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魔王ピィさまの野望  作者: 夏野みかん
3/8

魔王さま、ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンと名乗る。

名は体を表す。

だから、オレ様の名前は偉大なのだ。





「何て名前をつけようかなぁ。パパはどんなのがいい?」


オレ様の名前を付けるのか?

いやもうオレ様には、魔王 ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンと言う偉大なる名がある。



「そうだな。ラブちゃんとかどうだ?!」


ラブ…ちゃん…。ま、待て!

だから、俺の名は魔王 ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンだと言っておるではないか!



「ラブちゃんは、なんか女の子みたいでいやだ。」


女の子とかそういう問題ではないが、オレ様もいやだ。ジャンピングボーイと初めて意見があったようだ。



「男のみたいな名前がいいのか…う~ん、良一郎なんてどうだ?太田良一郎。」


「太田良一郎?」


「あぁ、良輔の良を取って、俺の慎一郎の一郎を取って、良一郎。」


…こいつ…センスがないな。



「ぼくが太田良輔で、パパが太田慎一郎で、小鳥さんが太田良一郎?」


「あぁ、いい名前だろう。」


…いや、全然思わぬ。ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャン、これこそ最高の名だ。

魔王の名にふさわしい、威厳が備わっておる。


だいたい勇者と戦うとき、「魔王 太田良一郎が、おまえなど恐れると思うのか!」と言って…笑われないか?

やはり…「魔王 ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンが、おまえなど恐れると思うのか!」の方が、絶対カッコイイとオレ様は思う!!断じて良一郎は反対!もちろんラヴちゃんもだ!


ジャンピングボーイがオレ様を見て、う~んと唸ると

「良一郎はなんか違う。」と言った。


おおっ!やっとお前と心が通じたか?!でかしたぞ!ジャンピングボーイ‥いや良輔。

オレ様もお前の名前をちゃんと呼んでなくてすまなかったな。これからはちゃんとおまえの名を呼ぶぞ。



では良輔、新たなミッションだ。いいかよく聞け。

オレ様の名は…ヴィクトル・イワノヴィチ・ダニロフ=ダニリャンだ。

そう、パパに言うのだ。


だが良輔は首をかしげて、オレ様をじっと見るばかり。


う~ん、少し難しいか?


ヴィクトル・イワノヴィチ…ここまではいいよな。わかるよな。

で…ダニロフ=ダニリャンと続くのだ。う~んその顔は…やっぱりわからぬのか?


ダニロフ=ダニリャン…これはこの世界では発音が難しいか?フルネームで呼ばれたいが…う~ん、間違って呼ばれるのは、気分が悪いから…妥協してヴィクトル・イワノヴィチでどうだ。

オレ様も一歩引いたのだから、パパとの交渉を頼むぞ、良輔。


オレ様がそういうと良輔は頷き

「ぼくね、いい名前思いついた!」そう言って、良輔はジャンプしながら言った。


「ピィちゃん!!可愛いでしょう?ねぇ、パパ!!」


「おっ、いいんじゃないか?」



……やはり、おまえは……ジャンピングボーイで十分だ。ずっと跳ねておれ…。





「ピィちゃんも喜んでる。」


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