魔王さま、ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンと名乗る。
名は体を表す。
だから、オレ様の名前は偉大なのだ。
「何て名前をつけようかなぁ。パパはどんなのがいい?」
オレ様の名前を付けるのか?
いやもうオレ様には、魔王 ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンと言う偉大なる名がある。
「そうだな。ラブちゃんとかどうだ?!」
ラブ…ちゃん…。ま、待て!
だから、俺の名は魔王 ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンだと言っておるではないか!
「ラブちゃんは、なんか女の子みたいでいやだ。」
女の子とかそういう問題ではないが、オレ様もいやだ。ジャンピングボーイと初めて意見があったようだ。
「男のみたいな名前がいいのか…う~ん、良一郎なんてどうだ?太田良一郎。」
「太田良一郎?」
「あぁ、良輔の良を取って、俺の慎一郎の一郎を取って、良一郎。」
…こいつ…センスがないな。
「ぼくが太田良輔で、パパが太田慎一郎で、小鳥さんが太田良一郎?」
「あぁ、いい名前だろう。」
…いや、全然思わぬ。ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャン、これこそ最高の名だ。
魔王の名にふさわしい、威厳が備わっておる。
だいたい勇者と戦うとき、「魔王 太田良一郎が、おまえなど恐れると思うのか!」と言って…笑われないか?
やはり…「魔王 ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンが、おまえなど恐れると思うのか!」の方が、絶対カッコイイとオレ様は思う!!断じて良一郎は反対!もちろんラヴちゃんもだ!
ジャンピングボーイがオレ様を見て、う~んと唸ると
「良一郎はなんか違う。」と言った。
おおっ!やっとお前と心が通じたか?!でかしたぞ!ジャンピングボーイ‥いや良輔。
オレ様もお前の名前をちゃんと呼んでなくてすまなかったな。これからはちゃんとおまえの名を呼ぶぞ。
では良輔、新たなミッションだ。いいかよく聞け。
オレ様の名は…ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンだ。
そう、パパに言うのだ。
だが良輔は首をかしげて、オレ様をじっと見るばかり。
う~ん、少し難しいか?
ヴィクトル・イワノヴィチ…ここまではいいよな。わかるよな。
で…ダニロフ=ダニリャンと続くのだ。う~んその顔は…やっぱりわからぬのか?
ダニロフ=ダニリャン…これはこの世界では発音が難しいか?フルネームで呼ばれたいが…う~ん、間違って呼ばれるのは、気分が悪いから…妥協してヴィクトル・イワノヴィチでどうだ。
オレ様も一歩引いたのだから、パパとの交渉を頼むぞ、良輔。
オレ様がそういうと良輔は頷き
「ぼくね、いい名前思いついた!」そう言って、良輔はジャンプしながら言った。
「ピィちゃん!!可愛いでしょう?ねぇ、パパ!!」
「おっ、いいんじゃないか?」
……やはり、おまえは……ジャンピングボーイで十分だ。ずっと跳ねておれ…。
「ピィちゃんも喜んでる。」




