった。もっとも、意識だけしかない状態では、深呼吸もなにもあったものではないのだが……。

 どのみち、まったくの暗黒に意識が浮遊しているだけの状態で、他にすることはなかった。

 リアムは自分が座って深呼吸するイメージを意識した。起きているのかどうか、自身でもよく分からなくなったときに、なにかが浮かんできてた。

 そこで彼は、さらに意識を集中させた。ぼんやりと、なにかしら形のあるイメージが現れはじめた。大量の1と0の並び……さらに、アルファベットと数字が並んでいるような気がした。それからはっきりと分かった。自分が見ているものは、コンピュータかなにかのフォルダだ、ということに……。


 事実、戦闘機本体との通信、制御、各種モニタはすべて繋がっていた。さらにはコントロール室のパソコンはネットワークにも接続してた。

 外部からのアクセスに対しては、セキュリティによる警告が発せられるように設定されていた。だが、施設内からのアクセスに対しては、どこかのフォルダのログに記録されるだけだった。

 つまり、意識だけで自由にファイルを閲覧しているしているリアムに、オペレータが気づくことはなかった。


 それから、リアムは思いついた。メールのフォルダを見つけると、メールを送ることができないか? と……。もちろん、容易ではなかった。だが、時間はたっぷりとあった。

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